iPhoneカメラも一眼カメラも使う写真好きは多いはず。問題は撮影した写真やビデオの保存場所ですが、現状ではクラウドが最良の選択肢とは限りません。そこで、iPhoneからワイヤレスで利用できる外部ストレージを試してみました。写真のフルバックアップだけでなく、SDカードリーダとしても便利な製品に出会えたので、その使い勝手をレポートします。
写真好きに嬉しいアイテム
つい先日、カメラ機能に惹かれてiPhone 7プラスを購入したのですが、これが予想以上に面白い。デュアルカメラのおかげで画質劣化を心配することなくさまざまな画角で撮影できるものですから、お出かけするとついつい撮影枚数が増えてしまいます。
すると心配になるのがフォトライブラリの容量。128GBモデルなのでiPhone本体ストレージの余裕はあるものの、アイクラウドフォト・ライブラリの使用量が増え、ストレージプランをついに200GBにアップグレードすることになってしまいました。
そこで、クラウドではなくローカルに保存できる外部ストレージで何かよいものはないかと探していたところ、ASUSから発売されている「トラベルエアAC」の存在を知りました。さっそく注文して届いた本機の最初の印象的は、そのシンプルなデザインです。大きさは直径86ミリの円盤状と手のひらサイズ、上面のロゴが電源ボタンで、正面にSDカードスロットとWi-Fiの切り替えスイッチ、背面にマイクロUSBの充電ポートがあるだけで一見してストレージの類には見えないくらいです。
本機はWi-Fiアクセスポイントとして動作するので、まずはiPhoneの「設定」アプリからWi-Fi接続します。接続中はiPhoneからインターネット接続できないものが多いのですが、本機はブリッジ機能を使えば自宅のWi-Fiアクセスポイントと中継できるので、インターネットを同時に利用できます。通信規格も11ac対応(1ストリーム最大433Mbps)なので、iPhoneで使うぶんには本機がボトルネックになってしまうことはありません。
ワイヤレスストレージ Travelair AC(WSD-A1)
【発売】ASUSTeK Computer
【実売価格】7474円
【URL】http://www.asus.com/jp/Optical-Drives-Storage/Travelair-AC-WSD-A1/
【OS】iOS 7以降、Mac OS X 10.6以降
【備考】内蔵ストレージ:32GB、SDカードスロット:最大256GB、ワイヤレス:IEEE802.11ac/n/g/b対応
本体にWi-Fiで接続する
Wi-Fiアクセスポイントとして動作するので、iPhoneからWi-Fiで接続します。本体前面のスイッチを「2.4G」から「5G」に切り替えれば、11acの高速通信にも対応します。さらに自宅のWi-Fiを設定すればブリッジとして動作するので、トラベルエアACに接続中もインターネットの利用が可能です。
写真を丸ごとバックアップ
まずは、トラベルエアAC専用アプリ「ASUS AiDrive」でiPhoneの写真をバックアップしてみました。
ひとまず問題なく動作することがわかりましたので、フォトライブラリはこのトラベルエアACにフルバックアップし、iPhone本体とアイクラウドからは重要な写真以外を残して「断捨離」していくことにしました。もちろん、どこのデバイスからでも写真をすぐ確認できるアイクラウド・フォトライブラリならではの便利さもありますので、使い分けが運用のポイントになってくるのではないでしょうか。
なお、写真はフルバックアップだけでなく、保存したい写真を選択してからコピーすることもできます。アプリのUIや操作性は良くも悪くもファイルブラウザ的で、洗練されている感じはしませんがわかりやすさは良好です。
iPhone写真を丸ごとバックアップ可能
本機はiOSアプリの「ASUS AiDrive」を利用して、iPhoneで撮影した写真やビデオ、連絡先データの保存と閲覧ができます。内蔵ストレージは32GBですが、SDカードスロットを備えているので最大256GBまで拡張可能、最新のiPhone 7プラスでも丸ごとバックアップできます。
ファイル管理もできる
アプリ内で写真を時間、名前、種類などでソートできるのも便利な機能です。iPhoneで写真を楽しむ人であればカバンに入れて持ち歩くとよいでしょう。バッテリ駆動で半日ほど利用できます。
カードリーダとして活用
トラベルエアACにはバッテリが内蔵されているので、外出時でも利用できるのが大きな利点です。というわけで年末年始の休日を利用して山登りと撮り鉄散歩に持って行きましたが、ここで役立ったのはSDメモリーカードリーダ機能です。
これまで一眼カメラで撮影した写真をiPhoneに読み込んでその場でSNSにシェアするときはアップル純正のアダプタを利用していたのですが、実はこれが何気に使いにくい。というのも、接続した際にSDメモリーカード内の写真がサムネイル表示されるのですが、日付が古い順から読み込まれてしまうのです。そのため、すでに数百枚撮影していたりすると、最後に撮った数枚の写真を読み出したいだけなのに、とてもとてもまどろっこしいのです。
その点、トラベルエアACでは日付が新しい順にSDメモリーカード内の写真が表示されますし、何よりワイヤレスですから読み込み中はポケットなどに放り込んでおいても作業を続行してくれます。ほんのちょっとした違いではありますが、撮影現場ではこうした違いが大きく響いてきます。これだけでもトラベルエアACを手に入れて正解だったなと思いました。