動画編集を目的にディスプレイを選ぶ場合、まず重要なのは作業の快適さを左右する画面の広さや解像度。加えて、ディスプレイにつなぐまでの手間も見逃せない。普段からMacBook Proを持ち歩き、帰宅後は外部ディスプレイにつないで編集する人にとって、日々のちょっとしたストレスにつながるからだ。
LGの39.7インチ5K2Kウルトラワイド「40U990A-W」と、31.5インチ6K「32U990A-S」は、いずれもThunderbolt 5に対応しており、動画編集をはじめとするクリエイティブ作業に最適なディスプレイとなっている。
では、実際に動画を制作するクリエイターはどう感じるのか。Apple製品に詳しいガジェットYouTuber・みずおじさんに2製品を試してもらい、Final Cut Proでの動画編集を中心に使い勝手を聞いた。
LG UltraFine Display 40U990A-W
LG UltraFine evo 32U990A-S
40U990A-Wはウルトラワイドの40型。タイムラインが広がると制作がスムースになる
みずおじさんが普段使っているのは、M5 Max搭載のMacBook Proと32インチの4Kディスプレイだ。外部ディスプレイとはHDMIで接続している。
「特に不満もなく、今まではこれが当たり前だと思っていました」
今回、そんなみずおじさんに、LGのディスプレイ2つを試用していただいた。まず大きな違いを感じたのが、5K2K解像度を備えたウルトラワイドディスプレイ「40U990A-W」だと言う。
「これまで使ってこなかったウルトラワイドで動画編集をすることで、今の環境は実は横幅が狭いということに気づかされました。動画編集ソフトでタイムラインを行ったり来たりして作業するので、広いと本当に楽ですね」

従来の32インチ環境では、細かな編集がしやすい縮尺にすると、「Final Cut Pro」で表示できるタイムラインは1分半ほどだ。ところが40U990A-Wでは、同じように編集できる状態のまま、2分〜2分半ほどまで表示することができた。このおかげで、前の場面へ戻ったり先へ進んだりする際に必要だった横スクロールの手間が減る。
さらに、画像や音楽、動画などの素材を扱うときにも横幅の広さが活きるという。
「狭い画面の中では、毎回ウインドウを切り替えながら素材を追加していました。でも横に並べておけば、右から左へ素材を持っていけます。そこはものすごく楽でした」


また、40U990A-Wは広い表示領域に加え、120Hz表示にも対応する。ゲームでも120Hz表示を試したところ、視界の広さからくる没入感と映像の滑らかさを楽しめたという。動画編集だけでなく、高リフレッシュレートが効果的なゲームでも、40U990A-Wの強みが発揮できるのだ。
32U990A-Sは6Kの高精細ディスプレイ。きめ細やかな表現が画面を拡張!
一方、32U990A-Sで驚いたのは、6144×3456の画面の美しさだった。普段が4K環境だけに、使う前は「4Kから6Kになっても、それほど変わらないのでは」と考えていたという。ところが高精細な動画を見比べると、印象はまったく違った。
「YouTubeの8K動画などを見比べたんですが、4Kと6Kでこんなに変わるのかと思いましたね」
画素密度224ppiが生み出す高精細さにより、複数アプリを並べても文字を確認しやすい。また、一眼レフで撮影した写真を表示してみたところ、拡大しなくてもくっきりと見えることに感動したという。

そして、動画編集においても高精細さは有用だ。
「タイムラインを広く使うためにプレビューを小さくして、確認するときだけ大きくすることがあるのですが、高精細だと小さいままでもディテールまで見えます。拡大や縮小の操作を減らせるのはメリットですね」
40U990A-Wが横方向の広さで作業領域を増やすのに対し、32U990A-Sは32型クラスのサイズに6Kの情報量を詰め込んでいる。39.7インチのウルトラワイドを置くスペースを取りにくい環境でも、高精細な編集環境を作りやすいという利点がある。

また、画面分割や各種設定をMac上で行える専用ソフト「LG Switch」に両モデルとも対応。加えて32U990A-Sは、Mac用のカラープリセット「Studio Mode」、Mac本体のキーボードで輝度・音量を操作できる「M-control」が利用可能だ。

Thunderbolt 5ケーブル1本でMacとあらゆる機器が接続
ディスプレイそのものの使いやすさと並んで、今回みずおじさんの評価が高かったのがThunderbolt 5による接続である。これまで外部ディスプレイはHDMI接続だったため、帰宅してMacBook Proをデスクで使う際には、HDMI、電源、USB-Cに変換したLANケーブルの3本を毎回接続する必要があった。
40U990A-Wと32U990A-Sは、両方ともMacBook ProとThunderbolt 5ケーブル1本で接続でき、映像表示と最大96Wの給電をまとめられる。さらに40U990A-WはLAN端子も備えており、ディスプレイ側にLANケーブルを接続しておけば、有線ネットワーク接続まで1本に集約できる。ケーブルを減らしてデスクまわりをシンプルにしたいみずおじさんにとって、この違いは大きいものだったという。
「帰ってきてThunderbolt 5を挿すだけで、Macも充電されるし、LANをつないでいればネットワークにもつながる。MacBook Proの充電アダプタを別につなぐ必要もなくなりました。これはすごいぞと思いましたね」
複数のMacを使う人向けにはKVM機能もある。たとえば、ディスプレイ側につないだ1組のキーボードとマウスを、Mac miniとMacBook Proで切り替えて使ったりもできる。「複数のMacや、MacとWindowsを併用する人には便利な機能だと思いました」


クリエイターがこだわる“Macの色味”を再現
外部ディスプレイを選ぶうえで、みずおじさんをはじめ、多くのクリエイターが重視しているのが色味である。MacBookの画面と外部ディスプレイの色が大きく違うと、最悪の場合、色味の調整をやり直すことになるかもしれないからだ。
そのため、みずおじさん自身は普段、ディスプレイをMacの色味に近づけるために色の調整を行っている。しかし、今回試した「40U990A-W」「32U990A-S」はその必要がなかったという。
「いつもディスプレイは色味をMacに近づけるように試行錯誤して調整していますが、今回の2台はプリセットでMacに近い色味が出せたので、すんなりと使えました」

40U990A-Wと32U990A-S、どちらのディスプレイも魅力的だが、それぞれどんな人におすすめできるのか。みずおじさんは「重視する作業によって変わる」と話す。
「Final Cut Proなどでタイムラインを広く使いたい動画クリエイターや、120Hz表示でゲームを楽しみたい人には40U990A-Wがいいですね。一方で、6Kの高精細さを活かして写真や動画の鑑賞・編集をしたい人や、ディスプレイを設置するための広いスペースが用意できない人には32U990A-Sをすすめます」
今回の2台のディスプレイについて、みずおじさんは「快適さが明らかに上がった」と絶賛する。動画が編集しやすくなるうえに、日常の小さな手間を減らして、Macを快適に使えるようにしてくれる両ディスプレイ。自分の使い方に合う1台を検討してみてほしい。



