書きやすい、打ちやすい
iPadプロを使いこなすうえで欠かせないアクセサリも有用性が増した。アップルペンシルは、それ自体は何も変わっていないが、プロモーションの効果で描画遅延が従来の半分の20msに短縮された。ペンを素早く動かしても、ペン先に線がぴたりと追従してくる。逆にゆっくりと斜めにペンを動かしても線がゆらゆらと曲がることなく、真っ直ぐな線が描かれる。
描画遅延がいくら短くなっても紙の手書きにはかなわないという声がある。たしかに描画遅延がゼロになることはない。だが、レティナディスプレイの微細なピクセルが眼のドットを感じる域を超えたように、アップルペンシルもデジタルペンの手書きに脳が違和感を覚える遅延を超えた感がある。
アップルペンシルは、ペン先が指先と同じ扱いになるので操作デバイスとしても使える。画面の広いiPadだと操作のための手の動きが大きくなるが、長いアップルペンシルを使うと少しの動きで画面全体をカバー可能だ。長い文章でもアップルペンシルを使うと素早くスクロールでき、新iPadプロのディスプレイだと、スクロールしながらでも書かれている内容を把握できる。
文字入力をよく行う人は、スマートキーボードの使い勝手が気になるだろう。カバータイプで極薄のキーボードでも、しっかりとしたクリック感があり、またキーが浅めのすり鉢状になっていて、正確にタイプできる。手触りも良く、水をこぼしても大丈夫な安心感もうれしい。第一世代向けとの大きな違いは、12.9インチ用だけではなく、10.5インチ用もフルサイズになったこと。9.7インチ用はキーピッチが17ミリで窮屈だったが、10.5インチ用はキーピッチが18ミリ強。フルサイズと呼ぶにはぎりぎりで多少の慣れが必要だが、一般的なキーボードを打つ感覚のまま打鍵できる。
「持ち歩きに困る」を解消
Apple Pencilは持ち歩きに困るというユーザの声に応えてペンを収納できるケースやレザースリーブが登場したが、10.5インチモデルならスマートキーボードのマグネット部分にペンをくっつけられる裏技も。
自然にタイプできる
10.5インチ用のSmart KeyboardとMagic Keyboard。並べて比べると10.5インチ用はコンパクトだが、見た目から想像するよりも自然にタイプできるので、外観だけで判断せずに試してみるのをオススメする。
毎日使うなら急速充電
毎日のように行う充電に関しては付属の12Wアダプタでは4時間近くかかるが、10.5インチもライトニング・ポートの仕様が12.9インチと同じUSB 3.0になり、どちらも急速充電が可能となった。別売りの「29W USB-C電源アダプタ」を使うと約2時間半で完了する。毎日使うユーザには効果のあるアクセサリである。またUSB 3.0なので、「Lightnig-USB 3カメラアダプタ」などで高速なデータ転送を利用できる。
レザースリーブは、iPadプロ本体のみを収納するだけでなく、スマートカバーやスマートキーボードを装着した状態でも使える。iPadプロ本体を保護するケースとして、または旅行時などスマートキーボードとアップルペンシルのフル装備をひとまとめにするなど、さまざまな利用スタイルに柔軟に対応する。ただし、iPadプロ本体のみだとホールド感が甘く、キーボードカバー付きだと中から取り出しにくい。
また、iPadプロはそのまま平らに置いて安定するとはいえ、カメラが出っ張っているので保護したくなる。そういうときにレザースリーブは下敷きとして使用できる。
電源アダプタで急速充電
左がiPad Proに付属する12Wアダプタ、29W USB-C電源アダプタ(右:税別5200円)とUSB-C – Lightningケーブル(税別2800円から)を用意すると急速充電を利用できる。