
漆田征史さん
総務部情報システムグループ

井坂信孝さん
総務部情報システムグループ
事業の成長期にMDMを導入する必要性
井坂さんがグリッドに入社した2019年ごろ、社員数は約50人の規模でしたが、その後組織は約150人まで急速に拡大します。すると、当然管理しなければならないMacの数も増えていきました。
「以前にもMDMを検討したことはあったのですが、やはり管理する業務端末が100台を超えてくると、もう手作業では管理しきれなくなると感じました。管理ツールの導入が必要になるのは、そのあたりではないでしょうか」(井坂さん)
さらに同社では働き方の多様化に対応するため、リモートワークやフレックスタイム制度を採用しており、遠方や海外で勤務する社員もいます。現在では年に数回しか直接会わないエンジニアもいるため、業務端末をオフィスへ持ち込んでもらうことを前提とした管理には限界があるのだそう。また、採用活動の活発化も情シス部門の負担を高めました。
「毎月何人か入社しますが、キッティングを毎回手作業でやっていたら、だんだん終わらなくなってきます。社員数の増加とリモートワークの両方を考えると、ツールに任せる必要がありました」(漆田さん)

こうした状況を受けて、グリッドでは2025年11月ごろからMDMとして「Jamf Pro」の導入を開始し、Macを一元管理する体制へと移行しました。MDM導入はセキュリティ強化などの側面もありますが、成長期の企業において、情報システム部門で増え続ける業務端末を維持するための現実的な選択でもあったわけです。
Apple BusinessとMDMを連係
現在グリッドでは、従業員に貸与するMacをAppleの法人向けオンラインストアから購入しています。法人契約の開始時にはD-U-N-Sナンバーの確認などの手続きが必要ですが、一度環境を整えると請求書払いなど法人向けの購入方法を利用できるようになります。
さらに、そこで購入したMacは、法人ポータルの「Apple Business(旧称:Apple Business Manager)」へ登録されて、MDMのJamf Proとも連係可能。これによって、Macを購入した段階から会社の管理対象として扱える仕組みが整いました。従業員に渡す際の初期設定も、Jamf Proによって一部が自動化されています。
「現時点では、すべてが完全に自動というわけではなく一定の手作業は残っています。ただ、指定したアプリケーションを自動で入れられるので、キッティングはかなり楽になりました」(漆田さん)
Intel MacとAppleシリコンMacの混在
MDMの導入でキッティングや運用管理の手間が大幅に軽減された一方で、長年Macを標準的に利用してきた企業ならではの課題も浮上してきました。まず、新規購入したMacと異なり、すでに社員が使っているMacは手動でJamf Proへ登録する必要があります。
そして、意外な問題となったのが一般的な企業で発生しがちなWindowsとの違いではなく、Intelチップ搭載MacとAppleシリコン搭載Macの違いでした。
「古いIntelチップ搭載Macも残っていて、MシリーズのMacもあります。Jamf Proを展開するときに、IntelチップかAppleシリコンかでインストール方法や細かな挙動が少し違いました。『このパターンもあるのか…』という感じで、対応が地味に大変でした」(漆田さん)
現在はJamf Proを端末暗号化や一定時間での画面ロックの適用などに利用しており、その他の運用についても今後段階的に整備していく計画です。100台以上のMacの「管理の先」を、漆田さんと井坂さんはどのように描いているのでしょうか。2人が目指す、Appleデバイスを中心としたIT環境の姿については、次週公開の記事にて解説します。

