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純正マウスやトラックパッドでは副ボタンでコンテキストメニューを呼び出すべし!

著者: 中村朝美

純正マウスやトラックパッドでは副ボタンでコンテキストメニューを呼び出すべし!

【常識1】純正マウスやトラックパッドでは

副ボタンでコンテキストメニューを呼び出すべし!

Macの純正マウスやトラックパッドには、いわゆるクリックボタンがありません。「Macといえばワンボタンマウス」といわれた時代が長かったのですが、今となってはゼロボタンなのです。

「マジックトラックパッド2」やMacBookシリーズの感圧タッチトラックパッドには、表面部分に物理的なスイッチすらありません。以前のマジックトラックパッドはゴム足部分にスイッチがありましたが、最新の製品ではそれも廃止されました。しかし、マルチタッチジェスチャによって多機能マウスに引けを取らない種類のコマンドを入力できます。

もっともよく使うのは、コンテキストメニューを出すために利用する副ボタンのクリックでしょう。「マジックマウス」は本体の上部全体がクリックボタンになっており、表面にタッチセンサが仕込まれていて、クリックしたときに触れている指の場所によって左右のクリックを使い分けられます。左右どちらでも好きなほうに副ボタンを設定することが可能です。トラックパッドの場合は、それに加えて2本の指でクリックまたはタップすることもできます。

なお、コンテキストメニューとは、「文脈に沿ったメニュー」という意味です。メニューを出した場所に応じてメニュー項目が変わります。どんなときに開いても内容が変わらないメニューバーに対して、コンテキストメニューはそのときに使えるメニュー項目のみ表示されます。ちなみに、ウィンドウズではコンテキストメニューのことを「ショートカットメニュー」と呼びます。

(1)アップル純正のマジックマウス2。表面に物理的なボタンはなく、本体全体がクリックできるようになっています。

(2)システム環境設定の[トラックパッド]ではトラックパッドの右下でクリックまたは、2本指でクリックすることで副ボタンのクリックができます。

(3)コンテキストメニューは、副ボタンをクリックすることでポップアップするメニュー。「コンテキスト」という言葉が示すように、クリックした場所に応じたメニュー項目が表示されます。

【常識2】パスワードを忘れてしまったらサファリに教えてもらうべし!

サファリの自動入力機能では、WEBサービスのパスワードを記憶させることができます。よって、一度覚えさせたら次回ログイン時には再度パスワードを入力する必要がありません。しかし、暗記の基本は反復して入力することなので、パスワードを覚えていない人も多いようです。パスワードを忘れてしまっては、ほかの自分のデバイスや他人のデバイスを借りてアクセスしたくてもできません。

慌ててパスワードをリセットする前に、サファリに教えてもらいましょう。自分のMacのログインパスワードさえ覚えていれば、パスワードを平文で表示させることができます。もちろん、この操作をするときはほかの人に見られないように周囲に十分気をつけてください。Macのログインパスワードがわかると、芋づる式にWEBパスワードを見られてしまうということにも注意が必要です。

サーバのパスワードやWi−Fiアクセスポイントのパスワードは[ユーティリティ]フォルダにある「キーチェーンアクセス」を使えば確認することができます。

(1)サファリの[環境設定]を開いて[パスワード]を選び、[選択したWebサイトのパスワードを表示]にチェックし、このMacのログインパスワードを入力します。

(2)または[ユーティリティ]フォルダにあるキーチェーンアクセスを起動し、リストから該当するサービスをダブルクリックしましょう。

(3)Macのログインパスワードを入力するとパスワードが表示されます。パスワードはクリップボードにコピーすることも可能です。

【常識3】アプリケーションが応答しないときは

プラグを抜かずに強制終了すべし!

Macのソフトは、プログラムのミスやOS X側の問題、そのほかさまざまな原因で反応しなくなることがあります。

たとえば、レインボーカーソルがぐるぐる回って操作を受けつけないということがあります。一時的に過負荷状態になっていて処理が追いつかないだけということもあるので、しばらく様子を見ましょう。そのとき、やたらクリックしたりするのは控えましょう。その操作が負荷を増やすことになるからです。

しばらく放置しても状況が変わらないときは、ソフトを強制終了することになります。もちろん、保存していない編集内容は失われますが、そのソフト自体に自動保存機能がある場合は復元できるかもしれません。

強制終了するには、[コマンド]キー+[オプション]キー+[エスケープ]キーを押して「アプリケーションの強制終了」ウインドウを出し、応答しないソフトを選びます。1度では強制終了しないことがあるので、何度か試してください。

これでもダメなときは、[ユーティリティ]フォルダにある「アクティビティモニタ」を起動して、応答しないソフトを選んでツールバーの[×]をクリックし、[強制終了]を選びます。

これでもソフトが終了しないときはMac自体を強制終了するしかありません。シャットダウンするまで電源ボタンを10秒以上押してください。決して、コンセントからプラグをいきなり抜くのはやめましょう。ストレージ機器や電源装置にダメージを与える可能性があります。

(1)レインボーカーソルが表示されてソフトが反応しなくなったら、まず[コマンド]キー+[オプション]キー+[エスケープ]キーで強制終了を試みましょう。

(2)それでも反応しない場合、アクティビティモニタによる強制終了を行います。終了する項目を選び、左上の[×]をクリックしましょう。

(3)画面左上にある[×]をクリックすると、ダイアログが現れるので「強制終了」を選択しましょう。

(4)最後の手段がMacの強制システム終了です。これは、電源ボタンを10秒以上長押しすることで行えます。

(5)強制システム終了したあとは、このようなダイアログが表示されることがあります。[レポート]をクリックするとアップルにログが送られます。

【Mac Fanの新常識】ディスプレイの 「ppi」って何を表すの?

ディスプレイのスペックでは、解像度として「2304×1440ピクセル」などと画素数をかけ算で表したり、画素密度として1インチあたりの画素数を表した「226ppi」などと記載されます。ppiとは「ピクセルパーインチ」の略で、1インチあたりのピクセル数を表しています。たとえば、226ppiのディスプレイの1ピクセルは0.279ミリメートルという細かさです。

このppiに似たものとしてdpiも存在しますが、これらは印刷物やプリンタで用いられます。現在のインクジェットプリンタの解像度は1440dpi以上がポピュラーですが、インクの濃度は調整できないため、細かいドットをたくさん打って濃い色、少なく打って薄い色という方法で疑似的に階調を表現しています。なので、1ピクセルを表現するためには数十ドットが必要です(ドットの大きさを変える機種もあります)。

つまり1ピクセルを表現するために必要なドット数は、一定ではないわけです。ppiとdpiはまったく別の単位として認識する必要があります。

12インチMacBookのディスプレイを500倍に拡大したものです。整然と画素が並んでいるため、RGBのサブピクセル(ドット)をまとめてピクセルと呼び、画素密度としてppiが使われています。

これはレーザプリンタで印刷した写真を500倍に拡大したもの。場所によってドットの数がまちまちで、カラー印刷の場合は4色のトナーを重ね打ちしています。このため、プリンタのスペックは1色あたりのdpiで表しています。

レティナディスプレイは、通常のディスプレイの2倍程度の画素密度なので、OS X側で2倍の画素数で描画することで物理的な表示サイズを維持しています。

【定番知識】

コンテキストメニュー自体は、OS Xの前身であるMac OS 9時代に導入されました。当時マルチタッチトラックパッドは存在しなかったので、副ボタンのクリックは[コントロール]キー+クリックで代用していました(現在も使えます)。

【定番知識】

本来、ppiは「解像度(resolution)」の単位です。しかし、ディスプレイの解像度といえば、縦横のピクセル数をかけ算で表示するのが慣例です。なので、区別するためにppiは「画素密度(pixel density)」と表現されるようになりました。