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重要な情報も安全な「メモ」で管理しよう●macOS Sierra かんたん強化術

重要な情報も安全な「メモ」で管理しよう●macOS Sierra かんたん強化術

MacとiOSデバイスには標準で「メモ」が搭載されています。これまでは機能がとてもシンプルというイメージでしたが、バージョンアップを重ねるにつれて、フォルダ分けや各種メディアファイルへの対応、クラウドを活用した同期、さまざまな共有機能の追加によって、プライベートからビジネスまで利用できる高機能ツールへと発展を遂げました。

そしてmacOSシエラからは新たに個別のメモのロック機能、メモの共同編集、デフォルトのテキストサイズやタイトル・見出し設定などが強化されています。本格的な書類を共同作成するならページズなどのほうが適していますが、メモでもかなりのことが実現できますので打ち合わせやアイデア出しなどに活用してみましょう。

メモを複数人で共有して打ち合わせをする

新しくなったメモの目玉機能の1つが「共同制作」機能です。これはアイクラウドを介してほかのアップルユーザとメモを共有して同時に編集できるというものですが、Macはシエラ以上、iOSデバイスはiOS 10以上の環境が必要です。なお、共有メモはロックで保護できません。

使い方は簡単で、共有したいメモを選んで人をメールやメッセージで招待し、参加したらそのメモがリアルタイムに編集可能となります。ただし、編集履歴など高度な機能はないため、あくまで打ち合わせの記録など簡易的な用途に限って利用するのが現実的です。

(1)ツールバーの[人を追加]ボタンをクリックして、メモを共有する方法をメールやメッセージ、各種のSNSなどから選択します。近場の相手ならエアドロップも使えます。

(2)参加依頼のメールやメッセージを送付します。相手がアップルIDを所有しているのであれば共有したメモにアクセスできます。WEBブラウザから「iCloud.com」経由でも利用可能です。

(3)依頼した相手が参加すると共同でメモを編集できます。作業内容の伝達などさまざまなシーンで応用が効きます。メモを作成したオーナーであれば、共有の解除や削除もできます。

これで安心! メモをロックしてセキュリティを強化

標準「メモ」を利用しない理由として「パスワードで保護できない」ことを挙げる人は意外と多いものです。特にアイクラウドでiOSデバイスとメモを同期設定している場合は、うっかりメモの内容を見られてしまう危険性もあります。よく使うパスワードなどをメモしてあった場合は、大きなセキュリティホールにすらなりかねません。

macOSシエラとiOS 10のメモでは、個別のメモにパスワードが掛けられるようになったので、このような危険が軽減され、仕事でもプライベートでも安心してメモが取れるようになっています。

もちろんロックをかけたメモのままでもMacとiOSデバイス間で同期できますし、外出中のiPhoneなどでは指紋認証のタッチIDでロック解除もできるので人前でパスワードを入力する必要もなく、利便性が損なわれることもありません。

WEBサービスのログインパスワードや金融機関のパスワードなどはアイクラウドキーチェーンなどに保存しておくほうが安全ですが、ダイヤル式のロッカー番号など簡単なレベルのパスコードであればメモのロック機能でも十分に役立つでしょう。

(1)サイドバーからパスワードで保護したいメモを選択したら、ツールバーの[ロック]ボタンをクリックします。初回の場合はパスワードの設定画面となります。

(2)すでにパスワードを設定してある場合はパスワードを入力してOKをクリックします。もし忘れてしまった場合はメモの環境設定からパスワードリセットをしてください(アップルIDのパスワードが必要)。

(3)メモにロックアイコンが表示されます。鍵が開いた状態からロックをかけるには、[ロック]ボタンから[ロックされたメモをすべて閉じる]を選択します。

(4)ロックされたメモを表示するにはパスワードを入力します。パスワードを3回間違えるとヒントが表示されます。

(5)メモはiOSデバイスとも同期されますので、「メモ」アプリでも同様にロックがかかっています。iOSデバイスではロック解除にタッチIDを利用できるので、より先進的な操作が可能です。

メモのテキストサイズを大きくする

メモではフォントや見出しレベルなどの書式を設定できますが、初期設定でのテキストサイズは固定だったため、人によっては文字の大きさを毎回変更していた人もいるでしょう。

macOSシエラからは、メモの環境設定で新規メモのテキストサイズを5段階で設定できるようになりましたので、見やすいサイズですぐにメモが書き始められます。

メモの環境設定を表示し、[メモのテキストサイズ]のスライドを動かして調整します。すると、これ以降に作成する新規メモのテキストサイズが変更されます。

メモに見出しやタイトルを付ける

これまでのメモの仕様では、本文の書き出しの部分がタイトルとして扱われ、メモの途中から追加テキストとして表示されるスタイルでした。場合によってはテキストの書き出しでは何のテーマのメモなのかあとから見たときにわかりにくいという問題もありました。

macOSシエラからはこの仕様を変更できるようになり、新規メモの開始スタイルを本文の代わりに[タイトル]または[見出し]にすることができます。

すべてのメモにタイトルや見出しをつけるのは大変ですが、設定しておけばサイドバーからメモを探しやすくなります。