アクティビティモニタで確認
Macのメモリの使用状況を確認するには、macOSに標準搭載されているユーティリティソフト「アクティビティモニタ」を利用します。通常はランチパッドの[その他]フォルダにあります。これを起動すると、CPUやネットワークなど5つの項目が並び[メモリ]というタブがありますのでこれを表示します。
この[メモリ]タブには、ユーザが起動したソフト以外にも、たくさんの項目が表示されています。これらは「プロセス」と呼ばれ、macOSが使用するシステムソフトウェアのほか、ユーザインターフェイスを持たないさまざまなバックグラウンドプロセスも含まれています。
各プロセスが現在どの程度メモリを利用しているかはリアルタイムで容量が表示され、メモリ空き容量が少なくなって「メモリ圧縮」が動作しているときはその容量も表示されます。
搭載されている物理メモリや、ソフトウェアが使用したり確保しているメモリの合計、キャッシュやスワップの使用領域などの統計情報は画面下部に表示され、メモリのリソースの状態は[メモリプレッシャー]のグラフで確認できます。このグラフは通常は緑ですが、メモリ圧縮などの負荷が高まると黄色、メモリ不足でスワップを展開するようになると赤色に表示が変化します。
それでは、Macの使用状況に伴ってどのようにメモリが利用されていくのか詳しく見ていきましょう。
[Check 1]起動直後のメモリ状況を確認
すべてのソフトを終了させてから再起動した直後に、アクティビティモニタを起動してメモリの使用状況をチェックしてみましょう。これにより、macOSと常駐ソフトだけでどの程度メモリを消費しているかを確認できます。この時点で空きメモリがなくなっていれば、完全にメモリが足りていないといえます。通常8GB程度の物理メモリ容量があれば、その半分程度がすでに利用もしくは確保されていることがわかります。
また、ここで暴走しているプロセスや、インストールした覚えのないソフトを強制終了することができます。
(1)アクティビティモニタの[メモリ]タブを選択し、プロセスの一覧を使用している容量順に表示したところです。物理メモリ8GBのうち、3.32GBがすでに使用中なことがわかります。これがSafariやメールなどのソフトに使える容量となります。
(2)そのまましばらく放置したところ。ハードウェアとソフトウェアの処理の仲立ちをするカーネルタスクのメモリ使用量が先ほどよりも増えていることがわかります。ユーザが操作しなくても、さまざまな処理が背後で行われているからです。
(3)プロセスの詳細は選択した項目をダブルクリックすることで表示されます。物理メモリに実際に割り当てられている容量のほか、仮想メモリ空間のサイズなどが確認できます。
プロセスとは?
プロセスとはMacに限らずコンピュータのプログラムの最小実行単位のことで、ソフトは複数のプロセスで処理されています。たとえばFinderでファイルをコピーするとプロセスとして処理されますし、バックグラウンドで走るSpotlightの索引を更新するmdworkerというプロセスもあります。
[Check 2]通常の作業後のメモリ状況を確認
起動直後の状態では、物理メモリの容量に対して使用済みメモリの容量は少ないため、通常はメモリプレッシャーのグラフも低い状態でしょう。ここで、普段と同じようにソフトを起動してしばらく作業してみましょう。
そして動作が重いと感じた際に、改めてアクティビティモニタをチェックします。メモリプレッシャーが黄色や赤色になっていたら、「メモリ不足」の兆候です。ここで異常にメモリを消費しているプロセスがないか、あるいはソフトを起動しすぎていないかを確認します。
見慣れたアイコン付きの項目の多くがユーザが起動したソフトなので、これは自分の判断で終了できます。白いブロックのアイコンはプロセス系でシステムが利用しています。アイコンがない項目がデーモン系でやけにメモリやCPUの負荷が高いときは暴走しているかもしれません。終了してみるのもありです。
メモリ不足の原因がどのプロセスにあり、それが一時的なものなのか慢性的なものなのかを知ることで、より快適なMacの使い方を追求できるのもアクティビティモニタの大きな役割です。
●アクティビティモニタ
【デーモン系】
「launchd」や「backupd」など名称が「d」で終わるプロセスの多くは「デーモン(daemon)」と呼ばれるバックグラウンドプロセスです。なお、OSのコアであるkernel_taskは不可欠なプロセスなので終了できません。
【ソフト系】
Finderやユーザが現在起動しているソフトもプロセスとして表示されます。自動アップデート機能などソフトの動作をサポートする複数のプロセスが、常時起動していることもあります。
【プロセス系】
SpotlightやWi-Fiネットワーク、日本語入力システム、通知センターなど、システムが常時利用するプロセスも多数あります。
Safariのように、現在開いているウインドウごとにプロセスを走らせているソフトもあります。複数のタブを開いたりすると1ウインドウで数百MBから数GBメモリを消費することも珍しくありません。不必要なウインドウは閉じるなどしましょう。
ログイン項目の見直し
起動直後にアクティビティモニタをチェックすると、バックグラウンドで多くの常駐ソフトが動いていることに気づきます。もし、常駐ソフトの数が多すぎてメモリ使用量を圧迫しているような場合は、常駐ソフトを整理してみましょう。システム環境設定の[ユーザとグループ]パネルでは、[ログイン項目]でログイン時に自動的に開くソフトがあります。もし、不要なユーティリティなどが自動で起動する設定になっていたら項目を削除しておきましょう。メニューバーに常駐するソフトは、その設定画面でログイン時の自動起動をオフにします。
あまり使っていないソフトがログイン項目にあったら[−]をクリックして削除しましょう。