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El Capitanのトラブルシューティング?「特定のWEBサイトに接続できません」ほか

El Capitanのトラブルシューティング?「特定のWEBサイトに接続できません」ほか

特定のWEBサイトに接続できません

エルキャピタンにアップデート後、Gmailなどの認証を必要とするWEBサイトが使えなくなるケースがあります。その場合は、「SSLサーバ証明書」が原因のケースが多いです。SSLサーバは情報の暗号化に使うもので、ネットショッピングの決済ページなど、情報が第三者に漏れては困るシーンで使われます。WEBサイトでは、しばしばダミーサイトによるなりすましが起きるため、第三者機関が「このサーバは正しく確認された当人ですよ」という証明を与えるものが、SSLサーバ証明書なのです。

この証明書は、「キーチェーンアクセス」で管理されています。アクセスできないサービスの証明書を開き、「信頼」の値を更新しましょう。なお、Macアップストアの場合、システムを何度か再起動していると、証明書がアップデートされてつながるようになることがあります。

? サファリなら、アドレスバーのカギアイコンをクリックすると証明書が表示されます。「この証明書は不明な機関によって署名されています」と赤字で表示されていたらトラブルの原因になっています。

? [アプリケーション]→[ユーティリティ]フォルダにある、[キーチェーンアクセス]を開き[システムルート]を選びます。

? 各サービスがどんな証明書を使っているかを控えておき、目的の証明書を開きます。

? [信頼]の欄を開き、[この証明書を使用するとき]の値を[常に信頼]に設定し、再び[システムデフォルトを使用]に戻します。うまくいかないときは、一度証明書を閉じて再度試してみてください。

検索結果がなかなか出てこない

OS Xの検索機能「スポットライト」のファイル索引は、初回作成時にかなり時間がかかります。索引ファイルが作成中だったり、壊れていると、検索に時間がかかることになります。システムのアップデート後、数週間経つのに検索が遅いと感じる場合、索引ファイルが壊れているかもしれません。この場合は手動で索引ファイルを再構築しましょう。

索引ファイルを再構築するには、ターミナルで「sudo mdutil -E /」と入力します(この例では起動ディスクの索引を再構築します)。

外見上はわかりませんが、バックグラウンドでは「mdworker」が一生懸命索引を作成しています。

エルキャピタンにログインできない

セキュリティソフトをインストールした環境でアップデートすると、ログインできなくなることがあるようです。アップデート前に、いったんアンインストールしておくのがよいのですが、すでにアップデートしてしまった場合は、Macをセーフモードで起動し、アンインストーラで取り除く必要があります。その後、最新版をインストールし直しましょう。

「カスペルスキー インターネットセキュリティfor Mac」の場合は、いったん電源をオフにし[シフト]キーを押しながらセーフモードで起動し、専用のアンインストーラで削除します。

【URL】http://support.kaspersky.co.jp/9941

ルートユーザにも制限が!? 新機能「SIP」を理解する!

UNIX系システムでは、ファイルシステムのあらゆる領域にアクセスできる権限を持つ特殊な「ルート(root)」というユーザが設定されています。このユーザは、ほぼあらゆる場所にアクセスし、あらゆるファイルを移動/削除できますが、逆にシステムを破壊しかねない危険性も秘めています。いわゆるマルウェアの多くはこのルートユーザの権限を乗っ取って悪用するのです。

そこでエルキャピタンでは、ルートユーザでもシステムの重要な部分にアクセスできないようにする「System Integrity Protection」、略称「SIP」という機能を搭載しました。ルートユーザを使えなくするという意味の「ルートレス(rootless)」という呼び名も広まっていますが、実際にはルートも残っているので、厳密には少し違うことになります。

SIPでは、たとえルートユーザであっても「/System」「/bin」「/sbin」「/usr」(/usr/localは除く)、システム付属のソフトおよびユーティリティのパッケージ内を変更することはできません。これらの部分を変更できるのは、アップルの認証サインを受けたインストールパッケージを使ったインストーラと、ソフトウェアアップデートだけです。

これにより、自由にシステムをいじることはできなくなりますが、通常のカスタマイズやアプリのインストールでは「~/Library」や「/Applications」を使うので影響はないですし、UNIXベースのコマンドなどは「/usr/local」にインストールするので、これまた影響はありません。もしシステムのアップグレード前に制限エリアにインストールされていたファイルは「/Library/SystemMigration」の下に移動されます。

なお、インストール前に「/usr/local」などを削除してしまっていると、システムのアップグレード後は改めてそこにディレクトリを作れないため、特にパッケージ管理システムを使っているユーザに影響があります。この場合、システムをリカバリーモードで起動し、SIPをオフにすることで再度ディレクトリを作れるようになります。ディレクトリの編集等が終わったら、再びSIPを有効に戻しておきましょう。

? 通常の状態では、ルート化(スーパーユーザ化)して「/usr」直下にフォルダなどを作ろうとしても「Operation not permitted」と表示されて、作成できません。

? SIPの状態を知るには、ターミナルで「csrutil status」と入力します。「enabled」と出ればSIPが有効になっている証拠です。

? ターミナルで「ls -l@」と入力すると、アクセス権の最後に「@」と表示されるディレクトリがあります。これがSIPが有効であることを示す拡張属性(Extend Attribute)です。

? 起動時に[コマンド]キー+[R]キーを押したままでリカバリーモードで起動し、[ユーティリティ]メニューから[ターミナル]を選択します。

? ターミナルで「csrutil disable; reboot」と入力します。SIPがオフになったというメッセージが表示され、自動的にシステムが再起動します。

? 再起動後、再びターミナルで「csrutil status」と入力し、「Custom Configuration」と表示されれば成功です。

? ディレクトリの編集等が終わったら、再びリカバリーモードで起動して「csrutil enable; reboot」と入力し、SIPを有効に戻しておきましょう。

アップデートできるのはどの世代のMacから?

アップルは、この5年間OS Xのアップデートを毎年実施してきました。前回はできたけど今回は…と不安に感じる、古いMacユーザも多いでしょう。最新のOS X10・11エルキャピタンでは、2009年以降に発売されたMac、および2007年以降のiMacとMacBookプロ、2008年以降のMacBookエアの動作をサポートしています。

OS X10・6スノーレパードの最新版(10・6・8)以降の環境であれば、無償アップデートできます。ハードウェアとしての動作条件は、2GB以上のメモリと8.8GB以上のストレージ空き容量となっていますが、快適に利用するには余裕があるに越したことはないでしょう。

何より、古いOSを使い続けることにメリットはありません。外部からの脆弱性を放置することにもつながるため、アップデートの対象モデルであるならば、なるべく最新の状態にするのをおすすめします。

●対応ハードウェア条件

●各機能に対応するMac一覧

OS X10.6.8のスノーレパード以降であれば、そのままエルキャピタンに無料でアップグレードできます。システム要件を満たしている場合は、「App Store」を開いてエルキャピタンの[ダウンロード]ボタンをクリックして画面の指示に従ってインストールします。

OS X10.5レパードの環境からのアップデートはいったんスノーレパードへのアップデートが必要です。インストール用のプログラムはアップルより2200円(税別)で販売されています。

【URL】http://www.apple.com/jp/shop/product/MC573J/A/mac-os-x-10.6-snow-leopard

MacとiPhoneのユーザ辞書が同期されない!

エルキャピタンにアップデートすると、これまで登録していたユーザ辞書が反映されず変換候補に表示されなくなることがあります。アイクラウドの挙動とも関係するため、確実に解消する解決策はありませんが、エルキャピタンの日本語入力機能の新機能である「ライブ変換」が影響しているとみられるケースも多く報告されています。

おそらく、アップデート直後は、ライブ変換が初期設定で有効になっているため、ユーザ辞書の読み込みになんらかの支障が発生していると考えられます。

当面の解決策としては、一時的にライブ変換をオフにして、アイクラウドからユーザ辞書のデータが同期するのを待つことです。設定変更直後に同期が反映されるとは限らないため、数時間から数日間はそのままにしておき、ユーザ辞書の反映が確認された時点でライブ変換を再び有効するとよいでしょう。

? メニューバーの日本語入力メニューから[ライブ変換]のチェックをいったん外しておきます。

? システム環境設定の[キーボード]パネルから[ユーザ辞書]を選択し、登録済みのユーザ辞書が反映されるのを待ちます。

?iOSデバイスの「設定」アプリで[一般]→[キーボード]→[ユーザ辞書]と辿り、Macのユーザ辞書と同期していることを確認します。

緑のボタンの機能が昔と変わった?

OS X10・10ヨセミテ以降では、ウインドウの緑色のボタンに割り当てられた機能が、最適なサイズへの「拡大/縮小」から「フルスクリーン」表示に変わりました。従来の拡大/縮小機能はウインドウタイトルバーのダブルクリックで利用できます。このタイトルバーの設定は、システム環境設定の[Dock]パネルで切り替えられます。

緑ボタンにカーソルを合わせるとフルスクリーンボタンにアイコンが変化します。[オプション]キーを押すと最適なサイズへの変更となります。

ダッシュボードがなくなった?

天気や計算機などのミニアプリをデスクトップに表示する「ダッシュボード」は、エルキャピタンでは初期設定で無効になっています。設定を変更すればデスクトップに表示できますが、OS Xでのウィジェット機能は通知センターのそれへと置き換えが進んでいます。なお、エルキャピタンでは、新たに「友達を探す」通知ウィジェットが追加されました。

システム環境設定の[Mission Control]パネルでは[Dashboard]の項目は初期設定で[切]になっています。操作スペースまたはオーバーレイ表示に切り替えます。