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“見守りケア”を可能にする「The Diary」

“見守りケア”を可能にする「The Diary」

The Diary

【作者】The Diary Corporation 【価格】無料

【カテゴリ】App Store>ヘルスケア/フィットネス

健康データの共有も

ザ・ダイアリーは、「ヘルスケア」アプリと連係できる健康管理アプリだ。このアプリ上で記録したデータをヘルスケアに反映させたり、すでにヘルスケアに記録されているデータをこのアプリで参照できる。

このアプリでは、「ヘルスケア」アプリと同様に体重や体脂肪率、血圧、歩数、血糖値、日々のアクティビティなどのデータを表示・記録できるほか、ヘルスケアにはない服薬の記録や感情の記録もできる。しかも、健康管理のためのタスクを設定して決まった時間に通知することもできるので、薬の服用や体重測定、フィットネスの開始などをリマインドしてくれるのがうれしい。また、さまざまなデータを音声で入力できるのもユニークな点だ。わざわざ入力する項目を選んで数値を入力して確定…といったステップを追うことなく、「体脂肪率が20%」と伝えるだけでスピーディに入力できる。

そのうえこのアプリでは、独自のクラウドサービスを使ってほかの人と健康データを共有できる。たとえば、自分の家族にこのアプリを使ってもらい、自分とデータを共有するように設定しておけば、離れていても家族の健康状態や服薬の記録をチェックできる。離れた場所にいる自分の親の健康管理にも役立てられるし、夫婦で互いにチェックし合うという活用方法もアリだろう。

【ココがすごい!】ヘルスケアデータとシームレスに統合している

最初にアプリを起動すると、ヘルスケアとのデータ連携を許可するかどうか尋ねられる。その際に連係を許可すれば、それ以降は特に何もすることなくデータ連係が行われる。たとえばこのアプリ上で体重を記録すればすぐにヘルスケアに反映されるし、逆にヘルスケア上で体重を入力した場合もこのアプリに反映される。つまり、ユーザはどちらでも好きに使い分ければいいということだ。もっとも、音声によるデータ入力ができることもあり、このアプリ上からデータを記録し、ヘルスケアに集約するというケースが増えていくだろう。また、ヘルスケアを介してアップルウォッチで計測した心拍数やアクティビティの記録も、このアプリ上で参照できる。

なお、ヘルスケア側では、どのデータの連係を許可するか、個別に細かく設定することも可能だ。基本的にはすべて連係しても構わないが、データを独自のクラウドサービスと連係するという特性上、万が一のことを考えて同期データの取捨選択をしてもいいだろう。

初回起動時に現れるダイアログでヘルスケアとの連携許可を行う。それ以降は特に面倒な設定は不要だ。

連携を許可すると、体重などの身体データのほかアクティビティの記録もアプリ上で確認できる。

【ココがすごい!】音声入力で楽チン

声で素早くデータ入力ができることは、このアプリを使う大きな理由の1つといえる。毎朝、脂肪率などを計測できるヘルスメーターに乗り、表示された数値をそのまま声で読み上げればすぐに記録される。わざわざ入力する項目を選んで、ソフトウェアキーボードで数値を入力するよりもはるかにスピーディーだ。さらにアップルウォッチのアプリを使って音声入力もでき、毎日の記録を効率的に済ませられるようになる。

アップルウォッチ用のアプリは、音声でのデータ入力に特化したもの。データの閲覧はできないが、iPhoneを取り出さなくても記録できるのは便利だ。

「体重が72キロ」などと声で伝えれば、該当する場所に素早くデータが入力される。毎日のことなので手軽にできるのはありがたい。

【ココがすごい!】デバイスを問わずに使える

このアプリは、独自のクラウドサービスを利用することで、iPhone、iPadアプリ、さらにはWEBブラウザでも自分の状態をチェックできる。普段iPhoneを持ち歩いていればWEBブラウザでチェックする必要性はあまり多くないが、WEBブラウザ上では月単位や年単位での表示も可能なため、長いスパンで自分の体調の変化を俯瞰できるほか、将来を予測したり、改善のための長期計画を立てたりするのに役立つというメリットがある。また、自分のデータをほかの人と共有する設定などもWEBブラウザ上で行う。

なお、ザ・ダイアリーはもともと米国のアプリ/サービスではあるが、WEBブラウザのインターフェイスは日本語に対応しており、WEBブラウザ画面の右上にある地球儀のマークをクリックして言語を切り替えることができる。ただし、iPhoneアプリに比べると、WEBブラウザ版のインターフェイスはまだ暫定的な対応という印象がある。まだ日本語化されていない部分も多いため、英語に不慣れだと、少々戸惑うかもしれない。まずはiPhoneでアプリ自体に慣れ、そこから徐々にWEBブラウザの利用を試していくといいだろう。今後のローカライズに期待したい。

公式サイトにアクセスし、左上の[LOGIN]からマイページにログインしよう。【URL】https://thediary.com/japan/

[タイムライン]画面では、日/年/月/年という単位を切り替えて、長期的視野で変化をチェックできる。

【ココがすごい!】遠隔ケアとして使える

このアプリは独自のクラウドサービスと連係することで、自分の家族やかかりつけ医師、介護士などとデータを共有できる。毎日顔を合わせられない家族であっても、本人が記録したデータを遠隔でチェックし、万が一何か異常があったときでも素早く気づくことができるようになる。

データ共有の設定はWEBブラウザ上で行い、共有している家族のチェックもやはりWEBブラウザから行う。iPhoneアプリはあくまで本人のデータ記録・確認に絞り込むことでシンプルなインターフェイスを実現したのだろう。共有設定の方法は日本語化が不十分ということもあり、高齢の家族を見守りたい場合は、先に共有設定を済ませてから本人に使用を始めてもらうようにしよう。

また、このサービスではデータごとに共有するかどうかを細かく設定できる。肉親以外と共有する場合など、中には見せたくないデータも出てくるだろう。必要性に応じて細かく表示内容を設定できるのは、プライバシーを守るうえでありがたい。

また、このアプリの公開元では「ダイアリー・ケアプロ(Diary CarePro)」という有償のソリューションも提供しており、使用することでより包括的な地域医療に活用できる。

自分のデータを他の人と共有したい場合、WEBブラウザでログインしてから左側にある[ゲスト]項目から招待を行う。

共有相手にどんな項目を見せるかは、細かく設定が可能だ。[VIEW]にすれば閲覧が、[MODIFY]にすれば数値の入力が可能になる。

共有の招待を受けた側は、[オーナー]項目から共有相手のデータを確認できる。名前の右側にあるメニューから[View Account]を選ぼう。