Mac業界の最新動向はもちろん、読者の皆様にいち早くお伝えしたい重要な情報、
日々の取材活動や編集作業を通して感じた雑感などを読みやすいスタイルで提供します。

Mac Fan メールマガジン

掲載日:

安全、安心、効率のためのテクニック

【MacBookの技 Chapter 1】ジーニアスも実践する設定の基本技(2)

著者: 氷川りそな

【MacBookの技 Chapter 1】ジーニアスも実践する設定の基本技(2)

【効率をアップ】iPhoneを使ったテザリング接続が多いなら

「ブルートゥース」を活用

Wi-Fiがない場所でちょっとMacBookをインターネットにつなぎたいとき、iPhoneを使って通信できる「テザリング」。最近ではMacから遠隔操作でこの機能を有効にできる「インスタントホットスポット」も搭載されたため、テザリングがより簡単に利用できるようになってきています。とはいえ、1度テザリングが切り離されてしまうと、都度選択してつなぎ直さなければいけないのも面倒です。そこで頻繁にテザリングを利用するのであれば接続をWi-Fiではなく、ブルートゥースにしてしまうという手があります。システム環境設定の[Bluetooth]の項目で1度ペアリングしておけば、接続を自動的にやり直してくれるようになります。

速度面ではややWi−Fiには劣りますが、安定した接続でテザリングしたままにしておきたいときブルートゥースは有効な手段の1つになるでしょう。

【効率をアップ】「文字ビューア」で絵文字や特殊文字を快適に入力

「文字よりもシンプルに伝わる」ということで、世界中で急激に人気を集めている絵文字。iOSデバイスには「絵文字キーボード」が搭載されていますが、Macでも簡単に使用することはできないのでしょうか。

システム環境設定の[キーボード]パネルを開き、[キーボード]タブにある[メニューバーにキーボードビューアと文字ビューアを表示]をオンにすると、[文字ビューア]というパネルを入力メニューから開けるようになります。このパネルを使えば、絵文字や特殊記号、漢字など、Macで利用可能なあらゆる文字を索引から見つけ出せます。あとは使いたい絵文字をダブルクリックすれば、そのままメールやメッセージに入力できます。

文字ビューアは絵文字だけでなく、特殊記号、漢字の部首引きなどさまざまな用途で活用することができます。

【効率をアップ】「繁体字中国語」は読み方のわからない漢字の強い味方

Macで扱える漢字はJIS規格で定められているもので約1万文字、実際には2万文字以上が利用可能です。これだけ多くの漢字の「よみがな」をすべて覚えている人はほとんどいないはずです。WEB上にある文字ならまだコピーして調べられますが、「紙に書いてある漢字が読めないときにはどうしようもない」、そう思って諦めていませんか?

そんなときに便利なのが、手書きによる漢字入力機能です。システム環境設定にある[キーボード]パネルの[入力ソース]タブから繁体字中国語を選び、[トラックパッド手書き認識]を追加してみましょう。これを使えばトラックパッドに指で漢字を書くだけで、高い精度で推察して相応しい漢字を見つけ出してくれます。

繁体字中国語は台湾や香港で使われている言語で、日本語で使われている漢字と字形が近いのが特長です。

【効率をアップ】見直しておきたいトラックパッドの

「マルチタッチジェスチャ」

使いこなせばトラックパッド上で多くの操作が簡単になる「マルチタッチジェスチャ」ですが、すべての機能を使いこなせているでしょうか。システム環境設定の[トラックパッド]パネルを見ると、のべ10種類上の操作がマルチタッチジェスチャだけで使えるようになっていることに気づくはずです。

さらに、指の本数で変化するジェスチャはカスタマイズが可能です。たとえば「2本指の左右スワイプはページ切り替えで、4本指だとフルスクリーン間のアプリケーション切り替え」「3本指の上下スワイプでミッションコントロールやエクスポゼを起動」のように設定すると、間違えてジェスチャが発動しにくいような調整ができます。

マルチタッチジェスチャは、標準のままではなく自分の使いやすいように変更するのが使いこなしのコツだといえます。

【効率アップ】「ネットワーク」の設定はシンプルにして混乱を防止

社内では有線LAN、自宅ではWi-Fiで外出先ではテザリング…。MacBookシリーズのユーザは状況に応じてネットワークの接続方法を変えていると思いますが、接続先をあちこち変えていると「社内なのにテザリング優先で接続していた」ということも起こり得ます。

実はシステム環境設定の[ネットワーク]パネルでは、複数のネットワーク環境を保存できます。この機能を活用すれば、会社では有線のみ、自宅はWi-Fiのみ、外出先ではテザリング…といった具合に、それぞれの場所で使わない接続ポートは削除(無効に)してしまうことで誤接続を防ぐことが可能です。切り替えも、アップルメニューの[ネットワーク接続]に表示される候補から選ぶだけと、非常にシンプルです。

それぞれの設定の接続先を1つに絞ることで、意図しないネットワークに接続するトラブルも避けられるようになります。

【安心を高める】「アクセシビリティ」はみんなに優しい補助機能の宝庫

本来アクセシビリティとは、体の不自由な人がMacを操作するのを助けてくれる機能ですが、多くの便利なサポートオプションが用意されています。実際にシステム環境設定の[アクセシビリティ]パネルをチェックしてみましょう。例えば[オーディオ]項目にある[通知音がなるときに画面を点滅させる]という機能は、警告通知などを音だけでなく画面を一瞬フラッシュさせて教えてくれるようになります。外出先などでMacBookを使っているときには消音にしているケースも少なくありませんが、これを有効にしておくことで通知に気づくことができるはずです。このようにアクセシビリティは使い方次第では誰にでもフレンドリーな機能として利用できるものがたくさんあります。

点字や音声入力など特殊なサポートが目立ちがちのアクセシビリティですが、設定を見渡すと快適な環境を作る補助機能になってくれることもあります。

【安心を高める】バックアップ先は「外付けハードディスク以外」を選ぼう

バックアップはいざというときのためにしておくべきもの。頭ではわかっているものの、面倒に感じてつい怠ってしまうという人も多いのではないでしょうか。特にノートブックの場合、外付けのハードディスクをUSBなどで都度接続する必要があるのでつい後回しにしがちです。せっかくの自動バックアップ機能「タイムマシン」がOS Xに備わっているのに、有効利用できていないのはもったいないことです。

そこでおすすめしたいのがAirMacタイムカプセルを使ったバックアップです。Wi-Fiルータにハードディスクを内蔵させたこのデバイスは、部屋に設置しておけばMacを使っている間に定期的にバックアップを実施してくれます。バックグラウンドで実行してくれるので、普段バックアップを意識することがほとんどなくなります。加えてヨセミテでは、複数のストレージをバックアップ先に指定できるようになっため、自宅や会社などにタイムカプセルを設置すればより確実にバックアップを実施できるようになります。

もう1つのおすすめなのが、SDカードスロット用の拡張ストレージを利用したバックアップです。最近は、MacBookシリーズの本体からはみ出さないコンパクトなSDカードがあり、これをタイムマシンボリュームにすることでいつでもバックアップができます。容量は限られますが、そもそも内蔵ストレージの容量が少ないMacBookエア13インチなどにはうってつけのバックアップ方法だといえます。

タイムカプセルは、Macが起動していればワイヤレスで定期的にバックアップされるため、特に意識することなく快適にデータを守ることができます。

頻繁に使う機会が減りつつあるSDカードスロット。ここに拡張ストレージを増設することで無駄なくバックアップスペースを確保できます。