ダイワボウ情報システム 特設サイトのトップへ Sponsored by ダイワボウ情報システム

Windows中心の会社でもMacは導入できる? 最初に確認したい6つの論点

2026.10.30 水川歩 約9分
Windows中心の会社でもMacは導入できる? 最初に確認したい6つの論点
Windows中心のIT環境を構築してきた企業にとって、Macの導入にはさまざまな疑問や懸念があるでしょう。既存の環境にMacを組み込むうえで、事前に確認しておきたい6つのポイントを整理します。

Windows中心の企業でもMacは導入できる?

Macは、Appleシリコンによる高い処理性能と電力効率、長時間のバッテリ駆動、iPhoneやiPadとの連係など、ビジネスに役立つ多くのメリットを備えています。しかし、Macを既存のIT環境に組み込むには、業務システムへの対応や認証基盤との連携、端末管理の方法など、確認すべき点も少なくありません。そこで、ここでは導入前に確認したいポイントを「業務環境」「互換性」「認証」「端末管理」「セキュリティ」「運用・サポート」の6つの観点から説明します。

①業務環境:既存の業務システムやアプリケーションに対応できるか

近年はWebブラウザを通じてOSを問わず利用できるクラウドサービスが普及し、WordやExcel、PowerPointなど、主要な業務アプリケーションにもMac版が用意されています。そのため、Windows中心の企業でも、Macを業務に取り入れやすい環境が整ってきています。

一方、販売管理や生産管理などの基幹システム、独自開発のシステム、Windows専用アプリケーションなどは、Macで利用できない場合があります。その場合は、VDI(仮想デスクトップ基盤)や仮想化ソフト「Parallels Desktop」などを活用する方法があります。あるいは、Macの導入を機にシステムの改修やクラウドサービスへの移行を進め、レガシーシステムからの脱却を図ることも選択肢の1つです。

ただし、Macの導入にあたって、すべてのシステムやアプリケーションを一度に変更する必要はありません。部署や職種ごとに利用するものを洗い出し、Macで業務を行えるか検証したうえで、対応できる従業員から段階的にMacを取り入れることもできます。

Macにはビジネスに役立つさまざまなアプリが標準搭載されているほか、主要な業務アプリケーションやクラウドサービスも利用できます。さらに、App Storeには200万種類近くのビジネス向けアプリがそろっており、必要に応じて追加できます。
【URL】https://www.apple.com/jp/business/mac-does-that/

②互換性:Macでもファイルや周辺機器を問題なく扱えるか

Windows PCとMacではOSが異なりますが、近年はファイル形式の標準化や周辺機器のMac対応が進み、以前に比べて互換性の問題は少なくなっています。

PDFや画像、動画などの一般的なファイル形式に加え、WordやExcel、PowerPointなどの文書ファイルも、基本的には両OSで互換性が保たれています。ただし、アプリケーションによってはWindows版とMac版で機能が異なり、ExcelのVBAマクロなどが正常に動作しない場合があります。また、フォントなどの違いによって文書のレイアウトが崩れることもあるため、業務で使用するファイルは事前の確認が必要です。

周辺機器についても、現在はプリンタやスキャナ、複合機などは両OSに対応するものが一般的ですが、古い機器やICカードリーダーなどの業務用機器では、macOS用のドライバや専用ソフトウェアが提供されていない場合があります。そのため、メーカーの対応情報を確認したり、事前にテストしたりして、必要に応じて機器の切り替えや代替手段を検討するとよいでしょう。

Mac版ExcelもVBAマクロに対応していますが、Windows固有の機能を利用するマクロなどは正常に動作しない場合があります。その場合は、マクロの修正やWindows環境の併用、別の仕組みへの移行などで対応する必要があります。

③認証:既存の認証基盤をMacでも利用できるか

Windows中心の企業では、Microsoft Entra IDやActive Directory(AD)などで、従業員のアカウントや認証を一元管理しているケースが多いでしょう。Macを導入する際には、こうした既存の認証基盤との連携が重要になります。

Microsoft Entra IDやOktaなどのクラウド型ID管理サービスを利用していれば、Macから業務アプリケーションにアクセスする際にも、既存のシングルサインオン(SSO)や多要素認証の仕組みを活用できます。また、オンプレミスのADを利用している場合も、クラウド型ID管理サービスとアカウントを連携させる方法や、macOSの「Kerberosシングルサインオン機能拡張」を利用して社内のファイルサーバーなどにSSOでアクセスする方法があります。

さらに、macOSの「プラットフォームSSO」やJamfの「Jamf Connect」などを利用すれば、Macのログインとクラウド型ID管理サービスを連携させることも可能です。これにより、従業員の利便性を高めながら、アカウント管理も効率化できます。ただし、対応するID管理サービスやMDMによる設定などが必要なため、既存の認証環境に応じた導入方法を検討するとよいでしょう。

MacはプラットフォームSSOなどを利用することで、既存のID管理サービスと連携した認証が可能です。
【URL】https://www.apple.com/jp/business/enterprise/

④端末管理:Windows PCとMacを一元管理できるか

MacもWindows PCと同様に、MDM(モバイルデバイス管理)を利用して端末の設定やアプリケーションの配布、OSの更新などを一元的に管理できます。Macに対応したMDMは数多く提供されており、たとえば、「Microsoft Intune」を利用している企業なら、既存の管理基盤をMacにも拡張できます。また、Appleデバイスに特化した「Jamf Pro」などを導入し、Macをきめ細かく管理する方法もあります。

さらに、Appleは企業向けに、デバイスやアプリケーションなどを管理するための管理者向けポータル「Apple Business」を提供しています。これをMDMと連携させれば、Macの初期設定を自動化するゼロタッチ導入も可能です。情報システム部門が端末を1台ずつ設定する手間を削減できるため、導入時の負担を軽減できます。

既存の管理環境やMacの導入台数、必要な管理機能などを踏まえ、自社に適したツールと運用方法を選ぶことが大切です。

Macに対応したMDMは数多く提供されています。既存の管理基盤を活用するほか、Appleデバイスに特化した製品を導入するなど、自社の環境に応じて選択できます。画面は、Appleデバイスに特化したMDMの一例であるJamfの「Jamf Pro」です。 
【URL】https://www.jamf.com/ja/products/jamf-pro/

⑤セキュリティ:Windows PCと同様のセキュリティ対策を実施できるか

Macは、AppleシリコンとmacOSが一体となったセキュリティ設計を特徴とし、強固な保護機能を備えています。ディスク暗号化の「FileVault」、不正なアプリの実行を防ぐ「Gatekeeper」、マルウェア対策の「XProtect」などが標準で搭載されており、OSの基本機能だけでもさまざまな脅威に備えられます。

企業で利用する場合は、こうした標準機能に加え、組織のセキュリティポリシーに沿った管理や対策が求められます。MDMを利用すれば、ディスク暗号化やセキュリティ設定、管理者権限の制限などを一元管理できます。また、対応する製品を導入することで、EDRによる脅威の検知・対応やDLPによる機密情報の持ち出し対策なども実施できます。

さらに、ID管理基盤と連携したアクセス制御や端末の状態監視によって、ゼロトラストを前提としたセキュリティ環境に組み込めるほか、端末の設定状況やログを収集して監査やコンプライアンス対応に役立てることも可能です。ただし、Windows PCとMacではセキュリティ機能や設定方法が異なるため、共通のセキュリティポリシーを維持しながら、OSごとに適切な設定や管理方法を整備することが重要です。

Appleが公開している「Appleプラットフォームのセキュリティ」では、AppleシリコンやmacOSに備わるセキュリティ機能について詳しく解説されています。Macのセキュリティの仕組みを理解するうえで参考になる資料です。
【URL】https://support.apple.com/ja-jp/guide/security/welcome/web

⑥運用・サポート:Macの導入によって運用負担は増えないか

Windows PCとMacでは設定や管理方法、トラブルへの対処方法などが異なるため、Macの導入にあたっては、情報システム部門が新たな知識を習得し、管理・サポート体制を整える必要があります。また、OSのアップデートやアプリケーションの導入時には両方の環境での検証が必要になるほか、Macを利用する従業員への操作説明や研修なども求められます。

特に導入初期はこうした対応によって負担が増えがちですが、導入後はMDMによる端末管理の自動化や運用ルールの整備によって、日常的な管理業務を効率化できます。また、Appleや販売代理店などの法人向けサポートを活用し、修理や技術的な問い合わせなどを外部に任せる方法もあります。MacのほうがWindows PCよりもサポートコストが低いという調査結果もあり、運用方法によって負担を抑えることも可能です。

もっとも、Windows PCとMacが混在する以上、一定の運用負担は避けられません。情報システム部門の負担だけで導入の是非を判断するのではなく、Macの活用によって期待できる業務効率や生産性の向上なども含め、導入効果と運用コストの両面から検討することが大切です。

WindowsとMacの共存を実現するために

ここまで見てきたように、Windows中心の企業でも、Macを導入して両方のOSを共存させることは十分に可能です。ただし、円滑な導入には、既存の仕組みをそのまま活用できる部分と、見直しが必要な部分を見極め、適切に対応していくことが欠かせません。実際にMacを利用する現場の意見も取り入れながら、導入の目的や業務上のニーズに合った形で、Windows PCとMacの共存環境を整えていきましょう。

PR
ダイワボウ情報システム
TAGS #Mac #MDM

無料会員登録

企業ITの判断材料を、もっと深く。

会員登録をすると、会員限定記事をお読みいただけます。
スタンダード会員では、導入事例のホワイトペーパーやウェビナーもご利用いただけます。