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『THINK WILD』書評

著者: 徳本昌大

『THINK WILD』書評

夢を全力で伝えれば成功は手にできる

起業で成功するための3つの秘訣

多くの人は自分を普通の人だと思い込み、ビジネスアイデアが浮かんでもそれを行動に起こそうとしません。勇気が少し足りずに、恐怖心に負けてしまうことで、成功を自ら遠ざけてしまうのです。

そんなヤワな起業家を支援し、次々成果を上げているのが、本書の著者のリンダ・ロッテンバーグです。シリコンバレー以外にも起業家はいると信じたリンダは、1997年に起業家がアイデアを具現化するためのサポートを開始します。彼女は非営利ベンチャーキャピタルのエンデバーを立ち上げ、ハイ・インパクト・アントレプレナーたちが最初の一歩を踏み出し、成長するための金銭支援やアドバイスを行いました。

トーマス・フリードマンは彼女のことを人類初のメンターキャピタリストとネーミングしその功績を讃えています。資金だけでなく、メンターになることで多くの起業家の卵たちを育ててきたのです。私も起業家のサポートをしていますが、資金提供以上に行動する力を養うことが大事だと考えています。このメッセージを読んで、自分のやり方が間違っていなかったと確信できました。

本書には不確実な時代を生き抜くための処方箋がいくつも書かれているので、ページをめくるたびにヒントをもらえます。「スタートアップを立ち上げる段階で重要なのは、事業計画ではなく、あなた自身の態度や考え方なのだ」という言葉が特に刺さりました。装飾された事業計画書よりも人を引き寄せる力や行動力、レジリエンスのほうがはるかに価値があることがわかります。そのためにエンデバーは、精神的な支援を続けたのです。

夢を叶えるための秘訣は3つあるとリンダは言います。世界を虹色の眼鏡で見る、すべてをシェアできる仲間を作る、愛すための人の時間を取る、です。

アイデアを考える以前に、世の中を見る視点を変えることで、自分が何をすべきかがわかります。当然、アイデアを具現化するためには困難がつきものですから、途中で絶対に諦めないことです。多様なメンバーたちをチームに引き込むことで問題を解決できるようになり、成果が上がるのです。一人の力には限界があるのですから、社員だけでなく、顧客も味方にすべきです。人間は24時間働き続けるのは不可能ですし、家庭を顧みないと心が荒廃します。人生を楽しんだり、他人の痛みがわからない人には、強力なチームは作れません。夢を見ることができ、なおかつそれを周りに伝えられる人が真のアントレプレナーです。自分のイメージしたものを全力で形にしようとするとエネルギーが周りに伝わり、多くの人に応援してもらえるようになります。その結果、成功を手にできるのです。

THINK WILD

あなたの成功を阻むすべての難問を解決する

リンダ・ロッテンバーグ著

ダイヤモンド社/1800円

2017年5月刊

徳本昌大

iPhoneやソーシャルメディアのビジネス活用を絶えず考える読書ブロガー。複数の広告会社勤務後、コミュニケーションコンサルタントとして独立。現在は、株式会社Ewil Japan、株式会社ビズライト・テクノロジー、GYAKUSAN株式会社の取締役としても活動中。【URL】http://tokumoto.jp/