第23回 賢い眠りを身につけて“バージョンの低い”自分とはおさらば!
睡眠が及ぼす影響は思いのほか大きい
「何かをやり遂げる」という名のもとに睡眠を犠牲にする人は多いが、「作業をすること」と実際に効果をあげることでは大きく違う。この違いはしっかりと覚えておく必要がある。(ショーン・スティーブンソン)
睡眠の重要性が話題になっていますが、なかなか私たちは良質な睡眠がとれていません。睡眠が大事だと口では言いながら、眠れない日々を過ごしています。多くの現代人は仕事に疲れ、パフォーマンスを自ら落としているようです。
仕事やプライベートのスケジュールを詰め込むことが、自分をダメにします。タスクを整理したり、自分の時間を上手にコントロールしない限り、最高の自分を引き出すことはできないでしょう。“バージョンの低い”自分をプレゼンしていては、成功は遠ざかります。それを避けるために、今すぐ睡眠の質を高める努力を始めましょう。
本書の著者であるショーン・スティーブンソンは、米国で人気の健康アドバイザー。睡眠不足の現代人に警鐘を鳴らします。彼によれば、この睡眠不足を解消するだけで、良い結果を残せるようになるそうです。自分に有利な状態を保ち、健全な選択を自動的に行えるようにするための賢い眠り方とはどういったものでしょうか。
それを知るには、まず睡眠不足の「悪」を認識する必要があります。当たり前のことですが、睡眠不足は私たちの脳に悪影響を及ぼします。でも、それがどれほどのものなのか、考えたことはありますか? アメリカ睡眠医学会が発表した調査によると、睡眠不足は大量の酒やマリファナを摂取した状態と同等の影響を与えます。睡眠不足の状態で講義を受けた学生の多くは、十分な睡眠をとっていた学生よりも低い成績でした。中には落第する学生もいたそうです。「睡眠を削れば、作業する時間が増えるのは間違いない。しかし、作業の質や効率性は損なわれる」と著者は指摘します。
眠い目をこすりながら自分に無理を強いてタスクをこなすのはやめましょう。十分な睡眠の確保を考えた時間の使い方を覚えれば、短時間で結果を残せるようになるはずです。朝時間など“脳のゴールデンタイム”を活用するといった効率的な時間の使い方もあります。それでこそ、斬新なアイデアを生み出したり、アクティブに行動したりできるようになるのです。
本書には、不眠を解消するための21のメソッドが紹介されています。睡眠の質を取り戻して、“バージョンの高い”自分で、学びやビジネスで結果を残しましょう。
徳本昌大
iPhoneやソーシャルメディアのビジネス活用を絶えず考える読書ブロガー。複数の広告会社勤務後、コミュニケーションコンサルタントとして独立。現在は、株式会社Ewil Japan、株式会社ビズライト・テクノロジー、GYAKUSAN株式会社の取締役としても活動中。 【URL】http://tokumoto.jp/