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MacBook Neoで高性能LLMが動く未来が来る? KVキャッシュを圧縮するGoogleの新技術「TurboQuant」の衝撃

著者: 今井隆

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MacBook Neoで高性能LLMが動く未来が来る? KVキャッシュを圧縮するGoogleの新技術「TurboQuant」の衝撃

PCCでより重要な「TurboQuant」の役割

iPhoneなどのデバイス上だけでは難しい処理とは、たとえば大規模な世界知識が必要、より高い計算能力が必要、といった場合だ。そんなときには、パーソナルクラウドコンピュートが利用される。

Apple Intelligenceではユーザのリクエストがデバイス上で処理できるか、PCCに送って処理が必要かを「オーケストレーション」アルゴリズムによって判断する。

オーケストレーション(Orchestration)は、Apple Intelligenceがユーザのリクエストを実行するために「どのモデルを使い」「どこで処理するか」を効率よく振り分ける「指揮者」としての役割を持つ。処理の内容や複雑さに応じて、Appleデバイス上のローカルモデルで処理するか、より強力なPCC(Private Cloud Compute)で処理すべきかを即座に判断する。
画像:Apple

PCCではより大きなLLM(大規模言語モデル)を動かし、膨大なユーザからのリクエストを同時に処理する必要がある。そこではさらに多数の大きなKVキャッシュが必要になり、膨大なメモリとシステムリソース、そして電力が消費される。

となると、すべてのユーザからのリクエストに応えつつ実現可能な規模のシステム構成を実現するには、TurboQuantのようなメモリ圧縮技術が欠かせない。でなければPCCの運用コストはAppleにとって、そして世界にとっても大きな負担となるからだ。

おそらく、AppleはGoogleとのAI基盤に対する提携において、Geminiの基盤技術のみならずTurboQuantなどの圧縮技術の採用も見通していた可能性がある。

すべてのAppleデバイスユーザがより強力で賢いAI基盤を利用できるようになるためには、その消費リソースを低減するための圧縮技術は欠かせないキーパーツだ。新しく生まれ変わるSiriやApple Intelligenceがどんな世界を私たちに見せてくれるのか、それは2026年6月のWWDC 26で明らかになるだろう。

これはメモリ8GBのM1搭載Macの「LM Studio」アプリ上で、gemma 4の最軽量モデルである「gemma-4-e2b-it」を動かしてみた画面のキャプチャだ。本稿執筆時点ではLM StudioにはまだTurboQuantは実装されていないが、KVキャッシュの量子化タイプを変更してその効果を確かめることができる。
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編集:Mac Fan編集部
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著者プロフィール

今井隆

今井隆

IT機器の設計歴30年を越えるハードウェアエンジニア。1983年にリリースされたLisaの虜になり、ハードウェア解析にのめり込む。

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