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「MEGA SYNTHESYS」は懐かしのゲーム音楽が作れるマシン! 音に統一感があるから“それっぽい”曲が簡単にできる♫/宮本佳林のDTMでは研修生【第23回】

「MEGA SYNTHESYS」は懐かしのゲーム音楽が作れるマシン! 音に統一感があるから“それっぽい”曲が簡単にできる♫/宮本佳林のDTMでは研修生【第23回】

※この記事は『Mac Fan』2024年4月号に掲載されたものです。

Macで作曲に励む宮本佳林さんには、気になるDTMツールがいっぱい!第23回はレトロなゲーム音楽が作れる「MEGA SYNTHESIS」を試奏してみました。

宮本佳林

宮本佳林

歌手。ハロー!プロジェクト所属の女性アイドルグループ・Juice=Juiceの元メンバー。現在はソロ名義で活躍の場を広げている。趣味はアニメ・漫画鑑賞、射撃(シューティング)。

「三度の飯より楽器づくりが好き」という遠藤祐さん(写真右)が起ち上げた株式会社ソニックウェア。途中から須藤英理さん(写真左)がエンジニアとして参画し、「LIVEN」シリーズをはじめとした特色ある電子楽器を作っています。

「MEGA SYNTHESIS」はレトロなゲーム音楽が作れる。PVは昔懐かしいCMみたい!

今回は株式会社ソニックウェアの代表取締役・遠藤祐さんと取締役・須藤英理さんに、同社が開発したレトロ・ゲームミュージック・コンポーザ「LIVEN MEGA SYNTHESIS」について伺いました。

LIVEN MEGA SYNTHESIS

【発売】
ソニックウェア

1980年代末に登場した世界初16ビット・ゲーム機の音源を完全再現したレトロ・ミュージック・コンポーザ「LIVEN MEGA SYNTHESIS」。数々の名曲を生み出した作曲家/ゲームプロデューサ・古代祐三さんが制作に参加した本格的なサウンド・バンクとパターンを収録しています。

宮本佳林

宮本佳林

ソニックウェアさんの起ち上げ背景を教えてください!

遠藤祐

遠藤祐

ヤマハさんやローランドさんに次ぐ、日本発の世界的な楽器メーカーをつくろうと考えて2004年に創業しました。そんなにうまくはいかず、はじめは他社さんの製品開発などを多くやっていました。

須藤英理

須藤英理

私は取引先の会社にいたんです。2016年から遠藤が本格的に自主製品を作るようになり、この会社に入りました。

宮本佳林

宮本佳林

MEGA SYNTHESISのPV、昔のゲーム機のCMみたいですごくおもしろかったです!

遠藤祐

遠藤祐

あれ、全部自作したんです(笑)。曲はMEGA SYNTHESISで作りました。

宮本佳林

宮本佳林

えー! すごい!

遠藤祐

遠藤祐

MEGA SYNTHESISには、1988年に発売された16ビットの家庭用ゲーム機の音源をエミュレーションした音源を搭載しています。6トラック・シーケンサで音を重ねて、楽曲制作ができるんです。ちょっと音を鳴らしてみましょうか。

宮本佳林

宮本佳林

わぁ、ゲームっぽい音がしますね。

須藤英理

須藤英理

FM音源というギターやベース、ピアノ、ストリングスなどの音と、PSG(プログラマブル・サウンド・ジェネレータ)音源というファミコンのような音、あとはPCM音源が入っています。PCMは録音したデータを鳴らすもので、この機種では主にドラムの音が入っています。

16ビット・ゲーム機の音源チップのサウンドエンジンを蘇らせた「MEGA SYNTHESIS」。FM音源だけで352もの豊富なサウンドを収録しています。

MEGA SYNTHESISはライブパフォーマンス向けの「LIVEN」シリーズ。iPhoneで配信もできるんだって!

宮本佳林

宮本佳林

レトロゲームというコンセプトはどこから出てきたんですか?

遠藤祐

遠藤祐

私がおじさんなので、子どものころに遊んでいた古いゲームの音に惹かれるんですよね(笑)。

宮本佳林

宮本佳林

今はレトロサウンドが流行っていますよね。ボカロなどでも使われていて、中高生にも人気がある印象です。

遠藤祐

遠藤祐

事前に作った曲を鳴らしますね。この時点では6つのトラックの音が重なっているのですが、一つずつ消していくと…。

宮本佳林

宮本佳林

ドラムだけになった。音を消していくのもかっこいいですね。ライブパフォーマンスに使えそう!

遠藤祐

遠藤祐

MEGA SYNTHESISは「LIVEN」というシリーズに含まれています。LIVENはライブパフォーマンスを目的としたシリーズなんです。

宮本佳林

宮本佳林

スピーカも内蔵されているから、どんな場所でも演奏できますね!

遠藤祐

遠藤祐

外出先でiPhoneからライブ配信することも簡単にできます。鍵盤や弦を弾くのが演奏だと思われがちですが、私はつまみで音を調整するのも演奏だと思っているんです。

宮本佳林

宮本佳林

たしかに、そういったパフォーマンスも演奏ですよね。

1ノブ・1オペレーションというシンプルな設計で、初心者でも操作しやすいのが特徴。リバーブやディストーションといった10種類のエフェクトをかけることができ、ノブの動きを記録することも可能です。

サウンドの統一感のおかげでどんな組み合わせでも様になる! ゲーム好きの心につかむ楽器なんだ。

遠藤祐

遠藤祐

じゃあ曲を作ってみましょうか。まずはドラムの入力から。1ステップ16分音符として、丸い16個のボタンがそれに該当します。4つ打ちでキックを入れたかったら、1と5と9と13を押して…。

宮本佳林

宮本佳林

簡単に4つ打ちのリズムが入力できちゃいました!

遠藤祐

遠藤祐

スネアを足してから、ベースを入れます。試しに連打で入れてみましょう。

宮本佳林

宮本佳林

音がつながってブーンと鳴ってる! かっこいい!

サウンドがたくさん入っていても、楽器ごとに分類されて表示されるので選ぶのは簡単。宮本さんは「入っている音自体がかっこいいから、エフェクトをかけなくても様になる」と、いろいろな音を試聴して楽しんでいました。
遠藤祐

遠藤祐

ギターのフレーズを入れたら、あとはPSGでピコピコした音を入れて、と。

宮本佳林

宮本佳林

わあ、ゲームのバトル中に流れるような音楽ができた! サウンドに統一感があるから、どの音を組みあわせてもそれっぽくなるのがいいですね。

リアルタイム入力が思ったようにいかず、16部音符のボタンの入力に切り替え、無事にかっこいいギターフレーズを鳴らすことができた宮本さん。「これ、DAWでやろうとすると難しいんです…! 鍵盤ボタンもついていて演奏しやすいのがいいですね」とのこと。
遠藤祐

遠藤祐

楽器は「使える音」が入っていることが大事だと思っています。初心者でも迷わずに使えるよう、音選びも操作感もこだわりました。

須藤英理

須藤英理

若いDTM初心者ももちろん、ゲーム音楽を作りたかったけれど挫折した中高年の方々にも使ってみてほしいですね。

宮本佳林

宮本佳林

一見難しそうに見えるけれど、簡単にかっこいい曲が作れるのがすごい。ゲーム好きの心に刺さる、ワクワク感が詰まったマシンだと思います!