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デザイン事務所代表は「J-me」でリフレッシュ

著者: 美崎栄一郎

デザイン事務所代表は「J-me」でリフレッシュ

見せる人/大悟法淳一

株式会社ごぼうデザイン事務所 代表。2008年設立後、書籍・雑誌などのエディトリアルデザインを中心に、グッズや広告などの制作も。さまざまなジャンルに対応。【URL】http://gobo-design.com

大悟法淳一さんのiPhoneメイン画面にあるアプリ すずボイス/J-me/radiko.jp/LINE LIVE/ChatWork

 

ガンプラで息抜き

「好きを仕事にする」って本当に羨ましいことですが、その“好き”を極めることで、モノ作りの細部まで作者の魂が宿るんだと切に感じます。私自身、好きなiPhoneに関する本を書いたりしていますが、デザインを仕事にしている人で「この人は楽しんでいるなぁ」と尊敬している人がいます。それが、今回のゲストである株式会社ごぼうデザイン事務所の代表・大悟法(だいごぼう)淳一さんです。

大悟法さんの事務所を訪ねてみると、自作のプラモデルやフィギュア、趣味の本がいっぱい。テレビでしか見たことはないですが、「所ジョージさんの世田谷ベースもこんな感じなのかなぁ」と想像しつつ、楽しげな雰囲気の中でお話を伺いました。

まず気になったのが、事務所の至るところに飾られているガンダムのプラモデル(以下、ガンプラ)。ガンプラ制作は、大悟法さんの趣味の1つなのだとか。このガンダムのプロポーションを美しく魅せるために、パッと見ではわからないようにジョイント部分にプラ板を挟み、胴体などの高さを調整しているそうです。実に細かい作業ですが、これはあくまでも趣味。デザインの仕事でも細かい作業をするはずなのに、趣味の領域でも細かい作業をするのはなぜでしょう。聞いてみると、「プラモデル作りはクライアントの意向を反映せず、自分の世界だけで創り上げられるからです」とのこと。ガンプラ制作の細かい作業も、大悟法さんにとっては息抜きなのです。

また、大悟法さんから毎年送られてくるクリエイティブな年賀状も、私を魅了する要因の1つ。実は、私の書籍『悩めるリーダーの羅針盤』(早川書房)は、大悟法さんの年賀状のデザインを元に、本人に虹色の箔で星座をあしらった装丁に仕上げてもらいました。送られてくる年賀状のこだわりが楽しいので、つい「この人にお願いしたい!」とデザインを頼みたくなったのです。

また、雑誌『広報会議』(宣伝会議)も、表紙から中面のデザインまでごぼうデザイン事務所が手掛けていますが、この表紙がすごい。何がすごいかって、6カ月間の表紙がつながってデザインされているのです。このデザインを採用した理由については、「ドラゴンボールの背表紙に影響を受けた世代としてトライしたかった」とのこと(ドラゴンボールの単行本では背表紙が連続して1つの絵になっています)。これに気がついた人は楽しかっただろうなぁ。

アプリも“好き”だらけ

それでは、iPhoneを拝見してみましょう。まず、ファンの間で人気のアプリ「すずボイス」を発見。これは、タレント・広瀬すずさんがCMキャラクターを務めるレオパレス21の目覚ましアプリ(2017年9月27日で配信終了)。広瀬すずさんの肉声で、「ねぇ、起きてよ?!」とか「二度寝しちゃだめっ」と起こしてくれます。先日、大悟法さんがフェイスブックに、広瀬すずさんがCM出演している商品をたくさん買って撮影した写真をアップしていました。そのときは「もしかして大悟法さんの仕事なのか?」と思いましたが、実はこれも趣味の投稿。仕事でもプライベートでも、こだわり方が素晴らしいんですよねぇ。

また、事務所では無料ラジオサービス「ラジコ(radiko)」をMacBookにインストールし、ブルートゥーススピーカ経由でJ│WAVEを流しています。そこで、大悟法さんはJ│WAVEのネット会員サービス「ジェイミー(J-me)」アプリを愛用中。iPhone上で番組情報を見たり、番組にコメントを入れたりすることができます。「目で見てデザインする」という作業には、耳から情報が入ってくるラジオが最適かもしれませんね。

ほかにも、色を比較・参照できるアプリ「色の辞典」も入っていました。デザイン事務所ですから、紙の色見本はもちろんあると思いますが、iPhone上でサッと気軽にチェックできるのはとても便利そうです。

自分の“好き”を形にする。私も大悟法さんに負けず、引き続きこだわっていきたいと思います。

大悟法さんがデザインしている雑誌『広報会議』の表紙。100号を記念して、6カ月間に渡って表紙がつながるデザインを採用したそうです。まるでドラゴンボールの背表紙のようです。

J-me

【開発】J-WAVE

【価格】無料

【場所】App Store>ミュージック

事務所ではラジオ局「J-WAVE」を流して作業をしているという大悟法さん。「J-me」では、オンエアされている楽曲をリアルタイムで表示したり、J-me会員限定イベントやプレゼント情報をチェックできます。

色の辞典

【開発】rakudoor

【価格】120円

【場所】App Store>辞書/辞典/その他

デザインの重要な要素となる色を確認するためのアプリは、App Storeでも多くリリースされていますが、大悟法さんが使っているのは「色の辞典」。画像から自動的に色を抽出したり、色の名やRGB値などでカラーを検索できます。

見る人/美崎栄一郎

『iPhoneバカ』『iPadバカ』などの著者。札幌から福岡までアップルストア全店舗、ソフトバンク本社などでも講演したiPhone大好き人間。『超速片づけ仕事術』(かんき出版)、『快速エクセル』(インプレス)が2冊同時に発売されました。【URL】http://note272.net/