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Mission Control/言語と地域/セキュリティとプライバシー●macOS Sierra システム環境設定攻略ガイド

Mission Control/言語と地域/セキュリティとプライバシー●macOS Sierra システム環境設定攻略ガイド

[Mission Control]パネル

「Mission Control」パネルには、ウインドウの整理・閲覧と仮想デスクトップの管理を行うミッションコントロールの設定が集められています。フルスクリーンソフトの動作や、複数のウインドウの並べ方、そしてミッションコントロールを動作させるショートカットキーなどをカスタマイズできます。ちなみに、かつてはエクスポゼという名称でした。

 

(1)最新の使用状況に基づいて操作スペースを…[難易度★★]

メニュー名だけではこれはだいぶわかりにくい設定項目です。ミッションコントロールでは仮想的なデスクトップとして操作スペースを複数作れます。この設定をオンにすると、「最後に使った操作スペース」が「現在作業している操作スペース」の右側に自動で移動するようになります。この設定を切にすると、操作スペースの順番は常に固定されます。

デスクトップ1にiTunes、デスクトップ3にサファリがある状態で、デスクトップを1から3に切り替えます。

その後、デスクトップ1に戻ってみると、2と3が入れ替わり、自動的にサファリが隣に移ります。

 

(2)アプリケーションの切り替えで…[難易度★★]

ドックの操作やAppスイッチャー([コマンド]キー+[タブ]キーの操作)によってソフトを切り替えたときに、操作スペースを維持するのか、切り替えたソフトのウインドウが存在する操作スペースに移動するのかを選べます。ソフトごとに操作スペースを決めて作業している場合にはチェックを入れておくと、ソフトを切り替えるだけで瞬時に操作スペースを切り替えられるので便利でしょう。逆に、作業ごとにデスクトップを決めている人はオフにするべきです。

この設定をオンにしていると、[コマンド]キー+[タブ]キーでソフトを切り替えた場合に、操作スペースごと切り替わります。

 

(3)ウインドウをアプリケーションごとにグループ化[難易度★★]

ミッションコントロールでウインドウを探すとき、通常はすべてのウインドウから選ぶことになりますが、この設定をオンにしていると、ウインドウを一覧表示する際に、同じソフトのウインドウをひとまとめにグループ化してくれます。グループ化されたウインドウの内容が判別できないときは、ウインドウにマウスポインタを合わせて[スペース]キーを押すと拡大できます。

この設定がオフの場合は、すべてのウインドウが一覧でサムネイル表示されます。

グループ化をオンにしてミッションコントロールを使うと、開いている複数のウインドウがソフトごとにまとまります。

ウインドウにマウスポインタを重ねると水色の枠が表示されるので、この状態で[スペース]キーを押すと拡大表示できます。

たとえばあるソフトのウインドウが複数のデスクトップで開かれている場合、この設定がオンになっていても、それらのウインドウは別々のデスクトップで表示されます。

 

(4)ディスプレイごとに個別の操作スペース[難易度★★★]

このオプションは、マルチディスプレイを使っているときの動作を変更するものなので、シングルディスプレイ環境ではオン/オフしても変化はありません。デフォルトではオンになっており、各ディスプレイでメニューバーとドックが表示できるようになっています。オフにすると[ディスプレイ]パネルでメインディスプレイに設定したディスプレイでしかメニューバーとドックが使えなくなります。その代わり、複数のディスプレイをまたいでウインドウを配置できるようになり、ウインドウ配置の自由度は上がります。

このオプションを切にすると複数ディスプレイをまたがるように大きなウインドウを配置できるようになります。

 

[言語と地域]パネル

「言語と地域」パネルでは、言語環境を設定できます。OS標準の言語や暦の表記を設定したり、表示する言語の優先順位を決めたりすることができます。macOSは、標準で多数の言語をサポートするマルチランゲージなOSなので、このパネルで設定を変更すれば、たとえアメリカで買ったMacでも一瞬で日本語環境に切り替えて使えます。

 

(1)優先する言語[難易度★]

ここでは表示する言語の優先順位を設定できます。デフォルトでは[日本語]が1番上位にありますが、[英語]を最上位にして再ログインするとメニューバーなどの言語がすべて英語に変わります。使用しているソフトが英語に対応している場合、解説やダイアログもすべて英語で表示されます。

左下の[+]ボタンを押すと、上の欄に言語セットを追加できます。各言語はドラッグ&ドロップで並び替えることができ、上にある言語ほど優先して表示されます。言語セットを非表示にする場合、選択して左下の[-]ボタンを押すと非表示になります。

 

(2)リストでの表示順序[難易度★★]

この設定では、ファインダ上でファイルを名前順で並び替える際に、どの言語を優先して上位に配置するかを決めることができます。上で設定した言語セットに応じて、リストの選択肢も増えます。右図はイタリア語、ドイツ語を追加した状態の選択肢です。なお、日本語と日本語(部首順)で切り替えてみましたが、大きな違いは見られませんでした。

 

[セキュリティとプライバシー]パネル

[セキュリティとプライバシー]パネルでは、ユーザのパスワードに関わる設定や、インターネットファイアウォールの有効化、また位置情報をはじめとしたユーザの個人情報の取り扱いに関わる設定ができます。また、ダウンロードしたソフトウェアの実行許可の設定も行えます。

 

(1)画面がロックされているときにメッセージを表示[難易度★★]

[ロックのメッセージを設定]と書かれたボタンをクリックしてメッセージを入力すると、ログイン画面およびロック画面にそれが表示されるようになります。「離席中。緊急な用件はこちらに」などと書いたうえで、連絡先などを記載しておくのも便利です。

このように、ロック画面にメッセージを表示できます。

 

(2)自動ログインを使用不可にする[難易度★]

「自動ログイン」はMacの起動時に、決まったユーザアカウントで自動的にログインする機能ですが、この設定をオンにすると自動ログインが無効化され、Macの起動時にはログイン画面が表示されるようになります。

この設定をオンにした場合、起動時にユーザのパスワードを入力する必要があります。

[セキュリティ]パネル使用不可に[ユーザとグループ]パネルで自動ログインをオンにすると設定を上書きできます。

 

(3)Apple WatchでこのMacのロックを…[難易度★★]

この設定をオンにすると、アップルウォッチを身に着けているときにスリープ復帰後のMacへのパスワードの入力が不要になります。ただし、この設定はいくつかの条件をクリアしないと表示されません。まず、アップルウォッチもMacも同じアップルIDでサインインしている状態で、アップルIDの「2ファクタ認証」を有効にし、アップルウォッチにパスコードを設定します。するとこの項目が表示されます。

[FileVaultを入にする]ボタンをクリックすると、パスワードの設定を求めるダイアログが表示されます。

通常は[iCloudアカウントによるディスクのロック解除を許可]を選べばOKです。設定がすんだらMacを再起動すれば、バックグラウンドで暗号化が行われます。

 

(4)FileVaultを入にする[難易度★★]

ファイルボルト(FileVault)とは、内蔵ストレージをリアルタイムで暗号化する機能です。オンになっているとパスワードを入力しなければ内蔵ストレージへのアクセスができなくなります。暗号化の処理はリアルタイムで行われ、Macのパフォーマンスにもほとんど負荷をかけません。

[FileVaultを入にする]ボタンをクリックすると、パスワードの設定を求めるダイアログが表示されます。

通常は[iCloudアカウントによるディスクのロック解除を許可]を選べばOKです。設定がすんだらMacを再起動すれば、バックグラウンドで暗号化が行われます。

 

(5)ステルスモードを有効にする[難易度★★★]

[ファイアウォール]タブでファイアウォールを有効にすると、Macは指定した範囲の通信のみを行い、それ以外の通信をシャットアウトするようになります。これに加えて、[ファイアウォールオプション]で[ステルスモードを有効にする]にチェックを入れると、ネットワーク上でこのMacの存在を隠蔽できます。

ステルスモードが有効化されている状態で「ping」コマンドを入力した例です。ステルスモードがオンのときにはネットワークを探索するようなコマンドは無視するようになり、pingの返答を捉えられなくなっています。

 

(6)システム全体の環境設定にアクセスするときに…[難易度★]

[セキュリティとプライバシー]パネルや[ユーザとグループ]など、重要な設定に関わるパネルには左下に錠前のアイコンが表示され、普段はロックされています。このロックを解除すると[詳細]が表示され、細かな設定が行えます。[システム全体の環境設定にアクセスするときに管理者パスワードを要求]をオンにすると、錠前のアイコンでロックされる設定パネルが増えます。

この設定をオンにすると、[省エネルギー]、[起動ディスク]もロックされます。