iPhoneをかざすだけで接続できるDockKit採用のスタンド
私はときどき、友人とビデオ通話を楽しんでいます。仕事のビデオ会議と違って、コーヒーを淹れたり、おやつを取りに行ったりして、部屋の中を動き回りながら気楽に話を続けています。
そんな自由なスタイルのビデオ通話にピッタリなのが、このiPhoneスタンド「Auto-Tracking Stand Pro with DockKit」です。カメラに映った人物を追跡し、画角に収め続けてくれるという機能を搭載しています。この製品発表のニュースを見て気になっていたところ、運良く試用の機会をいただきました。さっそく使っていきましょう。
Belkin Stand Pro 自動追跡スマホ用ジンバル・スタンド Apple DockKit搭載 MagSafe 15W急速充電 iPhone 15/…
この製品は、iPhoneをかざすだけでペアリングが始まり、特別なアプリのインストールは一切必要ありません。Appleが2023年に公開した「DockKit」という技術を使用しているため、非常にスマートに自動追跡機能を利用できるのが特徴です。ドックキットを搭載した製品は、実はこれが世界初となります。

自動追跡機能は、さまざまなアプリで利用できます。試したところ、純正「FaceTime」のほか、「LINE」や「Facebook Messenger」で利用できました。また、ビデオ通話系のアプリだけでなく、純正「カメラ」アプリでも利用できます(ビデオモードのみ。写真やシネマティックモードなどは非対応)。
動画撮影にも最適なハイレベルな自動追従機能
追従性は、非常にハイレベルなものだと感じました。360度の左右回転に加え、上下の傾きも90度まで対応しているので、立ち上がったり座ったりしても追尾してくれます。顔を近づけても遠ざかっても問題なし。離れた距離での撮影では、うまく全身がフレームに収まるような画角で調整してくれました。
また、マスクやサングラスをしてもしっかりと追いかけてくれました。ただ、追尾対象はあくまで人間のみのようで、動物(猫)は追尾してくれませんでした。ペットモニタとしては利用できないでしょう。
駆動音は非常に静かで、ビデオ通話中も録画データの再生時でも特に気になることはありませんでした。また、本体にバッテリを搭載している点も、この製品の大きな魅力だと感じます。
公式のアナウンスによると、この製品は最長5時間のバッテリ駆動が可能です。これにより、リビングのテーブルでもウッドデッキでも、好きな場所でビデオ通話が楽しめます。
この製品は、ビデオ通話での利用だけでなく、動画撮影でも重宝します。特に、料理やダンスといった動画コンテンツと相性がいいと感じました。三脚にも取り付けられるので、いろいろな撮影方法に対応できると思います。

全体的な性能は非常に満足できるものでしたが、唯一気になったのは2万9900円という価格です。具体的な利用シナリオが思い浮かばないと、なかなか手を出しにくいかもしれません。もう少し手頃になれば、さらに興味を持つ人が増えるのではないでしょうか。
※この記事は『Mac Fan』2024年7月号に掲載されたものです。
おすすめの記事
著者プロフィール

小平淳一
Apple製品を愛するフリーランスの編集者&ジャーナリスト。主な仕事に「Mac Fan」「Web Desinging」「集英社オンライン」「PC Watch」の執筆と編集、企業販促物のコピーライティングなど。ときどき絵描きも。Webの制作・運用も担う。