Macで使える縦書き対応のテキストエディタ?

日本語に特化したテキストエディタをチェック

日本人たるもの、たとえ舶来のパソコンでも文章は縦書きしたい。と、いうわけでもないのでしょうけれど、縦書きにこだわる人は意外と多いようです。個人的には、テキストを扱う仕事はしているものの、縦書き入力が必要な場面もなく、こだわりもないので、縦書きかつ原稿用紙のテンプレート付きのテキストエディタなんて考えたこともありませんでした。

と思ったら、なんと毎日使っている「ジェイエディット（Jedit）」でも、縦書きが実現できることが判明。灯台もと暗しとはこのことです。そしてジェイエディットはOS X標準の「テキストエディット」のエンジンを使用していることからもわかるように、実はテキストエディットでも縦書きは可能なのです。

しかし、残念ながら縦書きでの日本語編集をすべてカバーできるほどの機能はありません。そこで、日本語の文章作成のことを考えて作られたテキストエディタを探すことにしました。

思いのほか少ない縦書き＋原稿用紙対応のエディタ

ひとくちにテキストエディタといっても用途はさまざま。主に文章作成用とプログラムのコーディング用の2つに分けられます。今回は、縦書きと原稿用紙ということで、「日本語の文章を書くこと」をテーマにいくつかのソフトに候補を絞りました。

まずは、Macの日本語エディタといえば必ず名前が挙がる「アイテキスト・エクスプレス（iText Express）」。由緒正しいMac用の日本語エディタです。縦書きと原稿用紙表示が特徴の本ソフトは今回のお題にぴったりの1本。ただし原稿用紙表示を手動で設定するのが、マイナスポイントに。でもそれ以外はパーフェクトな日本語文書作成ソフトです。

もう1つは、その名も「原稿」。原稿用紙に縦書きするためのシンプルなテキストエディタです。フルスクリーンモードで、画面全体を使って原稿用紙に入力するのは、思いのほか気持ちのいいものですね。書くことに集中できるという点では、言うことありません。

そして、愛用のジェーエディットも縦書き、一応原稿用紙に対応しているということで候補に滑り込み。実際に探してみると、需要に対して選択肢が少ない分野だということがわかりました。

日本語テキストエディタとして生まれた「ハゴロモ」

今回取り上げるソフト「ハゴロモ（Hagoromo）」は、ジェイエディットと同じ開発元が開発・販売するテキストエディタです。ジェイエディットが採用しているテキストエディットのエンジンの日本語環境に限界を感じて、新たに開発されたソフトとあって、初めから日本語に最適化するようチューンアップされています。もちろん、縦書きでの入力にも完全対応し、原稿用紙のテンプレートも付属しているので、インストール後すぐに原稿用紙で文章を入力することができます。

残念だったのは、フルスクリーン表示時に黒い背景が操作ウインドウの周囲に見える点です。フルスクリーン表示は、作業に集中するために有効な機能なので、今後の改善に期待したいところです。

【テキストエディタ】

テキストで構成される文書を作成するソフト。OS Xの標準ソフト「テキストエディット」もその1つ。多機能なワープロソフトに比べ、シンプルなテキストエディタは起動や動作が軽快。プログラムコードの編集にも使われます。

【エルキャピタン】

今回候補に挙げたソフトは、原稿執筆時点で公式にはエルキャピタンに未対応です。が、すべてのソフトを試したところ動作しました。なお、ハゴロモについては、エルキャピタン完全対応版のリリースが予定されています。