音楽授業向けプラットフォーム「Flat for Education」国内利用130校を超える。日本法人が導入・調達を支援

2026.10.21 早川厚志 約5分
音楽授業向けプラットフォーム「Flat for Education」国内利用130校を超える。日本法人が導入・調達を支援

Tutteo Japanは10月14日、音楽授業向けクラウドサービス「Flat for Education」の国内導入校数が、2026年9月末時点で130校を突破したと発表した。同サービスはiPadやChromebook、Windows端末などで利用でき、楽譜作成から課題配信、採点までをWebブラウザ上で一元管理できる。同社は英Tutteo Limitedが2026年3月に設立した日本法人で、日本語サポートや日本円での見積・請求など、国内の学校に向けた導入支援を担う。

1人1台端末を音楽授業にも活用、課題管理を一元化

Flat for Educationは、英国に本社を置くTutteo Limitedが提供する音楽授業向けプラットフォーム。世界では2026年9月末時点で2,200校以上に導入されており、日本でも小・中・高等学校、特別支援学校、大学などで利用が広がっている。

同社によると、音楽科は学校全体で担当教員が1名のみというケースも多く、授業準備や評価などの業務負担が課題となっている。また、生徒によって習熟度に差があり、個別のフォローが行き届きにくいという。

端末を活用した音楽授業のイメージ

Flat for Educationは、楽譜の作成・編集、生徒への課題配信・回収、リアルタイムの共同編集、演奏録音の提出、採点・返却までを一つの画面で行える。専用アプリのインストールは不要で、GIGAスクール構想で整備された端末をそのまま活用できる。Google ClassroomやMicrosoft Teamsとの連携にも対応している。

Google Classroomなどとの連携や楽譜の共同編集、演奏録音などに対応する

教材準備の手間を減らし、生徒の制作過程も把握

生徒が楽譜に音符を入力すると、その場で音を確認できるため、楽譜に不慣れな生徒でも試行錯誤しながら創作に取り組める。共同編集機能では、離れた場所にいる生徒同士が同じ楽譜を同時に編集でき、教員は数クリックごとに記録される編集履歴から、各生徒の制作過程を時系列で確認できる。

教材作成では、合唱曲や合奏曲から必要なパートだけを表示・再生・印刷できるほか、リコーダーの運指表を数クリックで楽譜全体に適用できる。授業中に音符へドレミを書き込むなど、その場で教材を修正して配布することも可能だ。

リコーダーの運指を表示した楽譜編集画面

導入校の高等学校音楽科教員からは、紙ベースで教材を準備していたときと比べて「1/3くらいの時間で準備できるようになった」との声も寄せられているという。

また、教員が作成した教材は個人のアカウントにひも付くため、異動の際も生徒の個人情報を持ち出すことなく、新しい勤務先に教材だけを引き継げる。生徒が作成した楽譜も個人アカウントにひも付いており、卒業後も個人版の「Flat」で在学中のデータにアクセスできるとしている。

個別の演奏評価やアクセシビリティにも対応

同社は、学び方や習熟度の異なる生徒が参加しやすい授業づくりも支援するとしている。音符の色分けや階名の自動表示など、五線譜を読むことが苦手な生徒向けの機能を備え、アクセシビリティ基準「WCAG 2.1 AA」にも準拠しているという。

「パフォーマンス課題」機能では、生徒が演奏や歌声を録音し、教員に個別に提出できる。人前での演奏に不安がある生徒も、自分のペースで録音を繰り返せる仕組みだ。同社によると、教員からは、不登校の状態にある生徒の中にも、音楽なら教員と一対一でやり取りできるため参加を望む生徒がいるとの声が寄せられているという。

演奏や歌声を録音して教員に提出できる「パフォーマンス課題」の利用イメージ|

学校での利用にあたっては、個人情報の保護にも配慮している。同社は生徒データを行動ターゲティング広告に利用しない方針を定めており、米国の児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)やEUの一般データ保護規則(GDPR)にも対応した体制を整えているとしている。利用規約やプライバシーに関する情報は公式サイトで公開している。

日本円での見積・請求に対応、予算編成期に合わせた導入支援も

Tutteo Limitedは、日本国内での販売・サポート体制を強化するため、2026年3月19日に100%出資子会社のTutteo Japanを横浜市に設立した。

日本法人では、これまでメールのみだった問い合わせ対応に加え、画面を共有しながらのオンライン操作説明や電話サポートを提供。平日9時から18時まではメール、電話、LINEで対応し、時間外も海外在住の日本人スタッフがメールで対応する。

調達面では、日本法人が発行する日本語の見積書・請求書、日本円での決済に対応した。学校の予算編成期(10月~2月)や年度替わりに合わせた提案・フォローアップも行い、教員の予算申請や校内決裁に伴う負担の軽減を図る。

料金は、学校向けプランが生徒1人あたり年額500円(税込)で、教員は無料。最低30ライセンスからの契約を基本とし、学校全体または学年単位で導入できる。教員個人向けには年額10,000円(税込)のプランを用意しており、生徒を後から追加することも可能。30日間の無料トライアルも提供している。

今後は、導入校向けの日本語研修やサポート体制を拡充するとともに、音楽科教員と共同で学年・領域別の授業モデルを開発し、導入校同士が実践事例を共有できる仕組みづくりを進める方針だ。

ブラウザで動作するFlat for Educationは、iPadを含む既存の1人1台端末にアプリを配布せずに導入でき、Google ClassroomやMicrosoft Teamsとも連携する。日本法人の設立により、日本円での見積・請求や予算サイクルに沿った導入支援、日本語による電話・オンラインサポートを国内で受けられるようになった。

TAGS #教育

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