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Mac Fan メールマガジン

ただ、実はMacだけの魅力がある

実は、Macだけの大きなメリット

Mac Only??iPhoneで動くiOSアプリの開発

iPhone/iPadアプリを開発・公開するには、Macが必要不可欠といっていいでしょう。iOSアプリを開発するには、通常「Xcode」というツールを使いますが、このツールはMac版だけしか存在していません。ウィンドウズを使って、iOSアプリとアンドロイドアプリの両方を開発する手段もありますが、その場合でもアップストアの登録で結局Macが必要になったり、十分なパフォーマンスが引き出せなかったり、各種センサやカメラといったハードウェア機能を限定的にしか活用できなかったり、何かと不自由が多いのです。iPhoneやiPadのハードウェア能力をアプリで十分に引き出したいと思ったら、結局はMacが唯一の選択肢となるのです。

Xcodeは、アプリ開発者の登録をしていなくてもMacアップストアからダウンロードできます。ただし、ファイルサイズは約5GBと大きめなので注意しましょう。

Mac Only??Mac App Storeの豊富なアプリ

かつてMacは、ウィンドウズに比べてソフトの本数が少ないと言われてきましたが、現在はそうした不満を抱えることはほとんどありません。Macアップストアという優良なソフト配信プラットフォームがあり、大変高機能なソフトも数多く提供されており、Macを使う魅力を引き上げています。公開には審査を通過する必要があるため、ウイルスなど不正なプログラムが侵入する可能性が低いなど、いいことづくめのプラットフォームなのです。

写真の加工にもグラフィックデザインにもマルチに使える「ピクセルメータ(Pixelmator)」。Macアップストアで提供されている、Macオンリーの高品質なソフトです。

Mac Only??無料のOSメジャーアップデート

Macもウィンドウズも、以前は有料でOSのアップデートが必要でした。パソコンショップで最新のOSを購入してインストールする必要があったのです。しかしMacでは、2013年にリリースされたOS X 10.9マーベリックスからOSのアップデートが完全に無償となりました。また、MacのOSはMacアップストアから手軽にダウンロードできるのも大きなポイントです。つまりMacユーザであれば、本体がシステム条件に合致していれば、いつでもすぐに最新のOSを利用できるというわけなのです。

最新のmacOSはMacアップストアからダウンロードします。

Mac Only??アップル純正のプロソフトの利用

アップルはハードウェアメーカーであると同時に、優れたソフトウェアメーカーでもあります。プロのワークフローを支えるファイナルカット・プロX(Final Cut Pro X)やロジックX(Logic X)といったアップル純正ソフトを利用できるのは、Macならではのメリットです。たとえば、映像編集ソフトのファイナルカット・プロXは、プロの映像制作現場で使われている最新のビデオ機器やビデオコーデックにも対応しています。また、ハードウェアメーカーが開発しているソフトのため、Macに組み込まれたテクノロジーを最大限に引き出せるのも大きなメリットです。

ファイナルカット・プロは、ハードウェアの力を引き出した高速な処理はもちろん、新MacBookプロのタッチバーのサポートなど、Macの能力をフルに活用できるのが魅力です。

Mac Only??ハンドオフやエアドロップなどiPhoneとの完全な連係が便利

iPhoneやiPadは、Macともウィンドウズとも連係ができます。ウィンドウズでもアイクラウドは利用できますし、グーグルアカウントと連係して連絡先やカレンダーを同期することも可能です。しかし、iPhoneで作成していたメールの続きをMacで書いたり、iPhoneにかかってきた電話をMacで受ける、いわゆる「ハンドオフ(Handoff)」機能の利用はMacならでは。また、デバイスをまたいでコピー&ペーストができる機能もMacでなければできません。ほかにも、写真やURLなどを素早く手軽に送れるエアドロップ(AirDrop)機能など、iPhone/iPadのメリットを最大限に引き出すには、やはりMacが必要になるのです。

各種のデータを手軽にやりとりするエアドロップ。iPhoneからMacに送るだけでなく、MacからiPhoneに画像を送信することもできます。

Mac Only??難しい設定が必要ないiCloudのフル活用

ウィンドウズでもアイクラウドは利用できますが、アイクラウドの持つすべての機能を使えるわけではありません。たとえば、キーチェーンの同期はWEBサービスのログインパスワードやWi-Fiネットワークのパスワードなどを複数デバイス間で同期できる魅力的な機能ですが、残念ながらウィンドウズには対応していません。また、コンピュータ内の古いデータなどを自動でアイクラウドに退避して空き容量を増やすストレージの最適化機能も、最新のmacOSでのみ利用できるものです。こうした画期的で便利な機能を、煩雑な設定なく手軽に利用できるのは、Macユーザならではのメリットです。

macOSシエラに搭載されたストレージ最適化機能は、しばらく使っていないファイルやiTunesストアからダウンロードした楽曲ファイルをアイクラウドに退避し、ストレージの空き容量を増やしてくれます。

Mac Only??アップルペイで素早い決済

最新のiOS 10には、指紋認証を使って素早く決済ができるアップルペイ(Apple Pay)という機能が搭載されています。実店舗での利用はiPhone 7/7プラスや最新のアップルウォッチに限られますが、アップルペイに対応したオンラインストアの決済なら、指紋認証機能のある他のiPhone、iPadでも利用が可能です。そのうえ、2012年以降に発売されたMacであれば、Macのサファリ上で商品を探し、最後に自分のiOSデバイスの指紋認証を使ってアップルペイの決済を完了させることができるのです。アップルペイは余計な個人情報をショップに送信しないため、素早いだけでなく安心度も高いのが魅力です。

MacとiPhoneを最新環境にしておけば、Macのサファリで商品を探し、iPhoneの指紋認証を使って買い物ができるようになります。

Mac Only??アップルウォッチによる自動スリープ解除

Macであれウィンドウズであれ、スリープ解除にパスワードを設定しておくことはとても大切です。自宅の据え置きマシン以外は必ず設定しておきたいところですが、解除のたびにキーボード入力を行うのは少々面倒…そんな気持ちも頷けます。そこでmacOSシエラでは、アップルウォッチを使ったロック解除の機能が搭載されました。2013年以降のMacが対応マシンとなりますが、「システム環境設定」で設定をしておけば、アップルウォッチが近づいたときに自動でMacのロックを解除してくれます。Macとアップルウォッチを使うことで、セキュリティと利便性の両方を高められるというわけです。

対応するMacなら、システム環境設定の[セキュリティとプライバシー]に該当の設定項目が表示されます。

 

実は、Macでもできること

Mac too??互換性が図られたOffice文書の作成・編集

「オフィスはマイクロソフトの製品だし、利用するにはウィンドウズが必要」と思っている人もまだまだいるのではないでしょうか。また、Mac版のオフィスが存在することを知っている人でも、機能や文書の互換性が不十分なのではないかと心配している人はいると思います。しかし、結論からいえば、その心配は一切無用です。最新の「オフィス2016 for Mac(Office2016 for Mac)」なら、ウィンドウズ版との機能の互換性も十分に図られてますし、レイアウトが崩れるような心配もほとんどありません。しかも、マルチタッチジェスチャなどMacならではの機能にも対応しており、快適にオフィス文書の作成・編集ができるのです。

「オフィス2016 for Mac」は、キーボードショートカットなども見直され、ウィンドウズ版に慣れたユーザでも戸惑うことなくフル活用できます。

Mac too??証券会社をしっかり選べば高機能なトレーディングが可能

残念ながらMacに対応したトレーディングツールを提供している証券会社は、未だに少ない状況です。しかし、楽天証券などはMac上で動作するトレーディングツールを提供しており、こうした証券会社を選べばMacでも十分に株式取引ができます。また、国内株だけでなく米国株の取引もMac上で可能です。たとえば、マネックス証券はWEBブラウザ上で動作する取引ツールがMacでも動作し、アップル株の取引も可能です。さらに、FXなどは多くの企業がMac対応を謳っており、さらにFXの自動売買システム「メタトレーダ(MetaTrader)」も、実はMacで利用できるのです。

楽天証券が提供する「MARKET SPEED for Mac」。各種の情報を独立したウインドウで表示できるため、マルチディスプレイ環境を有効に使ったトレーディングも可能になります。

Mac too??ハイレゾ音源+対応ソフトで高品質なサウンドを楽しめる

お気に入りの音楽を高音質で楽しみたい、その希望はMacでも十分に叶えることができます。まず、最新のiTunesでは、24ビット/96kHzのWAVファイルを再生することが可能です。ハイレゾ音源としてよく使われているFLAC形式のファイルはiTunesで扱うことができませんが、FLAC形式を再生・変換できるソフトはMacにも複数存在しているので困ることはないでしょう。あとは信頼の置けるDACをつないで音声を出力すれば、高品質なサウンドを心ゆくまで堪能できるというわけです。

「ボックス(VOX)」は、FLAC形式の音声ファイルを再生できるオーディオプレーヤ。Macアップストアから無料でダウンロードできます。

Mac too??会計業務はオンラインで解決

世の中に出回っている会計ソフトはほとんどがウィンドウズ版です。しかし、Macでは会計業務を諦めなければならないかといえば、必ずしもそうはいい切れません。今では「フリー(freee)」や「MFクラウド」などといったオンラインで利用できる会計サービスがあり、個人事業主や小規模企業の会計業務をしっかりとサポートしてくれるからです。こうしたクラウド会計サービスは、オンラインバンキングと連係して記録できる機能や、iPhoneアプリと連係して隙間の時間に帳簿がつけられるなど、オンラインならではのメリットもあります。

「フリー」では、ステップバイステップで質問に答えていくことで、確定申告書類を作成する機能も存在しています。

Mac too??さまざまな動画配信サービスで自由にコンテンツを視聴

以前はMacに未対応の動画配信サービスが数多く存在していましたが、今ではめっきり少なくなりました。フールー(Hulu)、ネットフリックス(Netflix)、dTV、TSUTAYA TVなど、メジャーな動画配信サービスは軒並みMacで視聴できます。そもそもMacで利用できない主な理由は、「ウィンドウズ・メディアDRM」という仕組みで著作権保護を行っていたことにあったのですが、今やこの仕組みは時代遅れになってきました。Macで再生できるかどうかを悩むことはほどんどなくなり、純粋に見たいコンテンツがあるかどうかで配信サービスを選べるようになったといえます。

ドコモが提供する「dTV」では、マルチプラットフォームのDRM保護技術「シルバーライト」を利用しています。

Mac too??Mac非対応は昔の話オンラインバンキングも可能

古いインターネットの情報などでは、Macに非対応のオンラインバンキングがあるという記載を目にすることがあります。しかし、これはずいぶん昔の話。今ではほとんどの銀行が、Macでも問題なくログインできるようになっているはずです。ただし、例外的に法人向け口座では、まだMacで利用できないというケースも存在しています。もし新たに独立・開業して法人口座を開設するという場合、事前にMacでの利用の可否を確認しておくといいでしょう。

三菱東京UFJ銀行の法人向けインターネットバンキングシステムなど、法人向け口座ではMac非対応の銀行もいくつか存在します。

Mac too??WEBブラウザの表示確認

MacでWEBサイトの制作を行っているWEB制作会社は決して少なくありませんが、最終的な確認でウィンドウズ環境が必要になるケースがあります。Macで問題なく表示されても、ウィンドウズ版のWEBブラウザだとレイアウトが崩れてしまうケースがあるからです。とはいえ現在は、ブラウザごとの表示の違いを効率的にチェックできる方法も存在します。たとえば、マイクロソフトの「ブラウザ・スクリーンショッツ(Browser screenshots)」というツールは、複数のWEBブラウザでの見た目をシミュレートして、スクリーンショットを生成してくれます。こうしたサービスを使うことで、MacでのWEB制作はグッと効率的になっていきます。

「ブラウザ・スクリーンショッツ」では、IE8など古いバージョンでの表示確認も可能です。【URL】https://developer.microsoft.com/en-us/microsoft-edge/tools/screenshots/

Mac too??CADもMacで動作するDWGファイルも編集可能

最初に誤解のないようにいっておくと、Macで動作するCADソフトは昔から存在しています。しかしそれでも、建築の現場などではウィンドウズでCADを使うというのが優勢でした。CAD分野で大きなシェアを誇る「オートキャド(autoCAD)」が、長らくウィンドウズ版のみだったためです。しかし2010年より、Mac上でも動作する「autoCAD LT for Mac」がリリースされており、ウィンドウズ版のautoCADで使われるDWG形式のファイルをMacでも開いて編集することが可能です。

オートキャドをリリースしているオートデスク社のWEBサイトでは、Mac対応ソフトを詳細するページが用意されています。ここから「autoCAD LT for Mac」の体験版をダウンロードすることも可能です。