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iPhone Duoの真髄。「2つのスマートフォンをつなげただけでは意味がない」。Apple幹部が語る折りたたみiPhoneとAI時代のデバイス戦略

著者: 関口大起

iPhone Duoの真髄。「2つのスマートフォンをつなげただけでは意味がない」。Apple幹部が語る折りたたみiPhoneとAI時代のデバイス戦略

Apple初の折りたたみスマートフォン「iPhone Duo」は、発表直後から大きな話題を集めている。しかし、折りたたみスマートフォン自体は決して新しいカテゴリではない。すでに市場には多くの製品が存在する中で、なぜAppleはこのタイミングで参入したのだろうか。

Appleのワールドワイド・プロダクトマーケティング担当バイスプレジデント Bob Borchers氏に話を聞くと、そこにはAppleらしい考え方があった。

Bob Borchers氏。画像●Apple

iPhone Duoは、「自分たちが使いたいと思える折りたたみスマートフォン」

Appleは折りたたみスマートフォンというジャンルにおいて後発の存在だ。そんな中、Appleはどのような新しい体験をユーザに届けようとしているのだろうか。

その質問に対しBorchers氏は、「他社の製品からはあまりインスピレーションを受けなかった」と率直に語る。既存製品の多くは、「2つのスマートフォンをつなぎ合わせただけ」のように感じられ、統合された体験や直感的な操作性が不足していると考えていたという。

そこでAppleが目指したのは、「自分たち自身が使いたいと思える折りたたみスマートフォン」だった。

「直感的で、使いやすく、そして喜びを感じられる体験」を実現するため、Appleはハードウェア、ソフトウェア、Apple Siliconを一体で設計したと説明する。これはAppleが長年得意としてきたアプローチそのものだ。

Apple初となる折りたたみスマートフォン、iPhone Duo。

細部に宿るAppleらしさ。その積み重ねがiPhone Duoを形作る

Borchers氏はiPhone Duoについて、閉じた状態では片手で使いやすいシンプルでパワフルなiPhoneでありながら、開くとiPhone史上最大のディスプレイを備えた一台になると説明した。さらに、歴代iPhoneの中でもっとも薄いモデルというのも魅力の一つだという。

Borchers氏が繰り返し語ったのは、「ディテール」だ。

閉じた状態から開いた状態への自然な遷移。滑らかに動きながらも心地よい手応えを残すヒンジ。そして、折り目が見えずフラットに見えるよう工夫された大型ディスプレイ。そのほかさまざまな細部の積み重ねこそが、他社製品とは異なるAppleデバイスらしさを作るのだ。

折りだたみ時に露出するヒンジ部分もチタン製で美しい。

筆者もiPhone Duoを手に取ったが、特にヒンジのフレキシブルさには驚いた。角度を問わずピタッと固定され、用途に制限を感じさせない。さらに、折りたたむと片手にスッポリとおさまる手なじみのいいサイズ感。上質さを感じさせる素材選び。マットなディスプレイの美しい表示性能。必要なときのみ姿を表すアンダーディスプレイカメラなど、まさにディテールに魅力が詰まっていた。

Netflixでコンテンツを再生中の様子。下部に位置するディスプレイはコンテンツが反射しているのではなく、「映り込みを再現した映像」が表示されている。

Apple Watchだから実現できた「Audio Intelligence」

Apple Watchに搭載された新機能「Audio Intelligence」についても話を聞いた。

直前15秒間の音声をテキスト化して振り返るLive Rewind、会話の要点を要約するSiri Recapなど機能を提供するAudio Intelligenceは、iPhoneやAirPodsでも実現できそうに思える。しかしBorchers氏は、Apple Watchだからこそ意味があると説明した。

Apple Watchは常に身に着けるデバイスであり、ユーザのすぐ近くにマイクが存在する。また、たとえば会話中などでも通知にアクセスしやすい。そのため、音声情報を活用する機能との相性が極めて高いのだ。

サイレン、アラーム、ドアベル、赤ちゃんの泣き声などの重要な音を検知するサウンド認識機能も提供。

さらに興味深いのはプライバシーへの配慮だ。Borchers氏によれば、Audio Intelligenceは音声を録音・保存しない。また、誰が話者であるかを特定することもない。Apple Watchで取得した情報とiPhone側の処理能力を組み合わせながら、その日の会話や出来事を高レベルな要約として整理する仕組みだ。

iPhone Duoも、Apple WatchのAudio Intelligenceも、その根底にある考え方は共通しているように思える。最新技術を搭載すること自体が目的ではなく、それをどのような体験としてユーザへ届けるのか、という点だ。時代とともにデバイスの形、ユーザの求めるものが変わっていっても、Appleらしさが変わることはない。

●【別記事】「Bob Borchers氏が語るAI時代に企業がMacを選ぶべき理由」を読む

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