ASUSのゲーミングブランドROGと、ARグラスを展開するXREALは、新製品「ROG XREAL R1」を発表しました。本製品が、ARグラスの中でも特にゲーミング用途を意識したモデルとして展開されます。
発表会では、製品の詳細なスペックや特徴に加え、AR業界関係者によるトークセッションも実施されました。本記事では、発表内容、トークセッションの要点、そして実際の体験をもとに、本製品の特徴を整理していきます。
本気でゲーム環境を作れるARグラス「ROG XREAL R1」
ROG XREAL R1は、ゲーミング用途に特化したARグラスです。
ゲーミングを謳う本機の目玉はもちろん映像性能。最大240Hzのリフレッシュレートに対応しており、高速な動きのあるゲームでも滑らかな表示を実現しています。応答速度は0.01msと非常に高速に設計されているため、FPSなど反応速度が求められるタイトルでもラグを感じにくいのが特徴です。HDRにも対応し、106%sRGBの高色域表示との組み合わせで、よりダイナミックな深みのある映像を楽しめる点もグッド。

ゲーミングPCの映像出力はHDMIとかDisplayPortが基本です。しかし、従来のARグラスはUSB-C対応がほとんどで、iPhoneやSwitchなどのポータブルゲーム機との接続性は高かったのですが、ゲーミングPCや据え置き型のコンシューマ機で本格的なゲームをするには課題がありました。そこで「ROG XREAL R1」は、HDMIやDisplayPortに対応。おかげで、PS5やゲーミングPCでの利用が可能となりました。

さらに、XREAL One Pro同様、空間上に画面を固定する「3DoF」にも対応しています。これにより、移動中にゲームをしても映像が安定しやすく、酔いづらい点も注目です。発表会に登壇したeスポーツキャスターの平岩康佑さんは「移動中に、自分の頭が揺れても画面は揺れないので、全然酔わなかった」と実体験を語りました。
周囲の環境に応じて視界の明るさを調整できる電子調光機能も備えており、グラスを外すことなく現実空間とのバランスをとりながら利用できる点も実用的です。
音響面では、ツル部分にXREALではおなじみのBOSE製スピーカを搭載しています。開放型でありながら臨場感のある音が特徴で、ゲームや映像コンテンツへの没入感を高めてくれます。
ゲーミングと銘打つに相応しく、同じXREALの上位モデルであるXREAL One Proと比べても、ROG XREAL R1はリフレッシュレートや応答性、専用のゲーム機能など、よりゲーミング用途に特化したチューニングが施されていることがよくわかります。

気になるROG XREAL R1の価格は14万1550円。グラス本体と専用ドックを含んだセット価格となっており、予約は2025年7月13日まで受け付けてます。

トークセッションで語られたARグラスの現在地
発表会の後には、トークセッション「X Talk」が行われました。トークテーマは、今回発表されたROG XREAL R1に限らず、「ARグラス」という大きな領域。和やかな雰囲気ながら、率直な意見が交わされました。
ASUS JAPAN ゼネラルマネージャーのAlex Lin氏は、「ARグラスは空間をほぼ使わずに大画面体験ができる」と話し、そもそもスペースが限られる日本の住環境と相性がいいと語りました。さらに「電車内や自宅でも、自分だけの視聴体験ができる」とも話していて、「自分専用の画面」としての価値にも触れていたのが印象的です。
一方で、これまでのARグラス進化の一連の流れについては、少し辛口なコメントもありました。元Metaエンジニアの近勝義仁(ナル夫)氏は「ARグラスは初期の頃は正直使い物にならなかった」と振り返りつつも、現在のARグラスは「ガジェットから家電になった。いよいよ使えるようになった」と評価。
また、元ソニーイタンタクティブエンタテインメントの吉田修平氏も「これまでの期待を超えてきた感じがある」「毎日使えるデバイスだと思う」と話していて、実際に“日常で使えるかどうか”という視点での進化が話題になっていたのがわかります。
今回発表されたROG XREALについて、Alex Lin氏は「ホラーゲームやオープンワールドとも相性が良い」と話し、没入感の高さを活かせるジャンルとの相性の良さに言及していました。
「ARグラスは普通に使えるところまで来ている」という認識は、多くの登壇者に共通していた印象です。

タッチ&トライで感じた実力
トークセッション後はお待ちかねの体験会。実際にROG XREAL R1を装着しました。
製品を体験してみてまず印象に残ったのは、映像の滑らかさ。240Hzのリフレッシュレートによって、動きの速いシーンでも違和感が少なく感じられました。
また、視界いっぱいに広がる映像は、携帯デバイスであることを忘れるほどの没入感があります。3DoFによる「空間固定モード」は精度が高く、視点を動かしても空間上に画面がしっかりと固定されていました。ここはXREALが得意とする部分ですね。
装着感も比較的軽く、長時間ゲームをしていても疲れづらいのはありがたいところ。
一方で、ツルにスピーカがある関係上、音漏れは避けられない部分です。体験中に本機を外したところ、音が漏れているのがわかりました。大きめの音で体験していたので、当然といえば当然かもしれませんが…。となると移動中の電車など、公共の場で使用する場合はイヤフォンの併用が現実的です。
ただ、本機の大きな特徴は、低遅延かつ高リフレッシュレートの映像と、専用ドックによる接続性の高さだという点を鑑みると、ゲーミングPCや据え置きのコンシューマ機と合わせて使うシーンを強く意識しているはず。そういったシーンでは、音漏れは気にならない部分のはずですし、240Hzのリフレッシュレートや、0.01msの応答速度はとても魅力的です。


本気で作られたゲーミングARグラスは新たなゲーミングディスプレイとなるか
ROG XREAL R1は、ゲーミング性能と携帯性を両立したARグラスとして、全体的に完成度の高さを感じさせる製品でした。
14万円とかなり値が張りますが、その分、映像体験や性能面での完成度は高く、従来のディスプレイ環境とは異なる新しい選択肢を提示する製品と言えそうです。
ARグラスというカテゴリがどのように広がっていくのか。そのひとつの流れを示す存在として、今後の展開にも注目していきましょう。

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