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イヤカフ型イヤフォン「HA-NP1T」レビュー。デザインも音質も満足感あり! “ながら聞き”で生活に溶け込むVictorブランドのニューアイテム

著者: 笠井美史乃

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イヤカフ型イヤフォン「HA-NP1T」レビュー。デザインも音質も満足感あり! “ながら聞き”で生活に溶け込むVictorブランドのニューアイテム

JVCケンウッドのVictorブランドより、耳をふさがない開放型ワイヤレスイヤフォン「HA-NP1T」が発売されました。軽い着け心地のイヤカフ型で、5色のカラバリを展開。アクセサリ感覚で身につけられるデザインが特徴です。その使い勝手や性能を試してみました。

上質なカラーと素材感の「HA-NP1T」。ボテッとしたイヤフォンのフィット感も良好でした

最近、イヤカフ型のイヤフォンを見かけることが多くなりました。2000〜3000円程度のチープなものものから、いかにも“ガジェット”な黒っぽいものまでさまざま。そんな中、HA-NP1Tはカラーも質感も上質で、いろいろなイヤフォンがある中でもパッと目に留まるような個性があります。

開封。Apple製品を思わせる、高品質な紙箱パッケージです。ロゴシールも入っていました。
試したのは「マルーン」カラー。スモーキーなメインカラーに、メタリックな光沢がアクセントになっています。
イヤフォン本体。ツヤ消し仕上げは品の良さだけでなく、指紋がつきにくい実用性も。

装着してみると、ぽってりした見た目のわりに軽く感じられます。存在を忘れるというほどではありませんが、負担はありません。音が出るほうのピースがわずかに可動する構造になっていて、程よいフィット感があります。走ったり、頭を振ったりしてもズレることはありません。

装着するとこんな感じ。使い始めたころは片手で耳たぶを押さえ、反対の手でイヤフォンを持ってつけていましたが、慣れると片手で装着可能に。

製品自体の重量だけでなく、耳を塞ぐ“閉塞感がない”という意味での軽さもあります。カナル型イヤフォンが苦手な方も、これなら負担が少ないのでは。また、個人的にカナル型はイヤピースの汚れが気になってしまうのですが、イヤカフ型なら清潔に使い続けられるのもうれしいポイントです。

iPhoneやMacとのペアリングは超簡単! 2台同時接続も可能です

装着したらペアリングです。iPhoneの「設定」アプリ→[Bluetooth]を開き、デバイス名が表示されたらタップするだけ。説明書不要の簡単さです。また次回以降は、ケースから取り出すだけで電源が入り、自動的に接続されます。

ペアリング。iPhoneのBluetooth設定画面でデバイスを選ぶだけで接続完了です。

うれしいのは、同時に2台のデバイスに接続が可能なこと。たとえばiPhoneとMacに接続しておけば、手動で接続を切り替える必要なく、両デバイスを行き来できます。iPhoneで音楽再生中、MacでApple TVの視聴を始めると自動的にMac側の音に切り替わる、といった具合です。

AirPodsのように、同じApple IDでサインインした全Apple製デバイスに接続することはできませんが、実際のところ2台も接続できれば、だいたいの用途はカバーできます。また、Apple製以外のデバイスをお使いの方にはむしろこちらのほうが便利かもしれません。

Victorブランドへの期待通り。いや、それ以上に満足感のある音質

音質については、かなり満足できるレベルと言っていいのではないでしょうか。使い始める前から、「Victorブランドだし悪いことはないだろう」と思っていましたが、騒音のない屋内に限ればAirPods Proと比べても遜色ないように感じられました。好き嫌いでいえば、むしろHA-NP1Tのほうが好きな感触といえます。

日常生活で人が聞いている音は、耳たぶで集められ耳穴を通って鼓膜に届きます。しかし、AirPods Proのようなカナル型イヤフォンは耳穴に音を直接注入する構造です。一方、HA-NP1Tからの音は耳たぶの反射も含めて耳穴に入るため、目の前で鳴っている音を耳で受けているような、自然な響きと迫力が感じられました。耳たぶも聴覚に関わる器官の一部であることが実感できます。

音響にこだわりのある人に言わせればいろいろなご指摘があるかもしれませんが、日常的に使うイヤフォンでこれくらい音楽を楽しめるなら、個人的には大満足です。

「HA-NP1T」の本領発揮は、屋内での“ながら聞き”やオンラインミーティング

HA-NP1Tの特徴がもっとも活きるのは、屋内での“ながら聞き”用途です。iPhoneやMacを音源に、何かを聞きながら家事や手元の作業をするのに最適です。

筆者は、よくiPhoneの「radiko」アプリでラジオを聴くのですが、デスクに置いたiPhoneのスピーカで再生しても、キッチンや洗面所にいるとほとんど聞こえません。かといって持ち歩くのは面倒だし、あまりボリュームを上げるのも避けたい(マンションの壁が薄いので)。それが、HA-NP1Tなら家のどこにいても、ちょうどよい音量で聴き続けることができます。

バッテリは1回の充電で最大8時間再生(スペック値)。大掃除しながら、溜まったPodcastの消化に勤しむのもよさそう。

開放型であることも“ながら聞き”に適しています。人間は情報の8割を視覚から得るといわれますが、鍋やフライパンの加熱状態、家電の動作音、水の流量など、音のフィードバックがないと微妙に判断が狂うことが意外に多いものです。周囲の音から得る情報も、生活には必要なのです。

また、オフィスやリモートワークでのオンラインミーティングにもおすすめです。動作時間が長いのでミーティングが多くても安心。iPhoneとMacの両方に接続しておけば、どちらにかかってきてもすぐに対応できます。マイク性能も良好で、Google Meetで試してみたところ、AirPods Proと比べても大きな違いは感じられませんでした。騒音の多い場所では指向性の高いマイクや、AirPods Proのようにノイズ低減性能を持つマイクが威力を発揮すると思いますが、そうでなければ問題ない品質で会話ができます。

「イヤカフ型のイヤフォンは屋外向きではない」と思いきや、意外と聞こえる!

あまり期待はせずに屋外で使用してみたところ、交通量の多い道路脇でも思っていたよりよく聞こえました。もちろんノイズキャンセリング機能のあるイヤフォンに比べればだいぶ聞こえにくいのですが、ながら聞きの音楽・ラジオなら許容範囲といえるでしょう。むしろ周辺の音が聞こえない状態で歩くのは危険なので、これくらいがいいのかもしれません。

Apple Watchに接続すれば、ダウンロードした音楽やポッドキャストを聴きながらランニングも。

ただ、さすがに駅や電車の中ではほとんど聞こえません。音量を上げれば音漏れも気になります。移動中の使用がメインなら、別のモデルを探した方がいいでしょう。

本体ボタンで再生操作が可能! アプリを使えばカスタムも

耳の裏側にあたるピースには小さなボタンがついており、音楽再生や通話時の操作が可能です。たとえば、下記のようなコマンドがあります。

  • 1回押しで再生/停止(左右どちらも)
  • 右耳のボタンを2回押すと曲をスキップ、3回押すとスキップバック
  • 左耳のボタンを2回押すと音量ダウン、3回押すと音量アップ

AirPodsとは違って「Hey Siri」は認識しませんが、左耳のボタンを4回押すとSiriが起動します。

耳裏のピースにあるボタンでさまざまな操作が行えます。ボタン横にある小さな突起は「左側」の目印。

これらの設定は、Victorのイヤフォン用アプリ「Victor Headphones」でカスタマイズすることが可能です。

Victor Headphones

【開発】
JVCKENWOOD Corporation
【価格】
無料
イヤフォン/ヘッドフォン設定用アプリ「Victor Headphones」。各種設定や操作ボタンのカスタマイズに対応します。

HA-NP1Tは、屋内でのながら聞きやオンラインミーティングに適した使い勝手と、満足感ある音質が特徴のイヤカフ型のイヤフォンでした。ガジェット的な堅さやプチプラ的なチープさがない上品な質感で、カラーが選べることもポイントです。

ビジネスシーン、生活シーンを問わず溶け込むという意味で、「ちょうどよい」イヤフォンといえるでしょう。これからの季節、プレゼント候補にも“ちょうどよい”のではないでしょうか。

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著者プロフィール

笠井美史乃

笠井美史乃

アプリ、サービス、マーケティングなど、IT・ビジネス分野で取材・執筆・編集を行う。マイナビニュースでは2013年開始の連載「iPhone 基本の『き』」をはじめ、iPhone・iPad・Apple WatchなどAppleデバイスのハウツーやレビューを担当。雑誌「Web Designing」「Mac Fan」、その他企業オウンドメディアなどで執筆中。

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