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次期iPhoneのカメラを考察。ナイトモードの画質が大幅アップ? 望遠カメラのフォーカスがさらにシャープに?

著者: 今井隆

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次期iPhoneのカメラを考察。ナイトモードの画質が大幅アップ? 望遠カメラのフォーカスがさらにシャープに?

2026年9月に発売が予想される次世代iPhoneでは、可変絞り機構の搭載やSamsung製のイメージセンサ採用といった噂がある。その一方で、最近のスマートフォン向けカメラ部品の動向から、イメージセンサ自体の高性能化の動きが見えてきた。

そこで今回は、将来のiPhoneに採用されるかもしれないイメージセンサの新技術についてご紹介しよう。

メインカメラはナイトモードの画質が大幅アップ?

iPhoneの背面カメラには、長らくソニーセミコンダクタソリューションズ(以降はSSSと表記)のイメージセンサが主に採用されてきた。このためSSSのイメージセンサのトレンドを見ると、今後のiPhoneにどのようなイメージセンサが採用されるのかをおおよそ推測できる。

2026年6月に登場したLOFIC(Lateral Overflow Integration Capacitor:横型オーバフロー蓄積容量)構造の5000万画素イメージセンサ「LYTIA L910」は、単一露光で100dBの高ダイナミックレンジ撮影を実現する画期的なスマートフォン向けセンサだ。

SSSが6月に発表した、100dBのダイナミックレンジと低消費電力を両立するLOFIC搭載のモバイル用CMOSイメージセンサ「LYTIA L910」。夜景の中に高輝度なLED照明が存在するような明暗差の大きな場面においても、明部から暗部まで肉眼に近い高画質な撮像を可能するという。 画像⚫︎ソニーセミコンダクタソリューションズ

従来のイメージセンサがフォトセンサ内に光量に応じた電荷を溜めていたのに対して、LOFICではその下部に約20倍の電荷を溜められる場所を設けることで、より大きな明暗差(ダイナミックレンジ)を忠実に電荷量に変換できる。その結果、夜景のような明暗差の激しい被写体でも、細部のディテールや色彩を失うことなく、見たままに近いイメージを撮影可能だ。

また感度の向上によって同じ明るさでも露光時間を短縮することが可能となり、ナイトモードの課題である「手ぶれ」に対しても改善が期待できる。さらに、ダイナミックレンジと感度の向上によって暗い部分のノイズを減らせるため、ナイトモードの画質自体が底上げされるはずだ。

SSSは2026年3月に発表した4K解像度のHDRセキュリティカメライメージセンサ「IMX908」でLOGICを採用し、その概要を発表した。LOFICでは画素ごとに容量の大きく異なる2つの電荷蓄積場所を設けることで、明暗差の大きいシーンにおけるダイナミックレンジを大きくカバーできるという。 画像⚫︎ソニーセミコンダクタソリューションズ

新イメージセンサの採用で4K HDR動画の画質も向上

また、画質が向上するのはナイトモードだけではない。LYTIA L910は100dBのHDR(ハイダイナミックレンジ)での4K動画撮影ができる点をアピールしており、日夜を問わずコントラスト比(明暗比)の激しいシーンでも白飛びや黒つぶれのない動画撮影を実現する。つまり動画撮影時のダイナミック感が大きく向上することが期待できる。

ただし、これは決して「次世代iPhoneがLYTIA L910を採用するだろう」という意味ではない。というのも、現行の最上位機種であるiPhone 17 Proのメインカメラは、4K Dolby Vision 100、120fps撮影をウリにしているが、LYTIA L910は60fpsまでの対応と発表されている。

次世代iPhoneのメインカメラがスペックダウンすることはまず考えられないことから、おそらく従来のIMX903以上の性能を持つイメージセンサに、LOFICによる高ダイナミックレンジ撮影技術を取り込んだ新たなイメージセンサが採用されるのではないか、と考えるのが自然だろう。

望遠カメラはディテール表現力の向上に期待

一方でProモデルのiPhoneの特徴である望遠カメラには、より高い解像感を実現する「RB2×2 OCL」と呼ばれる画素構造を採用した新型イメージセンサが採用される可能性がある。

2026年6月に登場したモバイル用6400万画素CMOSイメージセンサ「LYTIA 610」は、新たに開発された「RB2×2 OCL(On Chip Lens)」と、これに最適化されたリモザイク(配列変換処理)を組み合わせることで、高解像度と優れたオートフォーカス性能を両立する。

SSSが6月に発表した、画素構造「RB2×2 OCL(On Chip Lens)」を採用する1/2型 有効約6400万画素のCMOSイメージセンサ「LYTIA 610」。従来比で20%以上の高精細化を謳う。画像⚫︎ソニーセミコンダクタソリューションズ

従来の「2×2 OCL」構造のイメージセンサでは、Quad Bayer配列の4個の各色画素に対して1つのレンズを組み合わせていた。これは2×2配列の4つのピクセルがレンズを共有することによって、全画素位相差オートフォーカスに必要な縦横の「位相差情報」を高密度で取得できる反面、4画素に独立したレンズを持つ「1×1 OCL」構造に比べると解像度面では不利だった。

一方、「1×1 OCL」構造では高密度な「位相差情報」を得にくく、オートフォーカス性能で「2×2 OCL」構造に劣るという問題がある。いくら解像度を高めても、フォーカス性能が低い、つまりピントが緻密に合わせられなければせっかくの高解像度を活かすことはできないというジレンマがあった。

RB2×2 OCLの構造図。G画素は2×2配列の4画素ごとに独立したレンズを設ける「1×1 OCL」構造で解像度を高め、R画素とB画素は2×2配列の4画素全体で1つのレンズを共有する「2×2 OCL」構造でフォーカス性能を引き出す。 画像⚫︎ソニーセミコンダクタソリューションズ

人の眼は緑色の光の解像力に優れる一方で、赤色や青色の解像力が低い。この特性に着目し、解像感に敏感なG(緑)画素に「1×1 OCL」構造を、解像感の鈍いR(赤)およびB(青)画素には「2×2 OCL」構造を採用することで解像度とフォーカス精度を高いレベルで両立したのが「RB2×2 OCL」構造だ。これによって望遠カメラでは従来の「2×2 OCL」構造の優れたフォーカス性能を維持しながら、「1×1 OCL」構造の高い解像感が得られるというわけだ。

「RB2×2 OCL」構造を採用するLYTIA 610は、最適化されたリモザイク(配列変換処理)を組み合わせることで、「2×2 OCL」構造を採用するLYTIA 601に比べて解像本数20%以上の向上を実現したとする。 画像⚫︎ソニーセミコンダクタソリューションズ

次世代iPhoneにこれらの新しいイメージセンサ技術が導入されれば、写真や動画の撮影がさらに楽しく、そしてより高画質になるだろう。

半導体や電子部品の価格高騰でスマートフォンの価格が世界規模で上昇する中、今年登場するiPhoneがより豊かなユーザ体験をもたらしてくれることを期待せずにはいられない。

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