クラウド利用と業務端末の多様化に対応
両社は連携の背景として、クラウドサービスの利用拡大と業務端末の多様化を挙げる。認証情報の窃取やなりすまし、不正端末の接続に対するセキュリティ対策は、業種を問わず重要性が高まっているという。
特に医療機関や地方自治体、教育機関では、公共性の高い情報を扱うことに加え、求められる情報セキュリティ対策の水準も年々高まっているとしている。ゼロトラストセキュリティの考え方が浸透するなか、利用者と端末を継続的に確認し、接続先や権限に応じてアクセスを制御する仕組みも重要になっている。
両社はこうした課題に対応するため、クラウド側で利用者や証明書を管理するSoliton OneGateと、オンプレミスネットワークへのアクセスを制御するAT-RADgateを連携させた。
証明書の有効性を接続時に確認
今回の連携では、AT-RADgateによるネットワーク接続時の認証に、Soliton OneGateで発行・管理するデジタル証明書を利用する。
証明書を用いるEAP-TLS認証により、証明書を持つ端末であることを確認したうえでネットワークへの接続を認証する。AT-RADgateは認証時にSoliton OneGateへ証明書の失効状態を照会し、有効性を確認する仕組みだ。
Soliton OneGate側で証明書を失効させると、その状態がネットワーク認証にも反映される。このため、失効済みの証明書を使ったネットワーク接続を防止できるとしている。
AT-RADgate側の利用者登録が不要に
運用面での大きな変化は、AT-RADgate側で利用者を個別に登録する必要がなくなる点である。利用者の追加・変更・削除と、デジタル証明書の発行・管理をSoliton OneGateに集約できるため、両製品で利用者を重複して管理する手間を抑えられる。
AT-RADgateは、ユーザー認証やMAC認証、デバイス認証などに対応するRADIUSサーバーである。ネットワーク接続時に利用者や端末を認証し、組織の方針に応じたネットワーク利用の管理を支援する。
Soliton OneGateは、デジタル証明書を利用した多要素認証と、クラウドサービスおよびレガシーシステムに対応するシングルサインオンを提供する国産IDaaS。証明書の発行・配布・失効管理機能を備え、Wi-FiやVPNなどのネットワーク認証にも利用できる。
また、アライドテレシスの統合ネットワーク管理ソフトウェア「Vista Manager」シリーズを組み合わせることで、ネットワーク構成や接続状況を可視化できる。認証とネットワークの状態を把握しやすくし、管理者による状況確認やトラブル対応の効率化を支援するという。
医療・自治体・教育での利用を想定
両社は、医療機関、地方自治体、教育機関など、多様な利用者や端末が混在する環境での活用を想定する。
医療機関では、医師や看護師、委託業者などによる院内ネットワークの利用において、医療機器へのアクセスを利用者・端末ごとに管理しやすくなる。地方自治体では、職員や委託業者、来庁者などの利用者ごとに接続範囲を分け、庁内ネットワークの安全な運用を支援する。
教育機関では、校務系・学習系といった用途の異なるネットワークに対し、教職員や児童生徒の利用に応じたアクセス制御を適用しやすくなるとしている。
Apple端末を含む混在環境での位置付け
利用者とデジタル証明書の管理をクラウド側へ集約し、証明書の失効状態をネットワーク認証へ反映できるため、多様な利用者や業務端末が混在する組織では、アクセス制御の強化と管理負荷の軽減を図りやすくなる。
本連携におけるApple製品への証明書配布については、今回の発表では触れられていない。一方、ソリトンシステムズの製品情報では、安全な証明書配布に関する連携実績のあるMDMとして、Jamf Pro、Omnissa Workspace ONE UEM、Microsoft Intune、Google Chrome管理コンソールを挙げている。Jamf ProとOmnissa Workspace ONE UEMについては連携手順、Microsoft IntuneとGoogle Chrome管理コンソールについては参考情報を公開している。
同ページによると、Soliton OneGateとともに利用する専用アプリによる証明書の配布・運用は、macOSとiOS/iPadOSにも対応する。MacやiPhone、iPadをJamf Proなどで管理している組織では、既存のMDMをSoliton OneGateの証明書配布経路として利用する構成を検討できる。
ただし、AT-RADgateとの連携における対応OSや動作条件、必要な構成は今回の発表では示されておらず、実際の適用可否は個別に確認する必要がある。

