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「SOXAI RING 1」は“Apple Watchの代わり”になる? 日本発の指輪型ヘルスケアデバイスを1カ月使い込みレビュー

著者: 関口大起

「SOXAI RING 1」は“Apple Watchの代わり”になる? 日本発の指輪型ヘルスケアデバイスを1カ月使い込みレビュー

写真●黒田彰

Apple Watchと腕時計の狭間で

はじめにひとつ告白したいことがある。私はApple専門誌の編集者でありながら、Apple Watchを使っていない。なぜなら腕時計が好きだからだ。かつて腕時計関連の仕事をしていたこともあるし、今でも暇をみては専門店やECサイトで高級腕時計を眺めている(買えはしない)。

一方で、Apple Watchの機能性に惹かれまくっているのも事実。特に使いたいのが、睡眠や運動のトラッキング機能だ(決済機能やiPhoneやMacとの連係機能は一旦端においておく)。

そんな中、指輪型スマートデバイスSOXAI RING 1」を発見した。指につけてiPhoneの「SOXAI」アプリで連係すれば、睡眠や運動をトラッキングできるという優れものだ。ちなみに、同じ「スマートリング」としてEVERINGなどが知られているが、そちらは決済端末であり役割はまったく異なる。

また、前提を覆すようだが、そもそもApple WatchとSOXAI RING 1は単純に比較できるものではないということを強調したい。それぞれの設計思想、搭載機能、形状がまるで異なるからだ。

そのため本記事では、睡眠や運動を記録することに焦点を当て、約1カ月使ってわかったSOXAI RING 1の実力を掘り下げていく。

Apple WatchとSOXAI RING 1

右手の人差し指につけているのが「SOXAI RING 1」。太めで存在感はあるが“異物”ではなく、ファッションアイテムとして使えると思う。

SOXAI RING 1

発売元:SOXAI

価格:3万5980円

材質:チタン(外側)、合成樹脂(内側)

SOXAI RING 1サイジングキット

希望者には購入前にプラスチック製のサイジングキットが送られてくる。正確なデータを収集するにはセンサを皮膚に密着させる必要があるため、フィット感は慎重に見極めたい。

SOXAI RING 1 付属品

SOXAI RING 1と付属品。充電には、USB-Cポートを備えた専用スタンドを使用する。

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最大8日」の超タフなバッテリ

何より魅力的なのは、SOXAI RING 1のバッテリ持続力だ。最大で8日間も連続で使用できる。ちなみに、Apple Watchは最上位モデルのApple Watch Ultra 2でも、通常使用時で最大36時間、低電力モードで最大72時間だ。

私の場合、月曜の朝、出社時を充電タイミングとしてルーチン化して使用した。充電器を自宅に持ち帰る必要がないのはとても楽だ。しかも、フル充電の所要時間も1~2時間程度というのがいい。

また、そのコンパクトさも素晴らしい。メーカーサイトでは世界最小を謳っている(2024年5月29日時点)。数値にして幅7.6mm、厚み2.5mm、重さは約3g。さらには完全防水・防塵(IP68相当)で、お風呂やプール、サウナにも持ち込める。

人差し指以外につけるのがおすすめ

SOXAI RING 1装着 Apple Pencil

1点注意したいのがどの指に装着するかだ。個人的には利き手の人差し指は避けるべきだと思う。十分コンパクトなサイズではあるが、ペンやお箸、スプーンやフォークなどのカトラリーが干渉するのが気になった。

指輪をつけ慣れている人は気にならない可能性もあるが、そうでないなら利き手ではない人差し指、あるいは別の指にするのがいいだろう。私は利き手の人差し指に合わせてサイジングしてしまい、使い始めた当初やや後悔した。

SOXAI RING 1のセンサー類

本体内側には「AI搭載3D加速度センサ」「皮膚温度センサ」「光学式心拍センサ」「赤色+赤外線センサ」を搭載。これらにより、自動でのアクティビティ検出、睡眠と体調の測定、心拍測定、血中酸素の割合計測を可能としている。

写真では出っ張りがあるように見えるが実際はわずかなもので、つけている間はまったく気にならなかった。

SOXAI RING 1 カラーバリエーション

写真●https://soxai.co.jp/

カラーは4色あり、左からピンクゴールド、シルバー、マットブラック、マットシルバー。私が試用したのはマットブラックだったが、鈍く反射する光が美しく、チタン素材を堪能できた。

「SOXAI」アプリの「QoLスコア」が“ちょうどいい”

トラッキングしたヘルスケアデータは、専用アプリ「SOXAI」で閲覧できるほか、Appleの「ヘルスケア」アプリと連係することも可能だ。

SOXAI

【開発】
SOXAI Inc.
【価格】
無料
SOXAIアプリキャプチャ01
SOXAIアプリキャプチャ02
SOXAIアプリキャプチャ03

「SOXAI」アプリでは、「睡眠」「体調」「運動」の評価を「スコア」として表示。また、それらを総合的に評価し、「QoL(Quality of Life)スコア」を算出する(日、週、月単位で閲覧可能)。

細かなデータを見るのが億劫な場合、これを見返すだけでなんとなく毎日を振り返れるのはありがたい。

SOXAIアプリキャプチャ04
SOXAIアプリキャプチャ05

課題を挙げるとすれば、「運動」の自動検出の正確さだろうか。検出したアクティビティが合っているかアプリ上で確認を促されるのだが、身に覚えのない「水泳」や「自転車」が何度か表示された。

また、SOXAI RING 1とアプリとの連係には少々時間がかかり、かなり近い距離に置かないと同期しない点には注意だ。

なお、「睡眠」では「睡眠時間」「睡眠時の呼吸」「安静時心拍数」「心拍変動」を、「体調」では「ストレスレベル」「心拍数」「心拍変動」「酸素レベル」「皮膚温度」を、「運動」では、「アクティビティレベル」「歩数」「カロリー」を閲覧できる。

Apple Watchと同時に睡眠トラッキングした結果

下のキャプチャは、SOXAI RING 1(図左)とApple Watch(図右)を装着して就寝したある日の睡眠トラッキング結果だ。

SOXAIアプリキャプチャ06
Appleヘルスケア

SOXAI RING 1のほうが「睡眠時間」を30分程度短く計測しているが、その理由はおそらく「入眠」の判断基準の差だろう。また、波形やそのほかの計測結果にも細かく違いが出た。特にApple Watchが示す「覚醒」が目立つが、この違いもおそらく各社の判断基準の違いに起因している。

SOXAIの場合、「覚醒」を「起きている状態を表します」としているが、Appleの「ヘルスケア」における「覚醒」は、「眠りにつくまでには時間がかかり、夜間、定期的に目が覚めています。この時間は、グラフ上で“覚醒”と表されています」とされている。

これらの判断基準の違いを考慮すれば、それぞれの結果が乖離しているとは言えないだろう。

ちなみに、今回はデータを比較するために「SOXAI」アプリと「ヘルスケア」の連係をオフにしている。

Apple Watchの代わりになる?

冒頭にも書いたが、前提として、SOXAI RING 1とApple Watchが持つ価値は異なるものだ。言うまでもなくApple Watchのほうができることが多く、Appleデバイスとの連係性能も高い

しかし、腕時計が好き、あるいは何らかの理由でApple Watchをつけられないが睡眠や運動をトラッキングしたいというユーザにとって、SOXAI RING 1は間違いのない選択肢だ。

指につけておくだけ、充電は週に1度だけ、計測結果も「QoL」を何となく眺めるだけ。もちろん、計測データを詳しくチェックし、徹底した健康管理に役立てることもできるが、私にとってはその手軽さがとても良かった。

製品貸与●SOXAI

著者プロフィール

関口大起

関口大起

『Mac Fan』副編集長。腕時計の卸売営業や電子コミック制作のお仕事を経て、雑誌編集の世界にやってきました。好きなApple Storeは丸の内。Xアカウント:@t_sekiguchi_

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