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MacBook vs Surface

MacBook

主な特徴はここ!

●驚くほど軽いからどこにでも持ち運べる

●USB-Cポート1基のみで余計なものがない

●徹底した省電力で1日使ってもバッテリが持つ

MacBookPro

主な特徴はここ!

●タッチバー搭載で直感的な操作ができる

●ノート型Macの中でもっともディスプレイがきれい

●大きなトラックパッドで広々と操作可能

Surface Pro 4

主な特徴はここ!

●2in1だからPCとしてもタブレットとしても使える

●ディスプレイがタッチ操作に対応している

●従来の周辺機器がそのまま使える

MacBookとSurface Pro 4の比較表

見極めのコツ??バッテリが長持ちするのは?

サーフェスプロ4(Surface Pro 4)の公称バッテリ性能は、動画再生最大約9時間。同様の基準で比較した場合、MacBookは最大11時間となっています。使用する環境で連続稼働時間は変動しますが、同じ作業をするのであれば、MacBookのほうが20パーセント程度長いバッテリ駆動時間が得られると考えてよいでしょう。

しかし、バッテリ性能に重要なのは、使用しているときだけではありません。PCを使わずにスリープさせている間も、電力はわずかずつですが消費されていきます。初期設定状態で比較した場合、MacBookは最大30日間スタンバイ状態を維持することができますが、一方でサーフェスプロ4は数日(短ければ翌日)にはバッテリが上がってしまいます。

細やかな電源管理がハードウェアレベルまで行き届いており、本当の意味で「バッテリの消費時間を気にしないモバイル体験」を実現できているという点では、MacBookに軍配があがるといえるでしょう。

MacBookは徹底的な省電力を実現。外出先で作業をすることが多い場合、1日のワークタイムもバッテリ駆動だけでしっかり乗り切れます。

見極めのコツ??周辺機器との拡張性が高いのは?

現行のMacBookおよびMaBookプロは、外部の周辺機器を接続するポートの形状を、USBタイプC(サンダーボルト3)のみに切り替えました。これにより、従来までの周辺機器だけでなく、ビデオ出力や充電といったあらゆるものをシンプルに接続できるようになりました。

ケーブルの差し間違えを根本から防ぐことができる「ユニバーサルアクセス」という観点で考えれば、USBタイプCのみという設計は非常に優れているといえます。しかし、従来までの端子を備えた機器と接続する際には、必ず変換アダプタが必要になります。過渡期にありがちな問題とはいえ、見過ごすことはできない点でしょう。

一方、サーフェスプロ4はフルサイズUSB端子を備えており、従来の周辺機器との互換性を重視する設計になっています。加えて、マイクロSDカードスロットとミニディスプレイポートも搭載し、いざというときに役に立ちます。これはビジネスユーザを多く抱えるマイクロソフトならではの知見といえるでしょう。

とはいえ、どちらのモデルも端子の絶対数は限られており、複数台の周辺機器をつなぐためには、ドックタイプのマルチアダプタが欠かせません。アップルは、より先進的な提案としてエアプレイ(AirPlay)に代表されるようなワイヤレス接続を推進していますが、この場合も従来の機器から買い換えるコストを考えると、万人向けのソリューションではないといえます。どちらも一長一短があり、どの周辺機器を頻繁に使うのかという前提条件で、評価は大きく変わるでしょう。

現行のMacBookとMacBookプロのポートは、USBタイプCのみを採用しています。これまで使っていた周辺機器を利用する場合は、別売りのマルチアダプタが必須になるでしょう。

見極めのコツ??軽くて持ち運びに便利なのは?

これまで薄くて軽いモバイル向けノートブックの代表格といえば、MacBookエアでした。しかし、いまやその座はMacBookへと明け渡されました。その重量はエアと比べて300グラム近く軽量化され、約920グラム。歴代のMacの中でも、もっともコンパクトなプロダクトとなりました。

一方、サーフェスプロ4の重量をチェックしてみると、Maて持ち運んだ際に実感ができるレベルです。注意が必要なのは、サーフェスプロ4でキーボードを使用する場合には、別売りアクセサリの「タイプカバー」を併用する必要があるということ。タイプカバーの重量が約310グラム。本体と組み合わせて使う場合、その総重量は1.1キロ近くになり、MacBookの重量を超えてしまいます。ただし、これはiPadプロも同様で、タブレットとしての役割を持つデバイスにおいては必要な設計でしょう。

キーボードとトラックパッド、そしてOSが持つ機能性をどこまで必要とするかによって、デバイスの削ぎ落とすポイントも変わります。しかし、MacとiPadの2台持ちで荷物を切り替える手間を考えるのであれば、「同じデバイスでノートとタブレットの2役をこなせる」というサーフェスプロ4の思想は、2in1ノートブックの進化するべき道としては興味深いものがあります。

MacBookエアを超えるほどの軽量性を実現しているMacBook。重さ約920グラムと、よりポータビリティを実感できる設計となってます。

本体重量が約766グラムと、MacBookよりも軽量なサーフェスプロ4。ただし、別売りのキーボードを併用すると、1.1キロ近くになってしまうので注意が必要です。

見極めのコツ??サインインがスピーディに行えるのは?

PCを使ううえで、自分のデータやプライバシーといったものを他人に見られないようにする仕組みは、近年重要度を増しています。そういった意味でも、いまやログインパスワード(パスコード)の存在は欠かせない存在になっているでしょう。しかし、毎回ログインするためにパスワードを入力するのは手間ですし、何よりパスワードを入力する瞬間というのはセキュリティの観点からするともっとも無防備な瞬間です。誰かにパスワード見られていないかを毎回気にするのは、非常に難しい問題です。

そこで、Macではパスワードの代わりにアップルウォッチを認証トークン(所有物)にする「自動ロック解除」という機能が搭載されました。また、タッチバー(Touch Bar)が搭載された新しいMacBookプロでは、iOSデバイス同様に指紋認証によるパスコード入力を行う「タッチID(Touch ID)」が搭載されており、どちらもパスワードを入力することなく素早く再ログインできる環境を実現しています。

一方、サーフェスプロ4は認証技術「ウィンドウズ・ハロー(Windows Hello)」により、タイプカバーを使った指紋認証はもちろんのこと、正面カメラを使って顔認証でシステムにサインインすることが可能です。また、ウィンドウズ・ハローは単にユーザログインを代行するだけでなく、アプリケーションやサービスにも組み込むことが可能なため、顔をサーフェスプロ4に向けるだけでPC上で使うすべてのサービスに一度にログインする、といった一気通貫な利便性を提供するポテンシャルを持っています。

サーフェスプロ4では、ウィンドウズ・ハロー(Windows Hello)により正面カメラを使うことで顔認証でシステムにサインインできます。

別売りアクセサリのタイプカバーには、指紋認証センサが搭載されています。顔認証と同様に、素早いログインが可能です。

見極めのコツ??難しい設定が必要ないのはどっち?

コンピュータを使ううえで、環境を自分の好みに設定できることは、魅力の1つといっていいでしょう。しかし、「最初からあれもこれも…と細やかに設定するのは苦労だし、なるべく避けたい」と考えるのも自然な発想です。

Macの場合には、ある程度必要な設定はあらかじめシステム側で自動的にセットアップしてくれるため、特に細かく設定しなくても使い始めることができます。Macに初めて触るユーザにも不便を感じることがないように設計されているのが特徴です。

道具としての最適な形をアップルが整えてくれている「手触りの良さ」は、他のプラットフォームにはない魅力であり、これがMacの伝統的な使いやすさの正体でもあります。しかし、その一方で自動設定に甘えてしまい、いざ調整をしようとすると手順がわからなかったり、ユーザが変更できないといった不自由さを抱えている側面もあります。

一方ウィンドウズは、「理解したうえで設定を変更するのであれば、ユーザに自由にやらせる」というポリシーがいまなお根付いています。すなわち、ユーザがやり込もうと思えば徹底的に自分好みに調整できるというメリットがあるのです。たとえば、先述のサーフェスプロ4のバッテリ管理も、スリープ中の電力消費を大きく抑える「ハイバネーション」に切り替えるタイミングを調整することで、大きく待機時間を伸ばすことも可能です。

この特徴は「詳しい個人がマニアックな趣味で楽しむ」という意味ではなく、会社などで複数台導入する場合に、設定などを管理するときの容易さにつながります。ひとえに「設定しやすい」といっても、その後の管理まで考えた際にどちらにメリットがあるかは、まず業務や運用形態によって利点が異なることを覚えておくとよいでしょう。

Macを初めて起動した際も、セットアップアシスタントにより簡単に初期設定を行うことができます。自分でさまざまな設定をしなくても使い始められるのは、Macを選ぶ大きなメリットでしょう。

MacBookとSurfaceが持つコンピューティングの思想の違い

ノート型PCの人気は年ごとに高まっており、昨今では全体のシェアが市場全体の60パーセントを超えています。いまやPC使う多くの人にとって、決まったデスクで作業することは少なく、ポータブルが当たり前になっているのです。そんな中、大きく注目を浴びている製品が、マイクロソフトの「サーフェス(Surface)」シリーズです。2012年に同社初のタブレット型コンピュータとして発表されたこの製品は、いまやウィンドウズPCの中でもトップクラスの人気商品として注目を浴びています。この人気を支えている秘訣は、マイクロソフトの考える「ポータブルデバイスのあるべき未来」が、アップルとは異なるアプローチを取っている点にあります。

まず、アップルはiPadとMacBookの両シリーズの間に明確な一線を設けています。紙の延長線上に位置づけられたiPadには画面のタッチ操作に最適なiOSが採用されていますが、MacBookは従来のコンピュータ技術を継承したmacOSが継続されており、画面タッチ操作はあえて採用されていません。

一方、マイクロソフトはモバイル向けOSは開発せず、すべての機能をウィンドウズに盛り込んでいます。この結果、サーフェスはタッチ操作可能なタブレットでありながら、フル機能を持ったマイクロソフト・オフィスを使ったり、トラックパッドやマウスでカーソル操作ができるなど、一般的なPCとして振る舞うことができるようになりました。つまり、マイクロソフトはタブレットとノート型PCの間に線を引かず、むしろ融合することでどちらのシチュエーションでも使える「2in1」スタイルを次のスタンダードとして位置づけたのです。

これはサーフェスのスペックを見ても明らかです。CPUもiPadなどが利用するARM系のモバイルタイプではなく、MacBookと同様にインテル・コアシリーズを採用しています。メモリは最大16GB、ストレージも1TBまで用意されているなど、MacBookプロと比較しても遜色のない構成が用意されています。