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Mac Fan メールマガジン

掲載日:

削除厳禁の大事なファイルを理解しよう!

削除厳禁の大事なファイルを理解しよう!

ユーザフォルダ

ファイル/フォルダの場所

/ユーザ/[ユーザ名]/配下

macOSは「ユーザ」としてログインすることで初めて利用できます。このとき、ユーザのデータを格納して置く場所が「/ユーザ/[ユーザ名]/」となり、その配下には馴染み深い「デスクトップ」や「書類」のほか、重要な設定ファイルが置かれる「ライブラリ」などがあります。

ユーザのための[ホーム]フォルダは重要です。

消したらどうなる?

「/ユーザ/」やその配下のフォルダを削除してしまうと、macOSにログインできなくなることも…。シングルユーザモードで復旧する方法もありますが、UNIXに精通している必要があります。

IDやパスワードを管理しているフォルダ

ファイル/フォルダの場所

/ユーザ/[ユーザ名]/Keychains/配下

ネットワークやWEBサイトなどのさまざまなIDとパスワードを管理している「キーチェーン」の情報が格納されているフォルダです。保存されたクレジットカード情報や、通信の盗聴や改ざん、プログラムの改ざんなどを防ぐ証明書も格納されています。

/ユーザ/[ユーザ名]/Keychains/以下のファイルを削除するなら、「キーチェーンアクセス」で確認しながら慎重に行いましょう。

消したらどうなる?

ID/パスワード情報が削除されるため、1から入力が必要になるほか、証明書を削除してしまった場合、もう一度同じ証明書を追加しないとmacOSやソフト、通信などが利用できなくなることも…。

メールソフトのメールファイル

ファイル/フォルダの場所

/ユーザ/[ユーザ名]/ライブラリ/Mail/配下

/ユーザ/[ユーザ名]/ライブラリ/

Mail Downloads/ 配下 など

標準の「メール」ソフトで使われているフォルダで、送受信したメールそのものが格納されています。サイズの大きな添付ファイルがある場合やメールの数によって、ストレージを圧迫することがあります。

メールファイルには、大容量の添付ファイルが溜まっていることもあります。

消したらどうなる?

すべてを削除した場合、「メール」ソフトからメールが削除されます。Finderなどから確認した場合、どれがどのメールのデータなのかがわからないため、「メール」上から整理するのがよいでしょう。

標準機能などの設定ファイル

ファイル/フォルダの場所

/ユーザ/[ユーザ名]/ライブラリ/

Preferences/

※その他、拡張子が「.plist」のファイル

plistファイル(プロパティリスト)は、macOSのさまざまな機能やサードパーティ製ソフトなどの設定を保存しているもので、その大きさは0バイトのものや、数メガバイトのものまであります。

「com.apple.iTunes.plist」を開発ツールで開くと、実にさまざまな設定が記載されていることがわかります。

消したらどうなる?

たとえば「com.apple.iTunes.plist」には、アカウント設定や認証情報など、iTunesの設定が入っているため、削除すると設定が初期化されます。ソフトや機能によって削除が問題となることも。

「写真」ソフトのファイル

ファイル/フォルダの場所

/ユーザ/[ユーザ名]/ピクチャ/写真ライブラリ.photoslibrary

「写真ライブラリ.photoslibrary」は、「写真」ソフトに保存されている写真や動画がすべて入っているパッケージファイルです。右クリックから「パッケージの内容を表示」を選ぶと、それぞれの写真などが確認できます。

右クリックで表示される「パッケージの内容を表示」で個々の写真や動画を確認できます。

消したらどうなる?

このファイルを削除してしまうと、「写真」ソフトに保存しているすべての写真や動画が削除されてしまいます。よほどのことがない限り、いらない写真は「写真」ソフトを使って削除しましょう。

システムフォント

ファイル/フォルダの場所

/システム/ライブラリ/Fonts/配下

macOSにはさまざまな場所にフォントが格納されています。中でも「/システム/ライブラリ/Fonts」以下にあるフォントはmacOSや多くのソフトが利用するフォントのため、非常に重要なものです。

簡体中文は使っていないから、と削除しようとしても警告が表示されて削除できません。コマンドラインなどで削除してしまうと、macOSが起動できなくなることも。

消したらどうなる?

通常Finderからは削除できず、また「Font Book」から削除しようとしても警告が表示されます。それでも強引に削除してしまうと、macOSが起動しなくなったり、システムが不安定になるなど致命的な影響があります。

不明なiOSバックアップデータ

ファイル/フォルダの場所

/ユーザ/[ユーザ名]/ライブラリ/Application Support/MobileSync/Backup/配下

iTunesにiPhoneなどのiOSデバイスを接続しバックアップを行うと、このフォルダにバックアップデータが保存されます。このためフォルダ全体の容量はギガバイト単位になりますから、ストレージの空き容量を増やすために削除したくなることも。

Finderからはバックアップが特定できません。iTunesを開き、メニューから「環境設定」→「デバイス」に進み、必要のないバックアップを削除しましょう。

消したらどうなる?

iOSデバイスのバックアップにはiPhoneやiPadの名称が付いておらず、どのデバイスのいつのバックアップか判断できません。Finderからむやみに削除すると必要なバックアップを削除したり、バックアップ履歴が壊れることも。

iTunesの曲やビデオのデータ

ファイル/フォルダの場所

/ユーザ/[ユーザ名]/ミュージック/iTunes Media/

/ユーザ/[ユーザ名]/ミュージック/iTunes/iTunes Library.itl

「iTunes Library.itl」はiTunes内の曲やプレイリストの情報が含まれています。また、「iTunes Media/」配下には、iTunesに登録してある曲やビデオの実ファイルが格納されています。

誤って「iTunes Library.itl」を削除してしまった場合は、「/ユーザ/[ユーザ名]/ミュージック/iTunes/Previous iTunes Libraries」に前のバージョンのitlがあるので、元の場所にコピーして「iTunes Library.itl」とリネームすると、復旧することもあります。

消したらどうなる?

「iTunes Library.itl」を削除すると、曲の情報やプレイリスト、再生回数などが削除されます。また、「iTunes Media/」配下の曲やビデオを削除すると、iTunesから見つけられなくなるため、曲の整理などはiTunesを使いましょう。

ストレージ直下にあるフォルダ

ファイル/フォルダの場所

/アプリケーション /システム /ユーザ

/ライブラリ など

ストレージ直下にあるフォルダはシステム上重要なもので、たとえば「ユーザ」には各ユーザのデータや設定が、「システム」はmacOSを動作させるファイル群が格納されているなど、そのすべてがmacOSの起動や動作に必要なものです。

macOSがインストールされているストレージ直下には重要なフォルダが並びます。ほかの場所でも「フォルダアイコンが特殊」なものは重要な働きをすることが多いため、取り扱いには注意しましょう。

消したらどうなる?

macOSが起動しなくなったり、ログインできないなど、復旧には再インストールやバックアップからの復元などを試みるほかありませんので、むやみに削除しようとしてはいけません。

不可視ファイル

ファイル/フォルダの場所

「.」で始まるファイルやフォルダ

macOSでは「.」で始まるファイルやフォルダは不可視(隠し)となり、標準ではFinderに表示されません。これらのファイルやフォルダは主にOSやソフトが利用するもので、ユーザが削除や変更をできないように工夫されているのです。

不可視ファイルを表示する設定にしてもmacOS Sierra以降ではFinderにフォルダ設定を保存する「.DS_Store」が表示されませんが、ターミナルからは確認できます。

消したらどうなる?

不可視ファイルやフォルダを削除してしまうと、それを利用している機能やソフトの動作に不具合が起きる可能性があります。Finderに隠しファイルを表示する方法もありますが、誤って削除しないよう、興味本位で行うのはやめましょう。