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「Bose SoundLink Home」先行レビュー! 人気スピーカの正統後継機が堂々登場。夏に発売したばかりの別モデル「SoundLink Max」との違いは?

著者: 山本敦

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「Bose SoundLink Home」先行レビュー! 人気スピーカの正統後継機が堂々登場。夏に発売したばかりの別モデル「SoundLink Max」との違いは?

2024年、アメリカを代表するオーディオメーカーのBOSEが創立60周年を迎えた。BOSEはその長い歴史の中で、名機と呼ばれるスピーカを数多く生んできたブランドだ。そして11月7日、60年の集大成となる超シンプルで高音質なBluetoothスピーカ「Bose SoundLink Home」を発売した。新製品のファーストインプレッションをレポートしよう。

BOSEの最新Bluetoothスピーカ「Bose SoundLink Home」。ミニマリスティックなデザインと機能性を実現している。

Bose SoundLink Home

【発売】
BOSE
【価格】
3万6300円

BOSEのSoundLinkシリーズといえば、2013年に同社が発売した「SoundLink Mini Bluetooth speaker」がもっともよく売れ、人気も獲得した。本機が生産を完了したあとも、BOSEは積極的にSoundLinkシリーズの新製品を発売してきたが、筆者は今回レポートするBose SoundLink Home(以降:SoundLink Home)が、今の音楽リスニングのトレンドに最適化したSoundLink Miniの正統な後継機だと考えている。

理由は2つある。ひとつはミニマリスティックなプロダクトデザインを継承していること。Macと並べたときのデザインマッチも見事にハマる。もうひとつは操作が極めてシンプルでわかりやすいことだ。昨今のワイヤレススピーカは、てんこ盛りにした機能をモバイルアプリで操作、設定を管理しなければならない製品が多い。一方、SoundLink Homeはモバイルアプリ不要で、すべての操作が本体のボタンだけで完結する。

本体天面に搭載されたボタンだけで、音楽再生やBluetoothペアリングなどの操作がすべて行える。

アルミ素材のソリッドなボディに見惚れる。スピーカグリルは“着せ替え”にも期待できそうだ

続いて、SoundLink Homeの特徴をデザインから掘り下げよう。本体のメイン素材は、アルマイト加工のアルミボディ。カラーバリエーションには、筆者が試用したライトシルバーのほかにブラック系のクールグレイがある。

そして、ダイナミック型のスピーカユニットを1基と、低音を増強するためのパッシブラジエータを内蔵する。また、本体の前後を覆う布製のスピーカグリル(カバー)は簡単に着脱交換が可能だ。発売後、“着せ替え”用のオプショングリルを商品化する計画もあるらしい。

フロントグリルを外した状態。着せ替えを楽しむためのオプションも検討されているようだ。

マイク搭載でマルチに活躍。音楽再生だけでなくビデオ会議にも。バッテリ内蔵だから持ち運びにもいい!

スピーカを操作・設定するためのボタンは、本体の天面に集約されている。電源とBluetoothのペアリングボタン、音量調整のほか、右端にある「ファンクションキー」を使って音楽の再生・一時停止やスキップの操作、またはペアリングしたスマホの音声アシスタントを呼び出すことが可能だ。

なお、SoundLink Homeはマイクも内蔵しているので、複数人数で参加するビデオ会議やハンズフリー通話用のマイク内蔵スピーカとしても利用できる。

SoundLink Homeは、本体にバッテリを内蔵するポータブルスピーカだ。フル充電すれば最大9時間のリスニングが楽しめるほか、USB-Cケーブルで充電しながら使うこともできる。質量は約875gと重量感はあるものの、本体の側面を覆うアルミフレーム下側のスリットが持ち手になるので、グリップ感は強い。タフなバッテリ性能もあり、安心して持ち運べるだろう。

片手でも軽快に持ち運べるサイズ感。
本体側面にUSB-Cコネクタを搭載。充電だけでなく、MacなどにUSBケーブルで接続すれば有線による音楽再生にも対応する。

SoundLink HomeをiPhone 16 Proにペアリングし、音楽を再生してみた。比較のため、BOSEが2024年7月に発売したBluetoothスピーカ「Bose SoundLink Max」を用意し、音のキャラクターの違いも確かめる。

なお、両方のスピーカはともにBluetoothオーディオのコーデックはAACとSBCをサポート。Mac、iPhone、iPadによる音楽再生は、ベストパフォーマンスが引き出せるだろう。

iPhone 16 Proにペアリングし、Apple Musicで配信されている楽曲を聴いた。

SoundLink Homeのサウンドには自然な透明感があり、とても心地よい。ボーカルの声の質感、ピアノの繊細なタッチ、バイオリンの弦が繊細に震える様子など音楽のディテールがよく見える。低音はむやみに迫力を追求するタイプではなく、鮮度が高くスピード感が豊か。活き活きとした躍動感あふれる低音だ。

SoundLink Maxとの大きな違いは、この低音再生にある。SoundLink Maxのどっしりとした貫禄のある重低音は、最新のダンスミュージックや洋楽ポップス系のサウンドによく合う。対するSoundLink Homeは、さまざまなタイプの音楽をスマートに聴かせてくれるオールラウンダー的なスピーカだと思う。デスクに立体的で広々としたライブステージを描き出してくれた。

右側は、重低音再生に特徴のあるBose SoundLink Max。

有線リスニングにも対応。ワンランク上のサウンドシステムの構築にいかが?

SoundLink Homeのペアリング設定は驚くほどに簡単だ。本体のBluetoothボタンを長押しするとペアリングモードに入るので、スマホやパソコンのBluetooth設定に再生デバイスとして表れるSoundLink Homeを選ぶだけ。

最近は、Bluetooth再生が楽しめるレコードプレーヤも増えている。スマホのようにディスプレイのないレコードプレーヤもSoundLink Homeとペアリングができるので、気軽にアナログレコード再生が楽しめるワイヤレススピーカとしてもおすすめだ。

Macとのデザインマッチングも優れている。

また、MacなどにUSB-Cケーブルで接続すれば有線リスニングも楽しめる。Apple Musicで配信されている音楽やミュージックビデオ、ポッドキャスト、YouTubeのコンテンツなどを、ワンランク上の音で聴くためのサウンドシステムとしても、SoundLink Homeは絶好のアイテムだ。

1点注意したいのは、防水・防滴仕様ではないところ。アウトドアレジャーにも気軽に持ち出せるワイヤレススピーカを探している人は、SoundLink Max、あるいはひとまわり小柄な「Bose SoundLink Flex」を選択肢にするといいだろう。

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著者プロフィール

山本敦

山本敦

オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。ITからオーディオ・ビジュアルまでスマート・エレクトロニクスの領域を多方面に幅広くカバーする。最先端の機器やサービスには自ら体当たりしながら触れて、魅力をわかりやすく伝えることがモットー。特にポータブルオーディオ製品には毎年300を超える新製品を試している。英語・仏語を活かし、海外のイベントにも年間多数取材。IT関連の商品企画・開発者へのインタビューもこなす。

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