米倉れいあ
2005年2月8日生まれ、和歌山県出身。「第43回ホリプロタレントスカウトキャラバン」に合格し、ガールズユニット・821(ハニー)のメンバーに。ZIPの「ベラベラENGLISH」や夜ドラマ「コントが始まる」(ともに日本テレビ)など、幅広い分野で活動中。
長野県に本社を構える信州ハムでは、ハムやソーセージを製造する工場において、ファイルメーカー(FileMaker)で作ったオリジナルアプリを使っているそうです。食品工場で扱うアプリにはどのような特徴があるのでしょうか。アプリコンテスト「ファイルメーカー選手権」の審査員を務めるタレントの米倉れいあさんが、信州ハムサービスの北澤文雄さん、土屋光弘さん、信州ハムの織部航さんにインタビューしました。[URL]https://www.shinshuham.co.jp
左から、信州ハム株式会社生産管理部課長・織部航さん、株式会社信州ハムサービス代表取締役社長・北澤文雄さん、同社取締役経営事業本部長・土屋光弘さん。
工場内でiPad活用
米倉●信州ハムさんでは、どんな商品を作っているんですか?
北澤●代表的なものは「グリーンマーク」というブランドです。発色剤、着色料、保存料などを使わない無添加のハムやソーセージなんです。また、じっくりと長期間熟成を行って旨味を引き出した「爽やか信州軽井沢」というブランドもあります。ハムは7日以上、ベーコンは5日以上熟成させるなど、一般的なメーカーの商品よりも時間をかけてつくっています。
米倉●やっぱり長時間熟成させると美味しさにも違いが出てくるんですか?
北澤●食べ物には、新鮮なほうが美味しいものもあれば、熟成させたほうが美味しいものもあります。時間をかけて熟成するということはコストも上がってしまうのですが、その分深みのある美味しさが出るんですよ。
米倉●こだわりを持って作っていらっしゃるんですね。その製造工場は、どれくらいの規模なんですか?
北澤●メインは長野県上田市にある工場で、年間1万トンくらいの生産量です。季節によって増減はありますが、工場ではだいたい300人くらいのスタッフが勤務しています。
米倉●大きな工場なんですね! その工場の中で、iPadを使っていると聞きました。
土屋●はい。商品の生産工程で各ラインごとに1台のiPadがあって、スタッフが生産量などを入力しています。工場全体で約70台のiPadが使われていて、すべての情報がサーバに記録され、リアルタイムで工場全体の生産管理が可能です。
米倉●そのシステムをファイルメーカーで作っているんですね。そもそも、どうしてファイルメーカーを選んだのですか?
土屋●もともと私が古くからのファイルメーカーユーザでした。しばらく触れていない時期があったのですが、あるとき、最新のファイルメーカーでモバイルデバイス向けのアプリが作れることを知って、業務に活かせるのではないかと考えました。
米倉●実際にファイルメーカーを導入してみて、どんなメリットがあったのでしょうか。
土屋●導入以前は、現場のスタッフが生産状況を紙に書いて記録していました。記入後にその紙を集めて、入力担当者がコンピュータに入力して…。このやり方だと、手間も二重にかかるし、集計まで時間がかかってしまう。そこにファイルメーカーを導入したことで、すべての状況がリアルタイムで把握できるようになりました。
米倉●従業員の皆さんの手間が大きく減りますね。
土屋●外部のシステム開発会社に開発を発注する案もあったのですが、内製化によって大幅にコストを削減することができたのもメリットだといえます。
2人だけでアプリを開発
米倉●アプリは土屋さんと織部さんのお2人で開発しているんですよね。
土屋●主に私が目に見える部分、いわゆるUI(ユーザインターフェイス)を開発して、裏側のシステム部分を織部が担当しています。
米倉●UIの開発で工夫していることはありますか?
土屋●工場でアプリを操作するスタッフの中には、コンピュータやタブレットに慣れていない年配の人もいます。そこで、誰が見てもわかりやすいものを目指しました。たとえば、欲張って1画面に詰め込みすぎない、ボタンを大きくする、といったことを意識しています。
米倉●システム開発を担当している織部さんも、ファイルメーカーの経験があったのですか?
織部●プログラミング言語の経験はありましたが、ファイルメーカーははじめてでした。
米倉●プログラム経験者から見て、ファイルメーカーはどんな魅力があるのでしょうか?
織部●一般的なプログラミングはとにかく手入力で、関数名なども調べながら入力していく必要があるのですが、ファイルメーカーなら一覧から選んでいくことができます。そのわかりやすさが効率的な開発につながると感じました。また、通常の業務システムだと、修正を行うにはいったん稼働を止める必要がありますが、ファイルメーカーなら稼働しながらすぐに直すことも不可能ではありません。改良のサイクルを素早く回せるのはファイルメーカーならではのメリットだと思います。
米倉●最後に、ファイルメーカーを導入することでお客さんにも何かメリットがあるのでしょうか。
土屋●「トレーサビリティ」という言葉がありますが、もし何か商品にトラブルがあったとしても、いつ、どの工程で問題が起きたのかを迅速に追跡することができます。同じロットの商品が今どこに出回っているのかもすぐにわかるようになるのです。
米倉●なるほど。回り回って、買った人の安心・安全が守られるということなんですね。
信州ハムの代表的商品といえば「グリーンマーク」。そのほか「つるし燻りベーコン」や「信州白樺サラミ」など、ユニークな商品もたくさん。長野県外のスーパーなどでも購入することができます。
信州ハムの上田工場では、生産の各工程にiPadが配置されています。計量などが終わるたびにiPadでデータを入力、データはWi-Fiを通じてサーバにリアルタイムで記録されます。
生産管理アプリのトップ画面。ボタンが大きいため現場でも押しやすく、またわかりやすいシンプルなレイアウトになっています。
工場の生産管理のほか、さまざまなアプリを社内開発。たとえばギフト用の商品の発送システムなど、13種類以上のFileMakerアプリが運用中だそうです。
ウインナー作りも体験できる!信州ハム軽井沢工房
軽井沢にある信州ハムの工房では、ドイツで食肉加工マイスターに認定された3人の職人が在籍。ここでしか買えない特別なハム・ソーセージが買えるほか、ウインナーの「手づくり体験工房」も開催しています。詳しくはホームページをチェックしてみましょう。
信州ハム軽井沢工房
長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢東236
TEL:0267-41-1186[URL]https://www.shinshuham.co.jp/atelier
企画協力●FileMaker選手権2021事務局
※新型コロナウイルス感染対策を徹底し、取材を行いました。なお、撮影時のみ、身体的距離を保ったうえでマスクを外しています。