ユーザの表情を映すVision Proの3Dディスプレイ
さまざまなゴーグル型デバイスが各社からリリースされていますが、ゴーグルの表面にディスプレイ「EyeSight」を備えていることは、ほかにはないVision Proならではの特徴です。
そこに表示されるのはユーザのCGアバター「ペルソナ」で、ユーザの目の周辺の動きを検出し、あたかもユーザ本人の表情がシースルーで透けて見えているかのように表示します(といっても、その“見え方”には否定的な意見もあるようです)。
EyeSightは裸眼3Dディスプレイとなっており、Vision Pro装着者の表情(目)を3D表示することが可能です。裸眼3Dディスプレイにはさまざまな方式がありますが、EyeSightにはレンチキュラーレンズ方式が用いられています。
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写真●https://www.ifixit.com/News/90137
これは、ディスプレイの表面にカマボコ型の微細な突起を敷き詰めたレンズを装着する方式で、Vision Pro装着者を見ている人の左右の目にそれぞれ異なるイメージを見せます。なお、このレンチキュラーレンズは、見る角度によって異なる絵が見えるカードなどにも使われている技術です。
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3D表示を実現するレンチキュラーレンズの上には、EyeSightの表示をVision Proの幅いっぱいに広げる拡大レンズが搭載されています。このレンズにはEyeSightの視野角(見える角度)を制限するプライバシーフィルタのような機能も備わっており、装着者の正面方向に視野角を制限します。
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存在意義と高い表現能力
EyeSightの目的は、仮想空間への没入感と装着者周辺の実世界とのコミュニケーションを両立することにあります。従来のゴーグル型デバイスでは、装着者は外の世界と遮断されるか、AR(拡張現実)のように常に見えている外界に仮想空間を表示するかでした。
一方、Vision Proは視界いっぱいに仮想空間を表示しても、装着者に誰かが接近するとその人が視界に表われるのと同時に、装着者の表情がEyeSightに表示されることで、Vision Proを外すことなく自然に対話できます。
ちなみに、EyeSightに表示されるのは装着者自身の顔ではなく、「FaceTime」などのビデオ通話で使用される「ペルソナ」と呼ばれるユーザの顔を模して作るアバターの顔(の目の周り)です。そのため、下図のように(目を開けている→閉じている→横目で見ている)実際の目に連動して変化します。
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ペルソナは装着者の表情に合わせてリアルタイムに変化するため、対話相手に“表情”を共有でき、それが自然な対話を実現するわけです。
これこそが、Appleが実現したかった空間コンピュータの姿なのでしょう。
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