
漆田征史さん
総務部情報システムグループ

井坂信孝さん
総務部情報システムグループ
創業時から「基本はMac」
グリッドのMac活用は、「ある時期に全社でWindowsからMacへ切り替えた」という明確な転換点があるわけではありません。Mac中心の環境は、2009年の創業時から徐々に形成されていったものでした。
同社の創業者で代表取締役社長の曽我部 完さんは、学生時代からMacを使っており、自ら会社を立ち上げる際には、起動の速さや操作性にメリットを感じていたMacを中心にした環境を選んだといいます。
つまり、グリッドにとってMacは、あとから導入された特殊な業務端末ではありません。会社が成長していく過程で、自然に標準的な業務環境として定着していったのです。
現在の機種選定の方針について、情報システム担当の井坂さんは、「エンジニアは基本的にMacです。エンジニア以外も原則はMacで、どうしてもWindowsが必要な場合にのみWindowsを使っています」と説明します。
たとえば、取引先の銀行システムなど、Windowsでなければ利用できない業務環境がある場合にはWindowsを用意しますが、現在はそうしたケースも減りつつあるといいます。従業員が自由にどちらかを選ぶというより、「Macを基本とし、業務上の理由がある場合にはWindows」という考え方が基本となっています。

開発者はUnix系の環境が使いやすい
グリッドでMacを原則としている理由は、創業者の経験だけではありません。AIや数理最適化に携わるエンジニアが多い企業であることも大きく関係しており、井坂さんが特に挙げるのが開発環境との親和性です。
「macOSはUnixを基盤としており、ターミナルからUnix系の開発環境に近い操作ができます。Linuxなどを使ったサーバ環境との距離も近く、開発用のツールや、それらに関する情報も豊富です」(井坂さん)
Windowsにも現在はWSL(Windows Subsystem for Linux)などの仕組みがありますが、グリッドでは以前からMacを開発端末として利用してきました。エンジニアにとって、使い慣れた開発環境をそのまま利用できることは重要な条件です。
「Macの開発環境もいろいろなツールが整っていますし、使い方について検索すれば情報もたくさん見つかります。そうしたところがエンジニアに支持される理由のひとつではないでしょうか」(井坂さん)

「全員Mac」にこだわらない
一方で興味深いのは、Macを標準としながらも、それを絶対的なルールにはしていないことです。同じく情シス担当の漆田さんによれば、入社者の中には、それまで長期間Windows端末だけを使ってきた人もいるのだそう。その場合、入社を機にMacに慣れる人がいる一方で、業務上必要であればWindowsの利用も認めています。
「窮屈に感じながら仕事をするくらいなら、Windowsを使ってもらっていいと個人的には思っています」(漆田さん)
端末環境を統一すれば情報システム部門の管理は単純になり、日常業務の負担は軽くなります。しかし、そのために利用者の業務効率が下がってしまっては意味がありません。
グリッドは、Macが常に優れていると考えているわけではありません。自社の開発環境や人材構成、従業員それぞれの業務内容を踏まえた結果としてMacを標準にし、必要な例外を認めているといえるでしょう。
しかし、事業の発展とともに従業員数が増え、Macが100台規模へ達した頃から新たに端末管理の問題が顕在化します。それは、それまで個別にセットアップしていたMacを、誰が、どのように管理するのかという問題です。
そこでグリッドでは、2025年に長年続けてきたMacの運用方法を大きく見直すことになります。その詳細は、次週公開の記事にて解説します。

