最新スマホでも充電が遅い? 見落としがちな「ケーブル問題」
みなさんは、最新のスマートフォンを購入した際、充電環境まで見直しているでしょうか? 最近はACアダプタや充電ケーブルが付属しない製品も増えており、自分で用意する必要があります。
しかし、せっかくスマートフォンやタブレットが高速充電に対応していても、ケーブルやACアダプタが対応していなければ、本来の充電性能を発揮できません。特に、以前から使っている充電器やケーブルをそのまま流用している場合は注意が必要です。
そこで今回は、そんな充電環境を手軽に見直せるアイテムを、100円ショップのセリアで見つけてきました。今回購入したのは「超急速60W PD充電対応 Type-C充電ケーブル」です。

「急速充電」とはどのくらい速いのか?
USB-Cケーブルにはさまざまな種類がありますが、「急速充電」という言葉自体に明確な定義はありません。一般的には5W(5V/1A)程度が標準的な充電速度で、10〜15Wがやや高速、18〜45Wが急速充電、60W以上になるとノートパソコンの充電にも利用できるクラスとして扱われています。
今回購入したケーブルの対応出力は60W(20V/3A)。現在は240W対応製品なども登場していますが、60Wあればスマホの充電には十分過ぎるほどです。そこで気になるのは、たったの110円で購入したケーブルが、本当に60Wで充電できるのかという点。本記事ではこの部分もしっかり検証してきます。
ケーブルのコストに直結する「eMarker」とは?
USB-Cケーブルの仕様を定めるUSB-IF(USB Implementers Forum)の規格には、興味深いルールがあります。それは「3Aを超える電流に対応するケーブルには、電子的な識別情報を持つ『eMarker』の搭載が必須」というものです。
eMarkerには、対応する通信速度や最大電流などの情報が記録されており、USB PD(Power Delivery)による高出力充電や高速データ通信に利用されます。
一方で、最大3AまでのケーブルにはeMarkerの搭載義務がありません。つまり、60W対応ケーブルはeMarkerを省略できるため、部品コストを抑えやすいのです。110円という価格を実現できている理由の一つは、ここにあるのでしょう。
ちなみにUSB PDでは、接続されたケーブルにeMarkerが見つからない場合、そのケーブルは3A対応品として扱われます。そのため、100Wや240Wといった5A給電には利用できません。
量販店で買うなら100W以上のケーブルも選択肢
市販の60W対応USB-Cケーブルは、一般的に600〜1000円前後で販売されています。今回の製品より高価ですが、「柔らかい素材を採用」「断線しにくい構造」など、使い勝手や耐久性で差別化されているケースが多いようです。
Amazonで見つけた市販の60W対応USB-Cケーブル
一方、100W〜240W対応ケーブルになると、価格はおおむね1000〜2500円程度。価格差を考えると、家電量販店などで購入するのであれば、将来的な拡張性も考えて100W以上や240W対応品を選ぶのもよさそうです。
Amazonで見つけた100W以上のケーブル
本当に60W対応なのか? 専用チェッカーでケーブルを検証してみた
では、今回購入したセリアのケーブルは、本当に60W対応なのでしょうか? USB-Cケーブルの仕様を確認できる「USB Cable Checker3」を使って調査してみました。
検証の結果、このケーブルにはeMarkerは搭載されていないものの、最大60Wで利用できることが確認できました。

比較用として手持ちの100W対応ケーブルでも確認したところ、こちらにはeMarkerが搭載されており、100W対応であることが正しく認識されました。
「超急速60W PD充電対応 Type-C充電ケーブル」は充電専用のため、映像出力(DP Alt Mode)や高速データ通信には対応していません。しかし、充電用途に限れば、110円で購入できる60W対応USB-Cケーブルとして十分実用的だと感じました。
カラーは水色系と紫系の2色をラインナップ。また、1.2mモデルも販売されており、こちらはブラックとホワイトの2色から選べます。


最大60W対応のUSB-Cケーブルが110円で購入できるのは、かなり魅力的です。古いUSBケーブルを使い続けている人や、付属品のまま仕様がわからないケーブルを使っている人は、この機会に充電環境を見直してみてもよいかもしれません。










