SaaS中心なら互換性は問題にならない
「Macは業務に向かない」というイメージは今も根強く残っています。しかしサイボウズでは、その障壁はほとんど感じていないといいます。理由は、働き方の基盤がクラウドサービスにあるからです。
「サイボウズの『kintone』をはじめ、他社のSaaSもブラウザベースなので問題ありません。ZoomやTeamsなどのアプリも普通にMacで使えますし、Windowsと遜色ありません」(青木さん)
それはMicrosoft製品についても同様です。以前はWindowsで作成したPowerPointをMacで開くと、フォントやレイアウトが崩れることもありました。しかし現在は、そうした問題もほとんどなくなったといいます。
一方で、Excelのマクロの中にはWindowsでしか動かないものもありますが、それも大きな問題にはなっていないようです。
周辺機器との相性についても、青木さんはMacのほうが安定していると感じています。
「トラブルはWindowsよりMacのほうが少ない印象です。Windowsはハードウェアメーカーとの相性問題があり、Web会議用のヘッドセットやWebカメラとの相性が出ることがあります」
サイボウズではAirPodsの業務利用も認めており、Apple製品で揃えれば大きな問題は起きないそうです。Appleデバイス同士の親和性の高さが、こうした安定した運用につながっているようです。

WindowsとMacを同じルールで運用する
互換性の次に問われるのが、セキュリティや内部統制です。OSが複数あると管理は複雑になりそうですが、サイボウズではWindowsとMacを共通のルールで運用しています。
「パスワードポリシーやディスク暗号化など、最低限のルールはWindowsと共通です。Macだからできない、Windowsだからできないということは特にありません」
ヘルプデスクでも、Mac特有の負担はほとんどないといいます。
「Mac固有のトラブル相談もほとんどありません。むしろ利用者がトラブルなく使い続けられるという意味では、Macのほうが優れている印象があります」
一方で、近年はMacやWindowsといったデバイス単体のトラブルよりも、認証や権限など複雑化した社内システム全体に関する相談が増えているそうです。デバイスの違いそのものは、もはや大きな課題ではなくなっているようです。
「システム管理者の視点においても、最近はビジネス向けのセキュリティ製品もMacに対応するようになっているので、『Macだから個別に対応が必要になる』というようなケースは少なくなってきていると感じています」
次回は、サイボウズはPCのコストをどう考えているのか。価格より生産性を優先する理由に迫ります。
写真●黒田彰
