原本と照合結果を一画面に表示
書類の確認業務では、名称や金額、区分などの項目を原本と照らし合わせる必要がある。同社によると、抽出した値だけを見ても、元の書類のどこに書かれているかを探し直す手間が残る。
このアプリは、ページ一覧、原本画像、項目ごとの照合結果を一画面に並べて表示する。位置情報を持つ項目を選ぶと、原本上の該当箇所がハイライトされる。抽出結果と原本を行き来しながら確認できる仕組みだ。

抽出結果と原本を並べて表示し、該当箇所をハイライトする操作イメージ(実際のアプリ画面とは異なる)照合結果に差異がある項目や判定不能の項目を表示し、人による確認が必要なページを絞り込むこともできる。OCRの読み誤りなどは原本と照らして修正でき、確認回、担当者名、結果、メモ、日時を記録する機能も備える。処理内容はバッチ単位で保存でき、未処理分の再開や失敗した処理の再試行にも対応する。

活字の申請書を原本と照合する操作イメージ(実際のアプリ画面とは異なる)利用時はPDFまたは画像を取り込み、OCRとLocal LLMで項目を読み取る。照合結果を確認し、必要に応じて修正したうえで、「確認済み」「不備あり」などの結果を記録する。読み取れない項目や区分が不明な項目は推測で確定させず、判定不能として扱う。AIによる抽出・照合結果と、人による確認結果は分けて管理する。

手書きの申請書を原本と照合する操作イメージ(実際のアプリ画面とは異なる)OCRとLocal LLMをローカル環境で実行
OCRとLocal LLMによる処理、およびバッチの保存にはローカル環境を利用する。アプリのサーバも、同じ端末からの接続に限定した構成だ。
ただし同社は、すべての構成での通信遮断下の動作や、すべての帳票への対応を一律には保証しないとしている。使用するMacやAIモデル、事前準備、必要なメモリなどは、対象書類や運用に応じて確認する。導入時には、処理経路や保存先、運用上の管理方法も確認するという。
同社は、既存のOCR運用で残りやすい課題にも言及している。読み取り箇所の指定が必要なOCRでは、帳票のレイアウトごとに設定や見直しが発生する。これに対し同社は、OCRとLocal LLMを組み合わせて対象業務の項目を抽出・照合する構成を検証中だ。ただし、新たな帳票への適用には抽出項目や照合ルールの設計・検証が必要となる。
費用面では、処理量が増えた際のAI-OCRの費用に対する選択肢として、ローカル処理の構成を提案している。導入にあたっては、処理件数や必要な精度に加え、機器・モデル・運用保守にかかる費用も含めて適用条件を検討するとしている。
最終判断は人が担当、確認者名は自己申告で記録
このアプリは担当者による書類確認を支援する開発版で、業務上の最終判断や承認は人が行うことを前提としている。帳票の種類や画質、記載方法によって読み取り結果が変わるため、原本との確認が必要となる。
確認担当者名は自己申告で記録する方式だ。別の担当者による承認を、認証によって保証する仕組みではない。
保険料控除の証憑照合で検証中、一般向け提供は未定
現在は、保険料控除の申告内容と証憑の照合を具体的な検証対象としている。名称、区分、金額などを比較し、人が原本を確認して記録する流れを検証している。
今後は、申請書と添付資料の確認など、ほかの書類確認業務への応用も検討する。一般向けの配布、提供価格、サポート範囲は現時点で確定していない。同社は対象書類や確認手順を整理したうえで、個別業務への適用に関する相談を受け付けている。
同社は、アプリの操作の流れを紹介するデモ動画も公開している。
このアプリの特徴は、書類のAI読み取りから人による確認記録までを、Macのローカル環境で一画面にまとめた点にある。一方で、対応帳票や動作要件、費用は、個別業務ごとに検討する段階にある。機密書類の確認業務に取り入れる場合は、適用条件を同社と詰めることが前提となる。

