XREALが2026年7月6日、サブブランド「xbx(エックスビーエックス)」を発表した。同社のARグラスをより一般ユーザへ、とりわけ若い世代へと普及させるための戦略的ブランドだ。
ブランドのローンチと同時に、第1弾製品として「xbx a01+」をリリース。イベントでは、新ブランド立ち上げの狙いとともにハンズオンの機会も用意された。
「Just Play」を掲げる新ブランドxbx。ARグラスをもっと身近に
近年のXREALは、「XREAL One」シリーズやASUSとのコラボモデル、Googleと共同開発を進めるAndroid XR対応デバイス「XREAL Aura」など、ハイエンド路線のARグラスを次々と投入している。

一方でXREALは、ARグラス市場が依然としてガジェット好きやアーリーアダプター中心であることを課題としており、過去XREAL 1Sの発表イベント等でもそれを発信してきた。そんな中、今回登場したサブブランドxbxは、より幅広い層へAR体験を届けるための新たなアプローチだ。
xbxは、XREALが培ってきた技術やノウハウをベースにしながら、より気軽に楽しめる製品群を展開していく方針だという。ブランドメッセージは「Just Play」。難しい設定や専門知識を必要とせず、ゲームや映像コンテンツをシンプルに楽しむことを重視している。
その思想を体現する製品が、今回発表された「xbx a01+」だ。
まず注目したいのは軽量設計。本体重量は前面フレーム装着時で62g、フレームを外すと56g。XREALによると、光学シースルー方式のARグラスとして業界最軽量クラスだという。参考までに、左右のイヤフォンをMagSafe充電ケース(USB-C)に入れた状態のAirPods Pro(第3世代)は、約55g。これと近しい重量となる。

「xbx a01+」は装着感の向上にも力を入れており、新設計のノーズパッドを採用した。従来モデルより面積を広げ、滑りにくさも高めることで、長時間使用時の安定性を向上させている。またツルの部分がソフトな仕様なので、寝転んだ状態でも使いやすい。とにかく“気軽さ”を追求し、新たなターゲット層にアピールする狙いだろう。
デザイン面も従来のXREAL製品とは異なる方向性を打ち出した。ブルーレンズと蛍光イエローのケーブルを採用し、フロントフレームは着脱式。さらに、フロントフレームの3Dデータを公式で提供予定としており、3Dプリンタを利用してオリジナルデザインのフレームを制作できる。「ファッションアイテムの一つとして…」という紹介は印象的だった。

xbxはエントリーモデルながら映像品質に妥協なし
手軽さを前面に打ち出す一方で、「xbx a01+」映像性能についても妥協は見られない。
ディスプレイにはSeeYa製のデュアルレイヤMicro OLEDを採用。解像度は1920×1080ドット、3D表示時は3840×1080ドットに対応する。リフレッシュレートは最大120Hzだ。
また、最大輝度は1600nit。イベントでは「ARグラス最高クラスの明るさ」と説明された。実際に装着してみると、その明るさの恩恵はダイレクトに感じられる。映像がクリアに飛び込んでくる印象を受けた。また、14段階で調光できるため、環境を問わず利用可能だ。

映像表現ではHDR10に対応するほか、AIによるSDR→HDR変換機能も搭載。HDRコンテンツ以外でも明暗の表現を強化できるため、この点も「xbx a01+」の強みを実感しやすい。色再現性は約10.7億色、145% sRGB、ΔE<2を実現し、映像やゲームの色彩を鮮やかに表示できる。

なお、視野角は50度で、4m先に147インチ相当の仮想スクリーンを表示可能。スマートフォンやパソコン、携帯ゲーム機などと接続することで、場所を問わず大画面環境を構築できる。
そしてオーディオには新世代スピーカを2基搭載。4種類のサウンドモードと3Dサラウンドに対応し、映像への没入感を高める仕様となっている。オープン型なので、ボリュームを上げすぎると音漏れするので注意。
手軽さ、を担保するための強力な手ブレ補正機能
「xbx a01+」は、手軽さが魅力のエントリーモデルだ。はじめてのARグラスとして手に取られ、日常的に使われることを目的としている。そこで障害となるのが酔いだ。歩行時や乗り物移動中、あるいは食事中にも使ってほしい、しかし画面が揺れると酔いにつながる。
そこでXREALが「xbx a01+」に採用したのが、AIによる予測技術と120Hzレンダリングを組み合わせた手ブレ補正機能だ。
同社によると、電車内や飛行機内などでも映像の揺れを抑え、より安定した視聴体験を実現できるという。食事中の咀嚼による揺れも予測し、フォローするのはユニークだし、驚きだ。


「xbx a01+」が切り開くARグラスの未来
「xbx a01+」の価格は4万3980円。すでに販売がスタートしている。
さらに「XREALプライムセール」では、Androidベースの空間コンピューティング端末「XREAL Beam Pro」と組み合わせた「空間エンタメセット」も用意された。価格は6万2690円からで、ARグラスと専用デバイスをまとめて導入したいユーザ向けの構成だ。
xbxの立ち上げにより、XREALは新たなフェーズに足を踏み入れた。
優れた性能を、4万円台という手の届く価格に詰め込んだ。XREALが掲げる「Just Play」というメッセージは、ARグラスを日常の道具へ変えていこうとする同社の意志そのものだろう。

「xbx a01+」は、ARグラスの新規ユーザを獲得するための“入口”として、XREALの製品ラインアップの中で重要な役割を担うことになりそうだ。



著者プロフィール
関口大起
『Mac Fan Portal』編集長。腕時計の卸売営業や電子コミック制作のお仕事を経て、雑誌編集の世界にやってきました。好きなApple Storeは丸の内。Xアカウント:@t_sekiguchi_









