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ユニバーサルクリップボードでMacとiPhoneを超連係しよう!●macOS Sierra かんたん強化術

ユニバーサルクリップボードでMacとiPhoneを超連係しよう!●macOS Sierra かんたん強化術

コピー&ペーストは、私たちが普段行う操作の中で利用頻度も高い操作の1つに挙げられます。コピーできるのはテキストだけでなく写真や動画などさまざまなタイプのデータが対象で、異なるソフトウェアの間でペーストできる汎用性の高さは、日常生活に欠かせない重要な機能ともいえるでしょう。シエラで新たに導入された「ユニバーサルクリップボード」は、このコピー&ペーストをiOSデバイスとMacの間でも同期して利用できるようにしたものです。ソフトウェアだけでなく手持ちのデバイス間も分け隔てなくコピー&ペーストできるようになるこの機能は、使い込むほどに「どこでコピーしたのか」を意識する必要がなくなることが実感できる、まさにユニバーサル(普遍的)な環境を提供してくれるようになります。

ユニバーサルクリップボードの動作条件

ユニバーサルクリップボードを利用するには、macOSシエラとiOS 10という最新のOSが必要になります。それと同時にハードウェアが必要です。アップルによると、ユニバーサルクリップボードが利用できるのは2012年半ば以降に発売されたMac、およびiOS 10に対応したiOSとなっています。注意が必要なのはMacで、macOSシエラがインストールできるだけでなく、USB 3.0ポートを搭載した世代からの対応となります。MacBookエアや光学式ドライブを搭載したMacBookプロなど外見だけで2011年モデルと区別がつきづらい機種もあるので、自分のMacがどの世代なのかわからない場合には、自動ロック解除のときと同様にアップルメニューから「このMacについて」を開いて確認してみましょう。

また、ユニバーサルクリップボードも「どのデバイスが同じ所有者なのか」を確認するためにアイクラウド(アップルID)のフレームワークを利用します。このためMacとiOSデバイスそれぞれに同一のアカウントでアイクラウドへログインされている必要がありますので、設定前に正しい状態になっているか確認しておきましょう。

 

ユニバーサルクリップボードに対応するハードウェア

Mac

●MacBook(12inch Retina Early 2015)以降

●MacBook Air(Mid 2012)以降

●MacBook Pro(Mid 2012)以降

●Mac mini(Late 2012)以降

●iMac(Late 2012)以降

●Mac Pro(Late 2013)以降

iPhone

●iPhone 5/5c/5s

●iPhone 6/6 Plus/6s/6s Plus

●iPhone SE

●iPhone 7/7 Plus

iPad

●iPad mini 2/3/4

●iPad(第4世代)

●iPad Air/2

●iPad Pro

iPod

●iPod touch(第6世代)

コピーした情報はいつまで残る?

ユニバーサルクリップボードにコピーされた情報は、新しく別のものがコピーされるまでそのまま残っているのでしょうか。実験してみたところ結論は「NO」。クリップボードの中身を表示させてチェックしてみたところ、2分以内にペーストを実行した場合にはデータがコピーされましたが、それを過ぎるとキャンセルされて通常のクリップボードに戻っていました。クラウドストレージとは異なり、あくまでデータの受け渡しを簡素化する仕組みです。

ユニバーサルクリップボードは、2分以上操作が行われない場合にはキャンセルされます。このことからデータの転送はペーストを実行したときに初めて相手のクリップボードに行われていることがわかります。

コピーできる環境に制限はある?

ユニバーサルクリップボードのデータの受け渡しは、ブルートゥースとWi-Fiを組み合わせてデバイス同士で直接通信する「アドホック接続」という方法を使っています。オフライン環境でもデータの転送ができるので、電車や飛行機の中でも利用することができます。また、デバイス同士の距離はブルートゥースが通信できる範囲である3~7メートル程度の範囲であれば、隣り合わせて置いていなくても利用することができます。

ブルートゥースの到達距離は、遮蔽物がない状態で約10メートル(クラス2)となっています。目安としては同じ室内であれば、どこに置いてあってもユニバーサルクリップボードは使える範囲です。

ユニバーサルクリップボードを使ってみる

実際にユニバーサルクリップボードを使ってみましょう。たとえばiPhoneでサファリを開いて、ページの中の文章を選択してコピーします。次にMacでメモを起動して、そのままペースとしてみると先ほどiPhoneでコピーした文章がきちんと反映されます。コピー可能なデータの種類ですが、従来利用できたタイプのものは特に制約なく利用できるようです(詳細は表を参照)。基本的な「コピー&ペースト」以外の特別な動作も必要ないので、iPhoneでクラウドストレージなどに保存してからMacでまた開く…といった手間も激減します。

ユニバーサルクリップボードでコピー&ペーストできるもの

●テキスト(フォントやカラーなどのスタイルを含む)

●画像(JPEG、GIF、TIFF、PNG形式で確認)

●ムービー(H.264形式で確認)

●オーディオ(MP3とAAC形式で確認)

●ナンバーズのセル(カラーなどの情報を含む)

●iWorkアプリで作ったオブジェクト

基本操作は、対象となるものをコピーして、別のデバイスでペーストするだけ。iOSデバイスからMacへ送るだけでなく、iOSデバイス同士でも、またMacからiOSデバイスにも送ることができます。また、テキストなども送ることができるので、自分のデバイス間での受け渡しであればエアドロップよりも利便性は高く使いこなすと快適さが増すことは間違いありません。

ナンバーズなどの表計算ソフトで利用する「セル」をコピーした場合にも、中に入っているデータやスタイル、カラーといった情報がきちんと保たれたままペーストします。

Handoffが使えないときのトラブルシューティング

ユニバーサルクリップボードが使えるかどうかチェックする方法として簡単なのが、動作条件が同一の機能であるハンドオフ(Handoff)で試す方法です。この場合はまず、iOSデバイスでサファリを起動した状態でMacの画面をチェックしてみます。しばらくすると、デスクトップにあるドックの横にハンドオフでサファリを引き継ぐことを示すアイコン出てくるはずです。

ここでアイコンが表示されない場合には、システム環境設定を起動して[iCloud]から[アカウントの詳細]ボタンをクリックして、表示されるシートから[デバイス]のタブを選んでデバイスがそれぞれ現在使用しているこのアカウントに登録されているかどうか確認します。もし、リストに表示されていない場合には該当するデバイスからアイクラウドをサインアウトして、もう一度サインインし直してデバイスを登録し直します。

これでもリストに登録されなかったり、デバイスが登録されているのにユニバーサルクリップボードやハンドオフが機能しない場合には、ハードウェアを含むいくつかの設定を見直す必要がありますので表をチェックしながら確認してみると良いでしょう。

Mac側でチェックすること

1 再起動する

2 アイクラウドをサインアウトして、もう一度サインイン

3 Wi-Fiを一度オフにしてからオンにする

4 ブルートゥースを一度オフにしてからオンにする

5 「システム環境設定」を起動して[iCloud]から[どこでもMy Mac]をオンにする

iOS側でチェックすること

1 再起動する

2 アイクラウドをサインアウトして、もう一度サインイン

3 Wi-Fiを一度オフにしてからオンにする

4 ブルートゥースを一度オフにしてからオンにする

5 「設定」を起動して[iCloud]から[iPhone(iPad/iPod)を探す]をオンにする