人生は短い。だが、やりたいことは山のようにある。
現在ボクが携わっているプロジェクトは、92個である。Googleのスプレッドシートで管理しているから間違いない。
時間が足らない。毎日15時間は仕事をしている。そのほかは運動をしたり会食をしたりしている。今、夕飯の会食の約束をすると11月の第1週目である。とにかく時間が足らないのだ。
ライフネット生命創業者の出口治明さんから教わった言葉がある。
「いつもの仕事を1分短くして59分で終わらせる。そして明日はさらに1分短く58分で終わらせる。6分短くすると1割も得したことになる。同時に会社は10%利益が出たことになる」
常にそれを思い出して、仕事をしている。
実は、ボクはテクノロジーの力を借りて時短をしている。時間短縮を大幅に行っているのだ。Appleに出逢ってからそれは加速している。
それは90年頃だ。訳あって2浪人したボクは、大学1年生の頃、いろいろな偶然も重なって学生プランナーとなった。今もPRディレクターとして活躍中の犬飼貴俊さんら、先輩のプランナーたちが「Appleはすごい」などということを当時流行した『STUDIO VOICE』を読みながら述べていた。
当時NECの98ノートを使っていたボクは、「なんだろう? アップル」と思っていた。リンゴ?
数日後、オフィスに届いたのが、Macintosh Classicだった。起ち上げると「hello」と出迎えてくれた。この機能は、今でも欲しい。おしゃれな四角いマウスには、クリックボタンが1つしかなかった。
感動したが、モニタが小さく仕事で使うのにはちょっと無理があった(笑)。すぐにMacintosh llciが導入されたが、オフィスの人気者でボクはあまり触ることができなかった。そこでキヤノン販売から、飛び込みローンでllciを購入した。たしか200万円近い金額だった。
それからというもの、物を書くのが好きになった。EGWORD、QuarkXpressなどを駆使して文章や企画書を書きまくった。
楽しいから早く書けるようになったのだ。そのあと、PowerBook 5300シリーズまでは使っていたのだが、故障が多く残念ながら離脱。その後はSONYのVAIOを5台ほど使った。数年前にMacBook Airで復活。この原稿は、iPad Proで書いている。
さて話を戻そう。とにかくなんでも時間は短いほうが望ましい。電車の中でもタクシーの中でも原稿を書く。以前『会議に呼ばれる人、はずされる人』という本に書いたとおり、会議は1分でも短いほうが望ましい。
ボクは、すべての会議は1時間100万円だと思っている。1分1万6000円だ。だから、どんどん物事を考えていかないと損である。先日ランチをした弁護士の藤井総氏は、Chatworkを活用し徹底的に会議を減らしていてびっくりした。
原稿もスピードが命だ。今8冊の本を同時に作っているが、どれも速度が早い。1冊書くのに10時間ほどだ。ライターさんや編集者さんの力を借りてどんどん書くのだ。いや取材をしてもらって、それを1冊の本にしてもらっている。
現在49歳。あと残りの人生は30年ぐらいだろうか? とにかく時間がない。1分でも早くアウトプットをする。ケチなボクは、どんどん進む。

※この記事は『Mac Fan』2017年9月号に掲載されたものです。
著者プロフィール

野呂エイシロウ
放送作家、戦略的PRコンサルタント。毎日オールナイトニッポンを朝5時まで聴き、テレビの見過ぎで受験失敗し、人生いろいろあって放送作家に。「元気が出るテレビ」「鉄腕DASH」「NHK紅白歌合戦」「アンビリバボー」などを構成。テレビ番組も、CMやPRをヒットさせることも一緒。放送作家はヒットするためのコンサルタント業だ!と、戦略的PRコンサルタントに。偉そうなことを言った割には、『テレビで売り上げ100倍にする私の方法』(講談社)『プレスリリースはラブレター』(万来舎)が、ミリオンセラーにならず悩み中。