パズル感覚でプログラミング
昨今、プログラミング教育への注目が集まっている。2020年から小学校での「プログラミング教育の必修化」が決まり、今後算数や図工などと同様に、教科の1つとして受け入れられることになっていくからである。
そんな中、プログラミング学習の起爆剤となりうるアプリがある。それが「スウィフト・プレイグラウンズ(Swift Playgrounds)」だ。昨年開催された「WWDC 2016」にて発表されたこのアプリは、パズル感覚で簡単にプログラミング的思考を身につけることができるという画期的な仕組みを持つ。
このアプリの特徴は、実際にプログラミングコードを記述しながら実行することで、狙ったとおりの動作をしているかどうかをトライ&エラー方式で学べるというところだ。いわゆる「プログラミング的思考」を養うのにうってつけのアプリだといえる。
2016年9月のリリースからこれまで、アプリ内のテキストはすべて英語で表示されていた。それはそれで英語の勉強も並行してできるという側面もあったのだが、この度日本語を含めた5カ国語に対応が完了した。これで、より幅広いユーザが利用できるようになったといえよう。
Swift Playgrounds
【開発】Apple
【価格】無料
【カテゴリ】App Store>教育
【備考】iPad版のみ提供
iOS 10以降を搭載したiPadプロ/エア全モデルとiPadミニ2以降で利用可能。
iPadをフルに活かせる
タブレットの良さをフル活用したインタラクティブな設計
スウィフト・プレイグラウンズは、iOS 10以降で動作する「iPad専用アプリ」としてアップストアより無料でリリースされている。従来まではプログラミングを行うためにはコンピュータを用いるのが常であったが、このアプリではタブレットデバイスであるiPadにのみプラットフォームが提供されることで、より安価に、そして場所を選ばずにプログラミングを楽しむことができるというわけだ。iPadが持つパワー、シンプルさ、マルチタッチ機能をフル活用した学習体験を存分に味わえるだろう。
アプリ内容は、アップルが開発したプログラミングのレッスンやパズル、そして課題をとおしてコードの基本を学習するというものだ。複数のテンプレートも用意されており、ユーザのクリエイティビティを刺激する仕組みが随所に仕掛けられている。
対応するiPadは上記のとおり。12インチiPadプロなど、画面サイズは大きければ大きいほど見やすくなるが、もちろんiPadミニでも操作できるように工夫されているため、スタイルに合わせてiPadを選択するとよい。
アップストアアプリを開いてスウィフト・プレイグラウンズをインストールしてみよう。
プログラミングを楽しく学習できるさまざまなコンテンツが用意されている。
iパズル感覚でコードを学べる
キャラクターを操作してステージ攻略を目指せ!
自然と身につく「プログラミング思考」
スウィフト・プレイグラウンズで利用できるメインの学習コンテンツは「おすすめ」ページの上で大きく取り上げられているゲーム型学習プレイグラウンドの「コードを学ぼう」シリーズだ。ここでは、「バイト(Byte)」というキャラクターを操り、ステージごとに違う場所に配置されているジェム(宝石)を獲得したり、スイッチをすべてオープンにしたり、ステージごとに決められたゴール条件のクリアを目指すゲームとなっている。コードを記載することで「前進する」や「ジェムを集める」といったコマンド(命令)を実行し、キャラクターの動きを操作し、クリアを目指そう。
(1)まずは「コードを学ぼう1」のプレイグラウンドをインストールしよう。[おすすめ]から、「コードを学ぼう1」を選択し、[GET]を押してインストールを進める。
(2)[マイプレイグラウンド]タブをタップし、「コードを学ぼう1」を選択。最初にこのチャプターで何を学ぶのかという概要を説明する「イントロダクション」が表示される。
(3)その後、最初のステージが表示される。エディタにコードを記述して、キャラクタを動かしてみよう。基本的に、コマンドはタップ操作で追加していく。
(4)ゴール条件(ジェムの獲得数やスイッチを開けた数)をすべて満たせば、メッセージが表示され、見事クリアになる。これをステージごとに繰り返す。
本号の付録冊子「学べるアプリ」では、このスウィフト・プレイグランズのステージごとの攻略ガイドを数ステージ分掲載している。残念ながら、この「日本語」がアナウンスされたのが小冊子の制作後だったため、冊子内では英語版がベースになっているが、ステージの攻略方法は日本語版と変わらないため、ステージを進める助けになるはずだ。
「Apple Teacher プログラム」日本語版がスタート!
アップルが教職員向けに展開している「Apple Teacher プログラム」の日本語版が提供開始された。このプログラムは、指導と学習にアップル製品を利用している教育者を支援し、その成果をたたえるための無料のプログラム。参加すると「Apple Teacher Learning Center」と呼ばれるポータルサイトにアクセスでき、そこから厳選された学習教材のコレクションやリソース、アップル製品の使い方のヒント、授業のアイデアなどを閲覧できる。
また、iPadやMacを使った教え方・学び方の基本が学べるガイドを参照できたり、テストを受けて認証を受けることができる。Apple Teacherとして正式に認定ロゴが与えられたら、スウィフト・プレイグランズを使ったコーディングの学習や指導に挑戦することも可能となっている。