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デスクの上をレコーディングスタジオにしよう

GarageBandの基本と応用をマスターする?

著者: 村田有紀

GarageBandの基本と応用をマスターする?

【実践1】素材をつなぎ合わせて曲のベースを組み立てよう

新規プロジェクトを作成する

ガレージバンドでは、まず始めに「プロジェクト」を作成します。ガレージバンドを起動すると、プロジェクトセレクタが開きます。ここでは、新規に曲を作るので、[空のプロジェクト]を選択します。[鍵盤楽器コレクション]や[ヒップホップ]、[ソングライター]などのテンプレートには、ジャンルに合ったトラックがあらかじめ用意されていますが、音源を追加していく操作は[空のプロジェクト]と変わりません。

(1)左のリストで[新規プロジェクト]、右のプロジェクトセレクタで[空のプロジェクト]を選択します。既存のプロジェクトで編集を再開する場合は、[既存のプロジェクトを開く]をクリックします。

(2)画面左下の[詳細]をクリックすると、プロジェクトのプロパティを設定できます。よくわからない場合は、デフォルトのまま進めて問題ありません。編集中にLCDを使って随時変更できます。

(3)プロジェクトを保存します。ほかのMacでも作業する場合は、アイクラウド・ドライブに

保存するとファイルの共有に便利です。

ドラマーで曲の土台り

新規プロジェクトを作成すると、入力音源の選択ウインドウが表示されます。音源は、「ソフトウェア音源」「オーディオ」「ドラマー(Drummer)」の3種類。アップルループやMIDI音源を使う場合は[ソフトウェア音源]、ギターやベースの演奏や歌を録音する場合は[オーディオ]を選択します。ここでは、プロジェクト設定に合わせて自動演奏してくれるドラマーを使って、曲の土台作りをしましょう。なお、デフォルトの状態では選べるドラマーは1人、演奏の種類も1つだけですが、追加音源を購入すると、さまざまなジャンルの中からドラマーが選べるようになります。

(1)プロジェクトの入力音源を選択します。ここでは[Drummer]→[作成]をクリックします。どれを選んでも、あとから別の音源に変更可能です。

(2)画面左のライブラリで[Drum Kit]→[SoCal]が選択されていることを確認します。編集中は使わないので、ライブラリボタンをクリックしてライブラリを非表示にします。

(3)画面下段のDrummerエディタで、ドラムのそれぞれのパーツの音量や、フィル、スウィングといった演奏表現の調整を行います。

ループ素材を追加する

ループは、数小節ほどの短い音の素材で、連続して演奏させたり、ほかの素材と組み合わせたりすることで曲を組み立てていきます。ガレージバンドには、アップル・ループ(Apple Loop)と呼ばれるループ素材が数多く用意されているので、楽器の演奏ができなくても音楽を作ることができます。ガレージバンドを使いこなす第一歩として、まずはループの基本操作を覚えましょう。

(1)[ループ]ボタンをクリックしてループブラウザを開きます。ブラウザの上段で楽器や雰囲気を選択すると、検索されたループが下段にリストアップされます。項目をクリックすると試聴できます。

(2)使用するループが決まったら、トラックエリアにドラッグします。すると、新しいトラックが作成され、ループがリージョンとして表示されます。

(3)ループリージョンの右上方部にマウスポインタを合わせると、ポインタの形状が変わります。この状態で繰り返したい分だけドラッグするとリージョンの範囲が拡大し、ループ再生されます。

(4)リージョンはコピー&ペーストで複製できます。複製したいリージョンを選択した状態で[コマンド]キー+[C]キーを押し、ペーストしたいトラックが選択されていることを確認してから挿入位置に再生ヘッドを配置します。

(5)[コマンド]キー+[V]キーを押すと、複製したリージョンが追加されます。リージョンの開始位置を変更するには、ドラッグで移動します。

MIDIファイルとオーディオファイル

アップル・ループには、MIDIとオーディオという2つのファイル形式が存在します。ここでいうオーディオファイルは、実際の演奏を録音した音声データを指します。一方、MIDIはMusic Instrument Digital Interfaceの略で、その名のとおり電子楽器の演奏データを転送するための国際規格です。いわば楽譜のようなもので、音声データは含まれません。そのため、MIDIファイルのアップル・ループは、ピアノロールエディタやスコアエディタを使って1音1音書き換えが可能です。ガレージバンドではアイコンなどの色を、MIDIはグリーン、オーディオファイルはブルーに分けて区別しています。

MIDIファイルをスコアエディタで見ると、楽譜として表示されます。これらの音符は1つずつ編集してメロディを変えることができます。

【App内購入】

追加の音源は、[GarageBand]メニュー→[追加のサウンドを購入]。またはループブラウザなどでグレーアウトしている音源をクリックして購入・ダウンロードします。なお、全部で14GBとかなり大きいデータなので注意が必要です。

【オーディオ】

ガレージバンドでは、自分で演奏した楽器やボーカルをMacに取り込んでオーディオトラックを作れます。ギターやマイクをMacに接続するには、オーディオインターフェイスと呼ばれる音声入力用の機器が必要になります。