業務端末1000台のうち半数がMac
サイボウズの業務用端末に占めるMacの比率は、年々高まっています。現在の導入台数は約1000台。ラップトップでは半数ほどがMacで、デスクトップを含めても約4割を占めます。
かつてMacを選ぶのは開発エンジニアが中心でしたが、今では職種による偏りはほとんどありません。
「開発はもちろん、営業、人事、マーケティングなどさまざまな部署で使っています。特に役員クラスはどちらかというとMacのほうが多いですね」(青木さん)
新入社員では、その傾向がさらに顕著です。例年6〜7割がMacを選択しており、今年も約7割に上りました。一時期は40人ほどの新卒のうち、Windowsを選ぶのが1人か2人という年もあったそうです。学生時代からMacに親しんだ世代が増えていることも背景にありそうです。
制度の起源はエンジニアの声
サイボウズでは、かなり早い時期から「従業員選択制」を導入していました。そのきっかけは開発現場からの要望です。
「過去に開発系のエンジニアからMacで開発したいという声があり、それでMacも業務で使えるようにしたと聞いています」
狙いは好みに応えることではなく、生産性の向上でした。WindowsよりMacのほうが開発しやすいというシンプルな理由からです。
この声が制度として実現した背景には、組織の事情もありました。
「当時の情報システム部門のトップがエンジニア出身だったので、エンジニアの声を社内制度に反映しやすい土壌がありましたね」

全社へ広がったデバイスの実力
開発部門で始まったMac利用は、やがて全社へ広がっていきます。青木さんは、その理由をデバイス自体の使いやすさにあると見ています。
「会社でスマートフォンとしてiPhoneを配付しているので、Appleデバイス同士の操作の一体感の高さも後押ししていると思います」
Appleデバイス全体で統一されたユーザ体験が、Macの使いやすさにつながっているようです。
また、バッテリ性能やパフォーマンスも高く評価しています。
「MacBookシリーズは本当に1日中、充電しなくても使えます。それに、負荷の高い処理をする場面でもMacはストレスが少ないですね。Windowsも決して悪くはありませんが、ビデオ会議はMacのほうがスムーズだと感じることがあります」
青木さんは、Appleがハードウェアとソフトウェアを一貫して設計していることが、こうした使い勝手やパフォーマンスの高さにつながっているのではないかと見ています。
普及を決定づけたAppleシリコン
部門を越えてMacが広がる転機になったのが、Appleシリコンの登場でした。
「それによってバッテリの持ちやPCのパフォーマンスがさらに向上したと感じています」
同じ価格帯のWindows PCと比べても動作が軽快で、バッテリも長持ちします。その使いやすさが社員の口コミで広がり、Appleシリコン以降に普及が一気に進んだといいます。
理由は性能だけではありません。WindowsからMacへ乗り換える社員からは、「プライベートでもMacを使っており、使いやすいから」「チームのほかのメンバーがMacを使っているから」といった声もあるそうです。周囲と同じ環境のほうが仕事を進めやすいという実利的な面も、選ばれる理由になっています。
現在、サイボウズは社員が利用できるPCのラインナップを社外に公開しています。
「外部の方から『こういう環境で働きたい』と思ってもらえることがあります。採用面にも間接的に貢献しているのではないかと思います」
デバイスを自由に選べる環境は、社員の満足度だけでなく、採用面でも会社の魅力につながっています。
次回は、サイボウズがなぜMacを管理できるようになったのかをテーマに、MDM導入の舞台裏をひもときます。

【URL】https://cybozu.co.jp/recruit/workplace/remotework/
写真●黒田彰
