教育現場にAIが参入
AI(人工知能)の急速な発展により、さまざまな産業で大きな変革が起きているが、日本の教育は20世紀から変わっていない。そこで、東大発のベンチャーが提供するのが、AIによる新学習システム「アタマプラス(atama+)」だ。
アタマプラスでは、生徒一人ひとりの得意分野や苦手分野、目標、過去の学習内容などをAIが分析し、オーダーメイドのカリキュラムを自動作成する。カリキュラムは、生徒の伸び、つまずき、集中状態、忘却度などの学習状況に応じて、常にアップデートされる。従来の画一的な学習ではなく、効率的な超個別指導学習によって、生徒の学びを助ける仕組みだ。
さらに、学習データはリアルタイムにコーチ(人間)に共有されるため、より的確な学習サポートが可能。たとえば、生徒のつまずいている様子や、集中力が切れている場面をAIがキャッチアップ。コーチのデバイスに通知が届くため、コーチは適切なタイミングで生徒に声かけができる。
アタマプラスは2017年7月のサービス開始以降、大手学習塾など100教室以上で採用され、短時間で生徒の成績が上昇するなど結果がすでに現れているという。しかし、アタマプラスが目指すのは、単なる学習成績向上ではない。AIで学習を効率化し、基礎学力の習得時間を半減させることで、現在の学習要領では時間を割けていない「社会での生きる力」を養う時間を確保することが目的にある。アタマプラスの教育変革が進めば、グローバルで活躍する若い日本人がもっと増えていくだろう。