【応用1】Mac上のウィンドウズにソフトをインストールしよう
ウィンドウズストアを利用してみる
MacにMacアップストアがあるように、ウィンドウズにはウィンドウズストアがあります。ウィンドウズストアは、PC用ソフト以外にも音楽や映画、テレビ番組といったコンテンツを取り扱うなど、iTunesストアとの共通点が多く、ウィンドウズにあまり慣れていないMacユーザでも迷うことなく操作できるでしょう。なお、ウィンドウズストアの利用には、ソフトの有料・無料に関わらずマイクロソフトアカウントが必要になります。あらかじめアカウントを作っておくと、ソフトがスムースに入手できます。
ウィンドウズストアのほかにも、パッケージソフトやオンラインウェアなど、ソフトの選択肢が豊富であることが、ウィンドウズを使う最大の理由という人もいるでしょう。目的にあったソフトをインストールすることで、ウィンドウズでの作業効率の向上も期待できます。また、Mac版が公開されていないゲームがいち早くプレイできるのも楽しみの1つ。何はともあれウィンドウズストアを覗いてみましょう。
スタートメニューのカスタマイズ
インストールしたソフトは、スタートメニューから起動します。インストール直後であれば、スタートメニューの左側の[最近追加されたもの]のリストに表示されますが、通常は[すべてのアプリ]から探します。
毎回ここからソフトを起ち上げるのは少々面倒という場合は、よく使うソフトをスタートメニューやタスクバーにピン留めしておくと、すぐに起動できて便利です。スタートメニューへは、右クリックやドラッグ&ドロップで簡単に追加できます。
ウィンドウズにインストール済みのソフトを確認するには、スタートメニューの[すべてのアプリ]をクリックします。
ソフトは、スタートメニューの左側のカラムに一覧表示されます。ウインドウ表示で見にくい場合は、フルスクリーンに切り替えましょう。
スタートメニューに追加するには、左の一覧からソフトをドラッグして追加します。新しくカテゴリを作ることもできます。
【応用2】ウィンドウズでプリンタなどの周辺機器を使おう
プリンタを利用する
ウィンドウズのワードで作成した書類を印刷したいけど、仮想マシンから直接出力できる? もちろんできます。しかも、普段Macで使用しているプリンタを利用する場合は、プリンタドライバをインストールする必要もありません。いつものようにMacとプリンタを接続して、ウィンドウズから印刷するだけです。これならむしろ2台のコンピュータを使うより、仮想化したほうがさまざまな設定の手間が省けます。
[構成設定]を開き[ハードウェア]タブの[共有プリンタ]で、「Windows10とMacのプリンタを共有する」にチェックが入っていることを確認します。
設定は以上で完了です。あとは、プリンタがMac本体に接続されていることを確認して、ウィンドウズのソフトで[印刷]を実行します。
出力先が、現在接続中のプリンタになっているはずです。あとは印刷部数や用紙の方向などを設定して[印刷]をクリックします。
USBデバイスを利用する
ハードディスクや、USBメモリ、デジカメにスマホなどなど、パソコンとUSBデバイスは切っても切れない間柄です。また、最近のMacには光学式ドライブが内蔵されていない機種が多く、CDやDVDを読み込むにも外付けドライブの接続が必要です。
そこで今度は、Macに接続した外部デバイスを仮想マシンから使う手順を紹介します。Macのプリンタ共有とは別のプリンタを使う場合や、ウィンドウズ用のソフトを外部メディアからインストールするときにも対応できます。
ウィンドウズのウィンドウをアクティブにした状態でUSB機器を接続すると、図のようなウインドウが表示されます。
画面の右下に表示されるメッセージをクリックし、DVDドライブに装填した音楽CDの扱いを選択します。ここでは[オーディオCDの再生]をクリックします。
ウィンドウズ・メディア・プレーヤが起動し、音楽CDの再生や取り込みを行う準備ができました。
USB機器をアクティブな仮想マシンに自動で接続させるには、構成設定の[ハードウェア]タブで[USBとBluetooth]を選択し、[USBの接続設定]をクリックします。
[デバイス]タブで[アクティブな仮想マシンに接続する]をクリックして有効にします。
【応用3】Macとウィンドウズ間でフォルダやソフトを共有しよう
フォルダを共有する
1台のパソコンに2つのOSを載せているからといって、それぞれにデータを保存しておくのは非効率です。汎用性の高いファイルは、フォルダごと共有しましょう。
パラレルスの初期設定では、Macのホームフォルダをウィンドウズで、ウィンドウズフォルダをMacでそれぞれ共有しています。また、指定したフォルダだけを共有したり、Macで運用しているオンラインストレージのフォルダにウィンドウズからアクセスしたりといった設定も可能です。
Macのフォルダを共有
[Macを共有する]で[ホームフォルダのみ]が選択されていることを確認。その下の[共有プロファイル]の設定を有効にしたうえで[構成]をクリックします。
初期設定ではすべてにチェックが付いているので、共有しないもののチェックを外し[OK]をクリックします。
共有設定後、ウィンドウズを一旦サインアウトすると変更が適用されます。たとえば[Music]フォルダを開くと、ガレージバンドなどの内容が共有されています。
ウィンドウズを共有
今度は[Windowsを共有する]をクリックし、[MacからWindowsフォルダへのアクセス]が有効になっていることを確認します。
Macのファインダ上でウィンドウズディスクにアクセスできます。なお、デスクトップに配置した仮想ディスクへのショートカットは、仮想ディスク起動時にのみ表示されます。
ソフトの共有
パラレルスを使うと、Macのファイルをウィンドウズのソフトで、またはウィンドウズのファイルをMacのソフトで開くといったように、OSの垣根を越えてソフトを起動できます。また、文書ファイルは常にウィンドウズ側のワードで開くなど、特定の形式のファイルを常に同じソフトで開く設定も可能です。
Macのソフトで開く
構成設定の[オプション]にある[アプリケーション]で、[MacアプリケーションをWindowsと共有する]をチェックします。
開きたいファイル上を右クリックしてメニューを開き[Macで開く]をクリックします。ここでは画像ファイルを選択したため、「プレビュー」で開きました。
デフォルト設定のソフトではなく、特定のソフトで開きたい場合は、右クリックで表示される[プログラムから開く]で開くソフトを選択します。
Winのソフトで開く
Macからウィンドウズのソフトでファイルを開く場合は、ファイルを右クリックして[このアプリケーションで開く]からソフトを選択します。
メニューに目的のソフトがない場合は[その他]をクリックしてソフトを選択します。[常にこのアプリケーションで開く]を有効にすると、次回以降は選択したソフトで開くようになります。
URLなどのリンクをMacで開く
仮想マシンで開いた文書内のURLやメールアドレスのリンクをクリックすると、通常は仮想マシン(ウィンドウズ)側のWEBブラウザやメールソフトが起動してWEBページや新規メッセージを開きます。しかしメールやWEBは使い慣れたMacで処理したいという人も多いでしょう。そんなときは、リンクを開くOSをMacに設定しておきます。設定後、リンクをクリックするとMacのサファリやメール、またはMacでデフォルトに設定したブラウザやメーラが起動します。
構成設定の[オプション]で[ウェブとメール]を開き、WEBページまたはメールを[Macで開く]に設定します。
設定後、ウィンドウズで開いている文書内のリンクをクリックします。「このリンクを開きますか」とアラートが出たら「はい」をクリックします。
Macのサファリが起動してリンク先のWEBページを開きます。メールも同様に設定できます。
ドラッグ&ドロップとコピペ
フォルダを共有することで、Macと仮想マシン間でのファイルのやりとりの手間が省けました。ここまできたら、Macとウィンドウズの壁を乗り越えるまであと一歩。普段Macで当たり前のように行っているドラッグ&ドロップやコピー&ペーストが、Macとウィンドウズ間でできたら便利だと思いませんか? ブートキャンプではできないことですが、仮想化ソフトなら簡単に実現できてしまいます。
Mac→Win
Macのファインダから仮想マシンのウインドウ内へ、画像データをドラッグ&ドロップします。
Win→Mac
今度はウィンドウズのフォルダからMacのデスクトップにドラッグ&ドロップで移動します。
コピー&ペースト
Macと仮想マシン間でのコピー&ペーストを有効にするには、構成設定の[詳細オプション]にある[Macのクリップボードを共有する]にチェックを付けます。
【メディアからインストール】
DVDやUSBなど外部メディアからウィンドウズにソフトをインストールする場合は、始めにUSBデバイスをウィンドウズで使用する設定を行います。「応用2」を参考にデバイスをセットアップしましょう。
【プリンタ】
Macの共有プリンタとは別に、仮想マシンにプリンタを接続する場合は、構成設定の[ハードウェア]タブを開き、リスト下部の[+]をクリックして[プリンタ]を追加します。追加したプリンタ項目に、接続するプリンタを設定します。
【アイクラウド】
Mac側で利用しているアイクラウドドライブに仮想マシンからアクセスするには、構成設定の[オプション]タブで[共有]を開き、[共有クラウド]にチェックを入れておきます。
【WEBブラウザ】
Macのサファリからウィンドウズのインターネット・エクスプローラーでリンクを開くことも可能です。サファリ側に「Open in Internet Explorer」というプラグインをインストールすることで実現できます。