走行中に風を受けるバイクは、「夏も涼しそうだね」なんて言われることもありますが、実際にはサウナで熱波師に全力であおがれている状態に近いものがあります。ただし、こちらは「ととのう」どころか、熱中症の危険と常に隣り合わせ。
熱中症対策として近年ハンディファンが流行っていますが、バイクに乗っているときは使いづらい…じゃあネッククーラーは使えるのでは? と思い立ちました。しかもネッククーラーなら、首周りを冷やすことで暑さを和らげる効果も期待できそうです。
そこで、今回はTORRASさんの最新型ネッククーラー「COOLiFY Cyber Fold」をお借りし、その魅力を探ることにしました。バイク乗りの視点から、本製品をレビューしていきましょう。
COOLiFY Cyber Fold



「COOLiFY Cyber Fold」は、3カ所の冷却プレートが首にしっかり密着する!
COOLiFY Cyber Foldは、COOLiFYシリーズの最上位モデルです。より小型軽量な「COOLiFY Air」もありますが、同モデルのほうがより強力な冷却性能を備えています。今回のように屋外でしっかり使いたい場合や、暑がりさんはCOOLiFY Cyber Foldを選びたいところ。
ちなみに、小型軽量モデルの「COOLiFY 2S PRO」は別の記事でレビューされています。比較検討する場合は、ぜひそちらもチェックしてみてください。
【記事リンク】夏に備えろ!ネッククーラー「COOLiFY 2S PRO」実機レビュー。大型冷却プレート&秒速3mの冷感風でヒエヒエ!
また、製品名に「Fold(折りたたみ)」とあるように、首を囲むC型筐体の左右を開閉できる可動式ヒンジを採用している点が、COOLiFY Cyber Foldの最大の特徴です。


ペルチェ素子を用いたネッククーラーは、冷却プレートを首にしっかり密着させることで効果を最大限に発揮します。ただし、首の太さには個人差があるのが事実。その点、柔軟に可動してフィット感を調整しやすい本製品は、多くの人にすすめやすい仕様といえます。
実際に装着してみると、筆者の首にも、後ろ、左右から冷却プレートがしっかり密着してくれました。ホールド感も細かく調整でき、素晴らしい使用感。重量530gと数字上は重たく感じるかもしれませんが、フィット感が高いため意外にも大きな負担には感じません。

また、専用キャリングケースが付属するのもありがたいポイント。バイクのサイドバックなどに気軽に収納できます。

操作は物理ボタンで。グローブ着用でも問題なし!
肝心の冷却性能や操作性についても見ていきましょう。基本操作はいたってシンプルで、装着時に右側下部にある電源ボタンを押すと30%から100%まで3段階で切り替わり、4回目で電源がオフになる仕様です。

もう1つのボタンは、冷却・送風・温熱を切り替えるためのものです。ただし、後述するアプリでAUTO設定にしておけば、このボタンを操作する場面はほとんどありません。
また、本体左右にはサイバー感溢れるディスプレイが搭載されています。装着時、右側にくるディスプレイには、現在、冷却、送風、温熱のどのモードかがカラーとアイコンでわかるほか、強度も風の吹き出すスリットごとに数字で確認できます。

また、左側にはバッテリ残量と操作音のオン/オフの状態が表示されます。この操作音は専用アプリから設定できます。ちなみに、これらの表示は一定時間が経過するとオフになる仕様です。

起動·即冷え! プレートと風による気化のダブルアプローチ
電源を入れると、ファンとプレートが動作して瞬時に、冷却が始まります。冷たくなるまでほんの数秒。驚きの速さです。
さらに、プレートに触れている部分が冷えるだけではなく、本体上部3カ所と背面下部に設けられた送風スリットから冷たい風が吹き出すため、汗の蒸発も促され、体感温度としても涼しさが増します。


ファンをフル回転にすると、それなりの風切り音は発生します。ただ、屋外で使うなら周りに迷惑をかけることもそれほどないでしょうし、もともと90dB超の走行音にさらされているバイク乗りにとっては、まったく問題になりません。ちなみに、室内で静かに使いたい場合は、専用アプリ「TORRAS COOLiFY Connect」で風量をデフォルトの30%からさらに弱く設定するのがおすすめ。
バッテリ容量は6000mAhで、公称の連続動作時間は最大16時間とされています。ただし、日中に屋外ででフルパワー稼働させ続けたところ、約1時間でバッテリ残量が50%程度に低下しました。休憩時間などで使うことを考えれば、申し分ないスタミナです。

アプリ連係で使い勝手が激変。送風口ごとの風量まで細かく調整できるぞ!
COOLiFY Cyber Foldは、従来モデルよりハードウェア面の冷却性能がさらに向上していますが、その使いやすさはソフトウェアと組み合わせることでより明確になると感じました。
専用アプリと本体をBluetoothでペアリングすると、動作状況をiPhoneの画面で確認できるだけでなく、どの送風口からどのくらいの風量を出すかも、スライダで細かく調整できます。

さらに、よく使う設定の状態で「ハート」マークのボタンをタップしておけば、次回以降はその設定をすぐに呼び出すことが可能です。加えて、新機能の「AI自動モード」では、周囲の気温や体温をリアルタイムに検知し、状況に応じた設定で動作します。

AI自動モードは全部で5種類。周囲の温度や首元の状態に合わせて冷却と送風を自動調整する標準の「Autoモード」をはじめ、冷却を控えめにしてバッテリ消費を抑える「Ecoモード」、左右の送風口を切り替えながら冷やすことで冷えすぎを防ぐ「交替モード」を搭載しています。
また、冷却を弱めて穏やかな風を送る「緩和モード」は、肌寒い時期や室内での使用にも便利。一定時間ごとにオン/オフを繰り返す「インターバルモード」も備えており、長時間装着しても体が冷えすぎないよう配慮されています。

冷却ガジェットとして非常に満足度が高いCOOLiFY Cyber Fold。4万2800円は確かに高価に感じますが、熱中症で治療が必要になる事態に伴う負担を考えれば、十分に価値のある投資になり得ると考えます。

COOLiFY Cyber Fold

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著者プロフィール
栗原亮(Arkhē)
合同会社アルケー代表。1975年東京都日野市生まれ、日本大学大学院文学研究科修士課程修了(哲学)。 出版社勤務を経て、2002年よりフリーランスの編集者兼ライターとして活動を開始。 主にApple社のMac、iPhone、iPadに関する記事を各メディアで執筆。 本誌『Mac Fan』でも「MacBook裏メニュー」「Macの媚薬」などを連載中。




