I CT教育の重要性が叫ばれて久しいが、一足飛びにそうしたモデルチェンジができていないのが教育業界の現状だ。そこには、教育が長期にわたるプロジェクトであること、相手が人間なので失敗が許されないことなどから、保守的にならざるを得ない理由があるという。
そんな教育の世界で、既存のしがらみに捉われない革新的なサービスとして登場したのがスマホ家庭教師「マナボ(manabo)」である。運営会社マナボは2014年4月から同サービスを提供し、現在急成長を遂げている注目のベンチャー企業だ。
マナボのコンセプトは「24時間365日の完全個別指導」。専用アプリをダウンロードしたスマートフォンさえあれば24時間いつでも質問可能で、数分と経たないうちに難関大学の学生チューターからレスポンスがある。指導は通話とチャットで行われ、画面をホワイトボードのように使ってわかりやすい指導が受けられる。ユニークなのは、学生がアプリをとおして質問を投げかけると、それについて教えられるチューターが立候補するという仕組み。学生は彼らのプロフィールやほかの学生からの評価といった情報をもとにチューターを選択できる。このあたりは、家庭教師を単にオンライン化したというより、クラウドソーシングの考え方を教育に持ち込んだというほうが正しいだろう。
それにしても、なぜ家庭教師だったのか。その理由をマナボ代表取締役社長・三橋克仁氏は次のように語る。
「僕自身が家庭教師をしていた頃、生徒が携帯電話のカメラで問題を撮って送ってきたことがあったんです。マナボはその経験から生まれました。これまで学校や塾は、一人の先生が大勢の生徒を教えるというやり方でしたが、それでは生徒一人一人の質問に対応することが難しい。学校や塾を補完するためのサービスが必要なんです」
すでに大手の塾や教育サービスと協業を果たすなど、BtoBtoCの導入も進みつつあるマナボ。今後は蓄積した指導の内容を活用し、中高生向けの教育プラットフォームとして、これを無料で提供していく考えもあるという。将来の展開も含め大いに期待したいサービスだ。
スマートフォンさえあればいつでもすぐに質問できる
スマホ家庭教師「マナボ」は、24時間365日対応のオンライン家庭教師サービス。全国各地の学生が、時間を気にすることなく安価に優秀なチューター(個人指導を担当する教師)の指導をリアルタイムで受けられる。専用アプリ内で質問を投稿すると、それに答えられるチューターが立候補し、学生側がその中から教えてほしいチューターを選ぶという仕組みだ。