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ユーザ視点のデザインは面白い

著者: 林千恵美

ユーザ視点のデザインは面白い

STORY Ⅰ @IBM

【URL】https://www.ibm.com/jp-ja/

林千恵美 Chiemi Hayashi

オーストラリアの大学卒業後、デザイン会社を経てIBM Australiaに入社。2016年に日本IBMにデザイナーとして入社。デジタル・コンテンツ・マーケティング部門所属。オフィスの椅子はバランスボール。

私の仕事はデザイナーです。日本IBMは「ダークスーツに白いシャツ」のイメージを持たれることもあるそうですが、いまや社内でデニムとスニーカーの社員を見かけることも珍しくありません。私はマーケティング部門で、日本IBMの公式WEBサイトのデザインや、お客様事例の動画制作などを主に担当しています。動画を制作するときは、「Bubbleに入る」という表現を使ったりしますが、ヘッドフォンをつけたり、家にこもったりして集中します。MacBook Proとワコムタブレットを使って作業することが多いです。コミュニケーションツールは、社内チャットツールのSametimeとSlackは必ずオンにしてます。作業しているときはBubbleに入って集中しますが、途切れたときはSlackで同僚に話しかけたりして、気分転換をしています。

昨年7月、目からウロコが落ちるような体験をしました。ニューヨークにあるIBMのデザインセンターで、マーケティング部門のグローバル研修に参加しました。そこでは、記者会見のロールプレイを始め、文章の書き方、そしてメッセージを伝えるためのデザインや動画の重要性も学びました。周りのマーケターや広報担当者からも刺激を受け、「大事なのはオーディエンスだ。今までの私はデザインセントリックだった!」と改めて実感しました。それ以来、デザインの視点だけではなくマーケターとして、デザインをするようになりました。ユーザインターフェイスも見た目のかっこよさではなく、ユーザの見やすさを重視してブレインストーミングしながら作っています。

最近のトレンドとして、動画コンテンツへの需要の高まりを感じています。10年後にはほとんどのコンテンツは動くものになるだろう、という記事も目にしました。ひとくちに動画と言っても、インタビュー映像だけでなく、イメージ映像、製品のデモ画像、アニメーション、強調したい文字など、複数の種類を組み合わせてメッセージを伝えることが主流になってきています。Snackable Contentという言葉がありますが、メッセージをオーディエンスにスナック菓子を食べるように簡単に早く伝えるということが大事になってきています。少量で、美味しく、そして満足できるのがポイントです。見る人を飽きさせず、かつIBMらしいメッセージをどう出すか、日々、知恵を絞っています。

IBMのようなBtoBの会社でデザイナーをするのは面白いです。BtoCよりもBtoBは制限が多いため相当クリエイティブでないと面白いものは作れない。デザインをがらっと変える、そもそものやり方を変える、という考え方が常に必要で、これまでグラフィックデザイナーだった自分が、エクスペリエンスのデザインに踏み込んでやっている。自分自身の成長も感じられます。今後もコンフォートゾーンにいては置いていかれる!といつも意識し、スキルにはハングリーでいたいと思います。