2026年春に虎ノ門ヒルズのTOKYO NODEで開催された「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」が、7月17日(金)から、関西巡回展として、兵庫県立美術館で開催される。
2026年1月に東京で開催された同展は、「電脳VISION」という新しい形の展示があり、ARグラス・XREALを装着することで「攻殻機動隊」の世界に入り込める、という触れ込みでも話題になった。
関西展は東京展の内容をベースにしつつ、一部に新要素を加えた構成になる。本記事では東京での体験を振り返りながら、関西巡回展で注目したいポイントを整理していく。
体験できる攻殻機動隊展
東京展終了間際に、AR体験「電脳VISION」の開発に参画したSTYLY社から招待を受けて、本展を体験する機会を得た。
会場にはシリーズを横断する原画や設定資料が並び、制作時のメモなどから当時の意図を読み取ることができる。点数も多く、シリーズ作品ごとの表情を読み取れる内容になっていた。

しかし、これは原画展ではなく攻殻機動隊展。展示物は原画だけにとどまらない。自分の顔に“笑い男”のアイコンを表示させる演出や、光学迷彩を模した体験など、作中の要素を再現した展示も複数見られた。作品の世界観を実際に体験できるのが本展の特徴なのだ。


視界を拡張する電脳VISION
東京展の中でも印象に残ったのが、ARグラスを用いた「電脳VISION」だ。これは追加でチケットを購入すると体験できるコンテンツで、専用のARグラスを装着して展示を巡る。原画の前に立つと、映像や解説が重ねて表示される仕組みになっている。
使用機材はARグラス「XREAL Air 2 Ultra」と映像出力用の端末「XREAL Beam Pro」。使用方法は受付でしっかりと説明してくれるので安心だ。
さっそく床のマーカーを読み込むと、ARグラス越しだけに投影される「原画マーカー」が出現し、これを凝視することで映像と音声による解説が始まる。この解説音声は、攻殻機動隊の象徴的なキャラクター「タチコマ」が本当にいいそうな言い回しで語られるので、作品への没入感はひとしおだ。内容は解説というより、タチコマに「このシーンはどんなシーン」と聞いたときに答えてくれているような体験だった。


すべての原画を見終わったあとは、東京タワーをバックに、1995年に公開の映画「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」の最後の名シーンを再現して体験は終了する。
各ポイントの体験時間も比較的長く、一通り回るとそれなりのボリュームになる。ARグラスをかけたことがない人は、最初はやや慣れが必要かもしれないが、使っているうちに操作や見え方には順応していくはずだ。
この電脳VISIONは、単なる映像演出ではなく、実際の展示と情報を重ね合わせる形で構成されている。原画だけでは拾いきれない文脈まで自然に補完してくれる点も、この体験の魅力だ。
視界の中に情報が追加されるという体験自体、攻殻機動隊という作品のテーマに近い部分だ。作中でも視界に情報を映し出す演出はよく使われてきた。それが現実世界で体験できるというのだから、攻殻ファンはぜひ一度試してもらいたい。
なお、電脳VISION体験チケットは、当日会場窓口では1700円、オンラインの事前購入では、1500円で販売される。
関西展で注目したいポイント
関西巡回展では、東京展の展示内容をベースにしつつ、いくつかの変更点が加わる。
これまでの展示物に加えて、2026年7月7日から放送が開始されるシリーズ最新作アニメ「攻殻機動隊THE GHOST IN THE SHELL」の最新アーカイブが展示される。いち早く最新作の世界観・キャラクター・原画などを見られるのは、関西展ならではの楽しみだ。
また、東京展で好評を博した 「Analog-Dig“カット袋”」の回数制限が取り払われる。この「Analog-Dig“カット袋”」は、アニメの制作現場で使われてきた、「カット袋」を自分の手でめくっていき、複製原画を掘り当てる体験だ。1回2000円のこの体験、つい夢中になりすぎないように注意したい。
関西展は東京展の良さを引き継ぎながら、新要素も加わる構成だ。筆者おすすめの「電脳VISION」によるAR体験も、作品テーマと深く結びついた内容であり、攻殻ファンであれば体験必須だ。
関西巡回展は7月17日から開催予定。関西の攻殻ファンはぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

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