いざ望遠鏡を覗いても、どこに星があるのかわからない!
「天体観測に興味はあるけれど、夜空を見上げてもどれがなんの星なのかわからず、挫折してしまった…。」はたまた、「星を見たいけれど、外の明かりのせいで、星がほとんど見えない」そんな経験がある方もいるでしょう。
そんな悩みを解決してくれる望遠鏡があるんです。その名も、「SeeStar-S50」。この天体望遠鏡は、iPhoneやiPad、Macと接続することでデバイスの画面に星空を映し出し、そのまま写真や動画として保存できる優れもの。さらに、観測したい星を選ぶだけで、自動的に望遠鏡がその星を探し出し、正確に捕捉してくれるんです。
SeeStar-S50
製品を試す機会をいただいたので、レビューをしていこうと思います。
面倒な設定や組み立ては不要! すぐに星が見れるのがウリ
まず製品を手にして驚いたのが、「こんなにコンパクトなんだ!」ということ。天体望遠鏡というと、肩に担いで、重たくて…というイメージがあったので、両手に収まるサイズ感にまず感動しました。
星を見るまでの設定もシンプルです。本体の電源を入れ、専用アプリ「Seestar」を起動し、見たい天体を選ぶだけ。すると、望遠鏡のアーム部分が回転し、自動的にその星を探し正確に捕捉してくれます。天体の知識がなくても手軽に観測を楽しむことができるのは、初心者にはうれしいポイントですよね。
暗闇に包まれた夜空に、こんなにも多くの星が輝いていたなんて!
「SeeStar-S50」で実際に観測・撮影してみて、まず驚いたのは、太陽の黒点や月面のクレーターの細部までくっきりと捉えられたこと。肉眼では見えない微細な凹凸が鮮明に映し出され、まるで自分が月に近づいたかのような感覚を味わえました。
そして今が見頃の「亜鈴状星雲」も、眩しい光を放ちながらしっかりとその姿を写真に収めることができ、美しいガスの広がりまでが鮮明に撮影されて、星空の壮大さを実感できる仕上がりになりました。これらの天体の観測・撮影は、まさに手軽に宇宙の神秘に触れる体験そのものでした。
中でも感動したのは、アンドロメダ星雲やペガスス座の球状星団、そしてペルセウス座の二重星団です。アンドロメダ星雲はその広がりがとても美しく、ぼんやりとした光の中に無数の星々が集まっている様子がはっきりと捉えられました。ペガスス大球状星団は、まるで宝石を散りばめたような星の密集が見事で、星の一つひとつが鮮明に輝いています。
そして二重星団は、その2つの星団が互いに並んで輝く様子がとても印象的で、双眼鏡では見られないようなディテールが望遠鏡を通してはっきりと確認できました。
これらの観測は、なんと東京都23区都某所7階建てのビルの屋上で行いました。肉眼で夜空を見上げると、街の明かりにかき消され、月と一番星が見えるのがやっとです。そんな場所で、これほど星が見えることに驚きました。
画像処理や天文辞典も、このアプリ1つにお任せあれ!
専用アプリ「Seestar」を使えば、観測した天体の画像処理が簡単にできるのも大きな魅力です。明るさやコントラストを調整したり、より鮮明に仕上げたりすることで、プロ顔負けの写真が手軽に作成できます。
また、アプリ内には各天体に関する辞典機能があり、観測中に気になる星や星雲の詳細をすぐに調べることができるので、知識を深めながら天体観測を楽しめます。
そして、英語ではありますが、今の時期にどの星が見ごろか教えてくれる機能も便利です。たとえば、観測したい星がすぐに思い浮かばないときでも、アプリがその時期のおすすめの天体を提案してくれるので、迷うことなく観測を始められます。ちなみに、このアプリを通じて、同じ天体望遠鏡を使っているほかのユーザが撮影した天体写真を見ることができる点も面白いところ。ほかの人の撮影結果を参考にしたり、自分の観測と比較したりすることで、より深く星空を楽しむことができるでしょう。
ちなみに、こちらのサイトでは、SeeStarで撮影したかんむり座の天体写真を送ることで、自分の観測データが天文学に貢献される可能性があるそうです。もし興味のある方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょう?
今まで難しい印象があった天体観測も、この望遠鏡を使えば、誰でも手軽に星空に触れることができます。次の星空の夜、ぜひこの望遠鏡を手に取り、宇宙の美しさに触れてみてはいかがでしょうか。
著者プロフィール
中臺さや香
Mac Fan編集部所属。英日翻訳職を経て、編集部へジョインしました。趣味はピアノを弾くこと、読書、最新のガジェットを触ること。月に一度、Appleに関する最新情報を生配信で解説している「Mac Fan News」も見にきてください!