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Genspark(ジェンスパーク)発のAIボイレコ「SecondBrain Note」レビュー。AIワークスペースとの連係で議事録作成から活用までワンストップで

著者: 佐藤彰紀

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Genspark(ジェンスパーク)発のAIボイレコ「SecondBrain Note」レビュー。AIワークスペースとの連係で議事録作成から活用までワンストップで

Gensparkは2026年7月21日に、同社初の自社ハードウェアとなるAIボイスレコーダ「SecondBrain Note」を発表しました。カードサイズの本体で会議や会話を録音し、クラウド上の「SecondBrain」メモリ機能と自動連係。文字起こしから要約、構造化された議事録生成までをシームレスにつなぎます。

商品ページにあるコピー「人は聞いたことの83%を忘れる」は、筆者としても痛いほど自覚があります。「SecondBrain Note」は、人の記憶をハードウェアで保管することがコンセプトというわけです。

今回は実際に会議風の会話を収録して、録音性能・文字起こし精度・Second Brain統合の3つの観点から検証してみました。結論から言うと、議事録作成のフローを変えるポテンシャルを感じさせる一台でした。

SecondBrain Noteはクレジットカードサイズに高い録音性を搭載

SecondBrain Noteの本体は85.6(H)×54.1(W)×2.95(D)mm、重量26g。航空機級アルミニウムの筐体で、厚みはあるものの、サイズ感はまさにクレジットカードです。財布やカードホルダに滑り込ませておけば、「持ってくるのを忘れた」という事態が起きない設計思想になっています。

iPhone 17 Pro Maxとの厚さ比較。

Second Brain Noteスペック

サイズ85.6×54.1×2.95mm
重量26g
連続録音35時間
ストレージ64GB
マイク構成アレイマイク×4基 + 骨伝導マイク×1基
最適録音距離1~5m
通信Bluetooth 6.0
バッテリ500mAh
素材アルミニウム
付属品マグネット式カードホルダ、USB-Cマグネット充電ケーブル

マイク構成には本デバイスの特徴が表れています。アレイマイク4基に骨伝導(VPU)マイク1基を搭載していて、最適録音距離は1〜5m。机の上に置いておけば、会議室の全員の発話をクリアに拾える設計です。

また、500mAhのバッテリを搭載し、2時間の充電で35時間の録音が可能です。1日6時間の会議だとしても1週間充電不要という計算になります。付属のマグネット式カードホルダは「SecondBrain Note」とカードを2枚収納できる仕様で、MagSafe対応iPhoneの背面に磁力吸着することが可能です。

付属のカードホルダはMagSafeでiPhoneにくっつけて使用できます。SecondBrain Noteのほかに、カードが2枚収納可能です。
充電はマグネット式のケーブルを本体と接続するだけ。ホルダから取り外すことなく充電できるのは便利ですね。

会議風の会話でSecondBrain Noteの性能を検証

今回のテストでは、マンション管理組合の月次定例会を想定した擬似会議(約5分・2名参加)を収録しました。会議の内容は、マンションの防犯設備強化と宅配ボックス問題の対策協議。数値データが多く飛び交う、文字起こし精度の検証にちょうどいい題材です。

検証の目的は以下の3点です。

1. 録音性能 — 2名の会話を正確に拾えるか
2. 文字起こし精度 — 数字、固有名詞、文脈を正しく捉えているか
3. Second Brain統合 — 録音が議事録として構造化され、活用可能な形で保存されるか

宅配ボックス増設費用、代替案の費用、防犯カメラの見積もり、住民アンケートの票数など、会議には意図的にたくさんの数値を盛り込みました。これらがすべて正確に記録されるかを確認していきます。

実際の会議の音声がこちらです。

文字起こし精度をチェック

結論から言うと、会議内で発せられた数値はすべて正確に文字起こしされ、議事録に反映されていました。以下は、トランスクリプトと生成された議事録の数値照合結果です。

項目発話内容議事録記録判定
問い合わせ件数17件17件
宅配ボックス関連の問い合わせ件数7件7件
住戸数40戸40戸
宅配ボックス数8個8個
増設費用約92万円約92万円
置き配スペース費用およそ28万円約28万円
不審者情報2件2件
防犯カメラ見積もり58万円58万円
録画サーバー費用14万円14万円
防犯カメラ合計72万円72万円
アンケート票数(防犯)42票42票
アンケート票数(宅配ボックス)35票35票
今年度管理費余剰約95万円約95万円
昨年度管理費余剰50万円程度50万円程度
積立金残高3650万円3650万円
大規模修繕費用約4800万円約4800万円
積立金不足見込み300万〜400万円300万〜400万円

「およそ」「約」「程度」といった修飾語のニュアンスまで保持されている点が注目に値します。単に数値を抜き出すだけでなく、発話者の表現の揺れ具合まで忠実に再現されています。

会議内で発せられた17個の数値データが全件正確に記録されました。桁数、単位、修飾語(「約」「程度」)のニュアンスまで欠落もありません。AI議事録における数値精度のハードルを大きく引き上げていると感じます。

話者分離と文脈理解

今回の検証は2名で行ったのですが、2名の話者がそれぞれ「Speaker 1」「Speaker 2」として正しく分離され、タイムスタンプ付きのトランスクリプトが生成されました。「質問→回答→合意」という文脈構造もちゃんと保持されています。

ただ、会議の文脈理解でひとつ面白いポイントがありました。積立金不足の話題で、Speaker 2が「積立金の値上げも検討する必要がありますね」と発話した箇所がトランスクリプトでは「ありませんね」と記録されていました。

あとから内容を見直すとき、実際の発話通りなのか、それとも聞き取りの揺れなのかは音声を聞かないと断定できません。否定助動詞の「はありません/あります」の聞き分けは、日本語の音声認識における難所です。実用上は議事録の要約が「積立金値上げの可能性を含む検討が必要」と正しく解釈しているので影響はないのですが、トランスクリプト単体で読む際は文脈に注意したほうがよさそうです。

録音したデータは「SecondBrainメモリ」に自動で統合

SecondBrain Noteの競合AIボイスレコーダとの最大の差別化要因は、録音が単なるファイルとして終わらず、GensparkのSecondBrainメモリに自動的に統合される点にあります。

GensparkのSecondBrainメモリは、対話型AIが一時的なメモリを持つのに対して、メモリをファイルとして保持しておくことで半永久的に保持することができる仕組みです。

今回のテストでも、この統合フローを実証できました。

生成された議事録の構造

録音完了後、以下の構造化された議事録が自動生成されました。

  • Summary — 2つの議題(宅配ボックス問題、防犯設備・予算)の要約
  • 主要な決定事項 — 防犯カメラ優先・置き配スペース案検討の合意内容と理由
  • アクションアイテム — 担当者・タスク・期限(8月25日〆切2件含む)
  • 主要な数値・指標 — 17項目の数値データがリスト化
  • 文字起こし — 話者分離付きの完全トランスクリプト

この議事録はSecond Brain上で即座に検索・参照可能な「記憶」になります。たとえば今回のテスト後、「マンション会議のタスクってなんだっけ」と尋ねると、Second Brainが議事録からアクションアイテムを3件抽出して、期限付きで返答してくれました。

Second Brainからアクションアイテムが呼び出された様子 — 「マンション会議のタスクってなんだっけ」という問いに対し、3件のタスクと期限が返答されています。

録音して終わりではなく、録音した内容があとから問い合わせ可能な知識ベースになる。これがAIボイスレコーダとしての差別化ポイントと言えるでしょう。

本体価格は199ドル。文字起こしは無料300分から!

SecondBrain Note本体は199ドル(期間限定で179ドル)。付属品としてマグネット式カードホルダとUSB-Cマグネット充電ケーブルが同梱されています。

文字起こしプランは、以下のGensparkのアプリ課金に紐づきます。

プラン文字起こし上限備考
Starter(無料)月300分本体購入のみで利用可能
Plus無制限(1日最大24時間)有料プラン
Pro無制限(1日最大24時間)有料プラン・全機能利用

無料プランの月300分は、1日あたりで計算すると約10分ほど。軽いメモ書きや短い打ち合わせなら十分ですが、本格的な会議活用にはPlus以上が前提になりそうです。1日24時間という上限は実質的に無制限と考えることできるので、フルタイムで録音し続ける用途以外には影響しないでしょう。

AIボイスレコーダは現状「デバイス+AI利用サブスクリプション」型が主流ですが、SecondBrain Noteも同様の構成です。違いは文字起こし後の出力先が、SecondBrain NoteはGensparkのSecondBrainに直接つながる点。この差が、単なるレコーダか「AIの記憶の入力端末」かを分けるのだと思います。

「SecondBrain Note」は記憶を作る、新しいデバイス

SecondBrain Noteは、ハードウェア単体の録音性能も高いのですが、その真価は「録音 → 文字起こし → 構造化 → 記憶 → 呼び出し」のラインを実現した点にあります。今回のテストで、17個の数値が1つも欠落しない文字起こし精度と、録音内容がSecond Brainから自然言語で呼び出せる統合性の両方が実証されました。

SecondBrain Noteの魅力は、文字起こし精度は高く、カードサイズ・26gの薄型軽量設計で常に携帯しやすい点。また、ワンボタンで録音を開始できるため事前準備もほとんど必要ありません。さらに、録音データはSecondBrainに自動統合され、議事録を検索・活用できる知識ベースとして蓄積できます。35時間の連続録音に対応しており、充電頻度が少ない点も魅力です。

ただ、本格的に活用するにはPlusまたはProプランへの加入がほぼ前提となり、無料プランの月300分では不足しやすい印象です。また、日本語の否定表現では認識に若干の揺れが見られました。さらに、Qi無線充電には対応せず専用のマグネット充電方式なので、汎用的なワイヤレス充電には対応していません。

誰に向いているか

SecondBrain Noteは、すでにGensparkを使っている人、またはAIワークスペースに会議記録を統合したい人に最適です。単なるボイスレコーダを探しているなら、SecondBrain Noteでなくても問題ないと思います。しかし、「会議の内容をAIに覚えておいてほしい」「後から会議のことを自然言語で聞きたい」というニーズがあるなら、SecondBrain Noteは現在唯一の選択肢になると思います。

今回のテストでもっとも印象的だったのは、マンション会議の録音後に「タスクってなんだっけ」と聞いた瞬間に、3件のアクションアイテムと期限が即座に返ってきたことです。録音して終わりではなく、録音したことが後から生きる。この体験を一度味わうと、従来の「録音して文字起こしして、自分で議事録を整理して、ファイルに保存して…」というフローには戻る気になれませんでした。

SecondBrain Noteは、議事録作成の未来を「事後作業」から「事後何もしなくていい状態」へと一歩押し進めてくれました。その一歩は、想像以上に大きかったです。

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